ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

ゾンビ映画、続編映画としては標準以上じゃないかな?

2007-04-01 | 映画
ハウス・オブ・ザ・デッド2

冒頭肩すかしネタが入りながら、「リ・アニメーター(死霊のしたたり)」ばりの、死者蘇生実験が挿入され、それからタイトルバックで(「ドーン・オブ・ザ・デッド」ばりに)ゾンビ性の伝播が語られる。

唐突に29 days later(29日後…)という字幕が挿入されるが、あくまで「ネタ」なんだろうな。【1】

その出来事のせいでゾンビ化したレストラン・シェフ及び、ウェイターの始末(こいつの顔の雰囲気が、あの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のファースト・ゾンビにどこか似ているのもネタか?)という場面で、本編の男女主人公が紹介される。

エリス(エド・クイン)は前の任務で兄がゾンビ化の犠牲になっており、ナイティンゲールというニックネームを持つ女性科学者アレックス(エマニュエル・ヴォージア)には反発心があるらしい。このふたりのAMSエージェントと軍の特殊部隊が感染の中心である「クェスタ・ベルデ大学」【2】に潜入する……。

以下、もう細かい場面を追うのはやめる。自分の目で見て欲しい。

それにしても、この作品のレビュアーはなぜか「前作とは関係ない」とか、「キュリアンは今作では初老の親父である」とか、「原作のゲームとはかけ離れている」とか書いている。本当にあんたらいったい何を見ているの? と不思議な気持ちがするばかりだ。

◎「原作のゲームとかけ離れている」◎

これは、そう、そのとおりかもしれない。しかし、同じSEGAのガンシューティングゲームで、「ハウス・オブ・ザ・デッド」に先行する作品を頭に浮かべれば、そちらからこの作品に衣装が取り入れられているのに気付くはずである。そう、防弾チョッキ付きの隊員服は「バーチャコップ」そっくりではないか! それにゾンビ化の原因に変異した蚊が関わる点も、変異カエルや変異ヘビの登場するゲームを踏まえていると感じる。また、同じ場所に辿り着くのに違うルートがあるのもオリジナルのゲームを思わせるぞ。

◎「キュリアンは今作では初老の親父である」「前作とは関係ない」◎

本当に何を見ているのだか。前作の終わりに「キュリアン姓である」とわかった人物のフルネームは「ルディー・キュリアン」といい、今作の初老の「キュリアン教授」の息子である。死霊の島や呪われた船長などの話をまるで信じてもらえなかったために、父親のキュリアン教授の大学の研究室に前作のヒロイン「アリシア」の遺体を運び込み、間もなく行方不明になったらしいということが語られているし、主人公たちの求める「感染第一世代」のゾンビが他ならぬ「アリシア」であることで、とにもかくにもきちんと続編になっているではないか!

さらに続きがありそうな感じ、と多くのひとが指摘しているのは、どうもストレートにエンドロール後の「キュリアン教授のゾンビ」のひと吼えに因っているのだろうが、そんなものを見なくても、「ルディー・キュリアン」が行方不明だということだけで、続編の余地、しかももっとも原作ゲームに近い映画を作り得ると予想できると思うのだが。

*なお、この作品は前作とは違って劇場公開ではなく、テレビ放映された模様である。それにしても、実撮影期間18日とかいうのは、本当に凄いことだ。*

*それからエンドロールの献辞に前作監督のウーベェ・ボルの名があるばかりか、リビング・デッドの元祖ジョージ・A・ロメロ監督の名まであるのが素晴らしいと思う。*

【1】当然、感染ホラーの秀作「28日後…」をふまえているのだろうな。

【2】緑の谷を意味するスペイン語クェスタ・ベルデ。その地名は映画「ポルターガイスト」における、あの新興住宅地の地名である。


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