「ザ・フォッグ」(THE FOG)
劇場では二回かそこらしか見ていないので、若い頃見た映画としては少ない方だが、そもそも字幕なしの輸入VHS所持、「日本語吹き替え版」も所持しているから、そいつでかなりの回数を見ている作品だ。
ジョン・カーペンター監督といえば、「ニューヨーク1997」で、脇役にこんな名付けをしていたりする。マンハッタン島監視所勤務の医師で、主人公スネークの首筋に(任務達成して無効化されなければ)24時間後に爆発する小型爆弾を埋め込んだ憎いヤツ、白衣も似合いのエリート風な男にクローネンバーグ。マンハッタンの帝王=キング・オブ・ニューヨークを自称するデューク配下でパンクファッションで擦れた笑い声、青白い顔に剥き出しの歯のゾンビ風男にロメロ。
……さて、「ザ・フォッグ」では、「霧の中の怨霊」にあっさりとぶっ殺される気象予報官にダン・オバノンという名を与えている。
ジョン・カーペンターのカルトSF「ダーク・スター」での盟友ダン・オバノンは、このころは「エイリアン」の脚本で有名になったばかりであり、「ゾンゲリア」(脚本)もまだだし、まして初監督作品「バタリアン」もまだまだのころ。ロメロやクローネンバーグよりはマイナーな存在だった。
エイドリアン・バーボー演じるシングル・ママDJに、恋心を抱く気象予報官がダン・オバノンである。彼女の放送局は港町アントニオ・ベイを見渡す高台の灯台で、クライマックスでの彼女の役割は意思を持つように見える霧の状況に気を揉み、放送で警告を出すこと。高みから迫る霧に、「ダン、気をつけて!」と折角の電話を軽視して、霧の中に出てやられてしまうんだ、ダンったら。
ラストシーンで彼女はクリスチャン・ナイビー版(制作のハワード・ホークスの名の方が有名だが)「遊星よりの物体X」のセリフのもじり(「空を警戒してください」ならぬ)「霧を警戒してください」という台詞をいう。これ、カーペンターにとっては意味ある台詞。(ナイビー版があってこそ、オバノンとカーペンター「ダーク・スター」が、そしてオバノンの「エイリアン」企画・脚本が、もちろんカーペンターの「遊星からの物体X」が存在するわけだから)。
本当にマニア(オタク)監督なのだ。
カーペンター印の映画の本質は音楽も彼が作っていること。監督作品としては一本前となる「ハロウィン」にも引けを取らぬ印象的なテーマは聞きものだ。
ジェイミー・リー・カーチスとジャネット・リーの母娘競演、ハル・ホルブルック演じる神父の、愚かな末路と、見所も結構多いしね。未見ならば、是非。
リメイク版はあまり見る気にもならないな。オタク度が違いそうだもの。
*こちらも、某DVDレンタルのレビューからサルベージ*
劇場では二回かそこらしか見ていないので、若い頃見た映画としては少ない方だが、そもそも字幕なしの輸入VHS所持、「日本語吹き替え版」も所持しているから、そいつでかなりの回数を見ている作品だ。
ジョン・カーペンター監督といえば、「ニューヨーク1997」で、脇役にこんな名付けをしていたりする。マンハッタン島監視所勤務の医師で、主人公スネークの首筋に(任務達成して無効化されなければ)24時間後に爆発する小型爆弾を埋め込んだ憎いヤツ、白衣も似合いのエリート風な男にクローネンバーグ。マンハッタンの帝王=キング・オブ・ニューヨークを自称するデューク配下でパンクファッションで擦れた笑い声、青白い顔に剥き出しの歯のゾンビ風男にロメロ。
……さて、「ザ・フォッグ」では、「霧の中の怨霊」にあっさりとぶっ殺される気象予報官にダン・オバノンという名を与えている。
ジョン・カーペンターのカルトSF「ダーク・スター」での盟友ダン・オバノンは、このころは「エイリアン」の脚本で有名になったばかりであり、「ゾンゲリア」(脚本)もまだだし、まして初監督作品「バタリアン」もまだまだのころ。ロメロやクローネンバーグよりはマイナーな存在だった。
エイドリアン・バーボー演じるシングル・ママDJに、恋心を抱く気象予報官がダン・オバノンである。彼女の放送局は港町アントニオ・ベイを見渡す高台の灯台で、クライマックスでの彼女の役割は意思を持つように見える霧の状況に気を揉み、放送で警告を出すこと。高みから迫る霧に、「ダン、気をつけて!」と折角の電話を軽視して、霧の中に出てやられてしまうんだ、ダンったら。
ラストシーンで彼女はクリスチャン・ナイビー版(制作のハワード・ホークスの名の方が有名だが)「遊星よりの物体X」のセリフのもじり(「空を警戒してください」ならぬ)「霧を警戒してください」という台詞をいう。これ、カーペンターにとっては意味ある台詞。(ナイビー版があってこそ、オバノンとカーペンター「ダーク・スター」が、そしてオバノンの「エイリアン」企画・脚本が、もちろんカーペンターの「遊星からの物体X」が存在するわけだから)。
本当にマニア(オタク)監督なのだ。
カーペンター印の映画の本質は音楽も彼が作っていること。監督作品としては一本前となる「ハロウィン」にも引けを取らぬ印象的なテーマは聞きものだ。
ジェイミー・リー・カーチスとジャネット・リーの母娘競演、ハル・ホルブルック演じる神父の、愚かな末路と、見所も結構多いしね。未見ならば、是非。
リメイク版はあまり見る気にもならないな。オタク度が違いそうだもの。
*こちらも、某DVDレンタルのレビューからサルベージ*
元気があってホラーもSFも極上でしたね。
実は夏に遊星からの物体Xがむしょうに見たく
なって見てました。クリーチャーの出来の良さは職人技でしたよね。最近のCGでは出せない動きと雰囲気。内臓ぐちゃぴゅーに感動してた私の青春。
キャラクター(登場人物)の「名前」なのです。
「ザ・フォッグ」のオバノンも同じ。演じているのはニック・キャッスルだったと思います。
「ラスト・スターファイター」等の監督でもある彼、ニック・キャッスル。
リメイク版では、今度は彼が、キャラクター名に使われているらしいと知りました。