ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

何もかもが、火星からやってきた(2) 火星からの侵略者

2006-11-04 | 映画
スペースインベーダー」(Invaders from Mars)

1953年作品「Invaders from Mars(未)」(1979年に「スター・ウォーズ」に端を発するSF映画ブームに便乗し、妙な主題歌とともに「惑星アドベンチャー スペース・モンスター襲来!」という意味不明のタイトルで劇場公開された。VHS版もリリースされたが、日本版DVDは未リリース)のリメイク作品である。

トビー・フーパー監督 ダン・オバノン脚本 ジョン・ダイクストラ特殊視覚効果 ということで、これは「スペース・バンパイア」のスタッフであるわけだが、あの作品以上に、「マーズ・アタック」同様のけれん味のある作品となっている。

というのは、この作品は原典「惑星アドベンチャー」(の非吹き替え版)にあまりに忠実だからだ。50年代SFのチープさと危うさを、1986年の技術で作り出してしまっているのである。

裏山に着陸した(厳密には地中に潜った)宇宙船には、火星人の支配者(マスター)と従僕(サーバント)が乗っていて、人間を地中の宇宙船に引き込んでは洗脳している。それに気付いたのは主人公である少年だけ。で、クライマックスの後、それが夢とわかるところまで忠実にリメイクされている。ただ、原典がその後、夢が真実になる可能性を示唆したに止めたのに対して、リメイク版は悪夢の再来を積極的に描いたのが違いだろうか。

後は、スタン・ウィンストンがデザインのマスターとサーバントの醜さ、無様さが原典の「金粉首だけ親父」マスターと、「作業服の遮光器土偶」サーバントのそれよりもインパクトが強い、ということぐらいじゃなかろうか。

ついでに、役者のことをいえば、洗脳された理科教員のルイズ・フレッチャ-対主人公の見方の養護教員カレン・ブラックというのは、どっちも悪役というか、どっちも洗脳されているようにしか見えなくて(ということは、カレン・ブラックが「化け物向きだ」ということだが)どうもなあ。

……そして、火星からの襲来を、今度は新作に求め、時を駈けるDVD再生機を昨年まで進めるとしよう! そう、「宇宙戦争」だ!