ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

スキップ、ターン、そしてリセット

2006-11-17 | 映画
ターン TURN」を見直した。

北村薫原作 平山秀幸監督 牧瀬里穂主演。

森真希は売れない銅版画家。20代も後半に差し掛かり、小学校の音楽教師である母と二人暮しで、生き方に漠然とした不安を抱えている。

ダンプカーと衝突する、交通事故の瞬間! 昼寝から目覚めてみると既に過ごしたはずの前日の午後。胸には前日返したはずの図書館の蔵書である植物図鑑が!

それから、彼女は繰り返す一日の中にただひとりとらわれてしまう。

彼女が何度目、何十度目かの一日に、堪えられない涙を流していたとき、通じないはず、ならないはずの電話がなった!

……と、まあ、時の不思議と、顔を合わせることさえ出来ない男女の心が静かに寄り添っていくさまを描く。

「イルマーレ」はこれの影響下に出来たのじゃないかしら?

まあ、時の不思議と恋人たちといえばリチャード・マシスンの、映画にもなっている「ある日どこかで」や、ロバート・ネイサンの「ジェニーの肖像」、はたまた映像化はされていないがロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」などという先行作品があるのだが……。北村薫作品はそれらに負けず劣らず秀逸だ。

映画もお勧めではあるが、未読の方、北村薫「スキップ」「ターン」「リセット」は必読だ!