映画で楽しむ世界史

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「ROMEローマ」からエミー賞

2011-01-21 22:33:28 | 舞台はギリシャ・イタリア
「ROME ローマ」を見て考えること

WOWOWで放映されていた海外ドラマ『ROME[ローマ]』は、アメリカのHBOとイギリスのBBCが共同制作した大河ドラマ。
宣伝文句をそのまま使えば、総制作費は200億円以上、制作期間は企画から撮影終了まで約8年という破格のもの。

世界史上最も重要かつ有名なローマ帝国の「内乱期から最盛期」の英雄二人、ジュリアス・シーザとオクタヴィアヌスの功績をたどるに、二人の架空の舞台回し役、ローマ軍団の百人隊長ヴォレヌスとその部下の軍団兵プッロを配し、結構面白い、楽しいドラマに仕立て上げている。

また、いろいろな歴史上の物語が出てくるが、細部に亘ると従来の知識以上の点が多々あり、大いに勉強になること請け合い。一見の価値はある。

ただ、必要以上に「SEX場面」や「殺しの場面」が大げさで、かえって興をそぎ、品を落としている。例えば、SEXシーンが版で押したように男女一糸纏わぬ格好で描かれたり、舞台回しの二人もあまりにも不死身すぎて、不自然極まりない。

それよりも、このドラマが取った「エミー賞」。そもそも「エミー」とは何なのか、ちょっと気になるので調べてみると・・・。

「エミー」は、1940年代のアメリカで、テレビ業界のエンジニアたちがブラウン管のことを「IMMY」(実際は撮像管)と呼んでいたこと。更に、トロフィーが女性像であったことから、いつしか「エミーEMMY」と呼ばれるようになったという。

第1回は1949年1月25日にハリウッドで開催され、今やその授賞式は全世界に放映され、世界のいろいろなテレビ番組の中で優秀なものを表彰する権威あるものになっている。(「日経エンタテインメント」海外ドラマエミー賞60年)

そこで考えること。日本のドラマ、今やNHKの大河ドラマは、若者に媚びた、視聴率ばかり気にする二流ドラマになり下がっているが、昨年からの「坂の上の雲」、これで何とかエミー賞をとれないであろうか。

もはやドラマの大半は撮影済みと思うが、これから英語を入れていく、その翻訳が重要。NHKは最高のスタッフを使って、「坂の上の雲」の英語・仏語化にあたるべし。原作本の翻訳も待たれる。
(了)

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