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一日一書 50 あんずよ花着け 〈室生犀星文学碑〉

2013-04-04 20:46:12 | 一日一書

室生犀星文学碑

 

「抒情小曲集」より

 

 

あんずよ

花着け

地ぞ早やに輝やけ

あんずよ花着け

あんずよ燃えよ

 

 

出版された「抒情小曲集」には、この後に「ああ あんずよ花着け」の1行が続くのですが

犀星が亡くなる直前に「室生犀星全詩集」を出版するにあたり

犀星自身がこの最後の1行を削除しています。

この文学碑は「全詩集」に依っているわけです。

 

気取りのない純朴な字ですね。

自筆の手紙などを見ると、とても小さい字を書いたのだということが

よく分かります。

この字は、毛筆ではなく、万年筆で書かれた犀星の自筆原稿を彫ったものです。

自筆原稿は、これです。(もちろん複製ですが)

 

 

13歳で小学校を退学し、以後いっさい学歴のない犀星の生涯は

逆境に負けない強さと、努力の力を感じさせてくれます。

ぼくの大学卒業論文は「室生犀星の世界」という題でした。

お前みたいなボンボンが犀星の研究なんて合わない気がすると

大学の友人が言っていました。

ぼくは全然「ボンボン」なんかではなかったのですが

地方から出てきた友人には、

「都会育ちのボンボン」に見えたのでしょう。

 

 

 

文学碑の全体はこういう感じで、犀星の愛した犀川のほとりに立っています。

この碑は、昭和39年にたてられました。

昭和43年の春、大学に合格してほっとした春休みに、ぼくはこの碑を訪れています。

今回は、それから45年後の「再訪」でした。

 

 

文学碑の脇には犀川が流れ、土手には桜が咲き誇っていました。

遠くには、犀星の愛した医王山(左側のほうに隠れています)などの山並みが

美しく見えています。

 

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