「奥の細道」より
半紙
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那須の野原での出来事。
句は、曽良の作となっていますが、芭蕉の代作との説もあるようです。
句の意味は
この子は田舎には珍しく優雅な「かさね」という名である。
子どものことをよく撫子にたとえるが、撫子だとすれば
「かさね」とは、花弁の重なった八重撫子の名であろう。
「やさし」というのは、古語では
「姿や言語、振舞いなどに、こまやかな心づかいや、
たしなみの深さなどが感じられるさま。
また、それを優れたものとして評価すること。」
の意味です。
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いちおう全文を。
ちいさき者ふたり、馬の跡したひてはしる。
独(ひとり)は小姫(こひめ)にて、
名を「かさね」と云(いふ)。
聞(きき)なれぬ名のやさしかりければ
かさねとは八重撫子(やへなでしこ)の名成(なる)べし