プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

財政再建なき消費増税

2012-11-21 09:45:41 | 日記
 自民党の安部総裁は、政権を取ったらインフレターゲットを2%、3%にするとか、輪転機を無限に回して、国債は全部日銀に買ってもらうとか、無責任なことを放言しています。しかし巨額の赤字を抱える日本は、財政再建が急務なはずです。しかしながら、消費増税では財政再建は叶わないと主張されているのが、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問の野口氏です。(以下、引用は『週刊新潮』)以下、要約しながらご紹介します。

 野口氏によると、消費増税による増収額の半分は地方に回り、社会保障費等の自然増で、増税後数年で元の木阿弥に戻ってしまうと言われます。まずプライマリーバランスを黒字にする為には、社会保障制度の見直し、特に年金の見直しに手をつけなければなりませんが、野田政権は増税だけを決めて、本当にやらなければならない「一体改革」は放棄しました。本来なら、こうした「見直し」をやった後に、増税を国民に問うのが筋だと思うのですが、増税が先となれば、「改革」は結局やらないということになりそうです。

 また、たとえ(今年度の)歳入の54兆円でやり繰りして、プライマリーバランスが黒字になったとしても、1,000兆円もの借金は残っているわけで、この赤字が残る限り、(利払いがありますし)新規国債の発行は続き、雪達磨式に赤字国債の残高は増え続けるのです。増税すれば景気は悪くなりますし、税収はさらに増えるという悪循環です。日本は未だ国債の殆どを国内の生保等の機関投資家が買っていますが、いつまでも国内で消費できるはずもありません。

10年を超えるスパンで見れば、いずれ外資に頼らざるを得ない状況となり、国債の暴落が来る可能性は否定できません。逆に言えば、財政破綻している国の国債がこれほど低利回り(つまり国債が高い)ということは、今は異状に暴騰している状態、「国債バブル」が起こっているということなのです。暴落すれば、金利の支払いだけでも最早日本は耐えられない「破綻国家」となり、ギリシャやスペインのようにIMFの管理下(経済的占領)となることを甘受するしかなくなるのです。しかし、この地獄の未来から脱却する道は最早無い、というのが日本の現状だということのようです・・・

P.S. 原発という巨額不良債権から、日本の子孫が永遠に逃れられないように、この巨額の赤字からも、未来の日本と日本人は逃れられません。(もしあるとして)逃れる(最悪の)道は只一つ、「戦争」という最大の「徳政令」に打って出て(原発同様、絶対に止めて欲しいですし、止めたいのですが)、借金をチャラにすることです。戦争がなくならないのは、こうした理由もあるようです。只、国は滅びても、その間に甘い汁を吸ったお金持ちは(日本は世界中で一番多いのですが)日本を捨てて悠々と生き延びていくわけです。一方(核廃棄物と借金を)残された未来の日本人は、どうのように生きていくのか、それを今から模索していく必要があると思うのです・・・

P.S.2 東電は原発事故直後の3月15日の9時から、それまでHP上で10分ごとに発表していた放射線量を3時間に1回に制限していたそうです。(保安院には報告していたそうで、保安院のHPには掲載されています)最も情報が必要な時期に、情報量が36分の1となっていたわけです。原発の事業者として、被曝や避難に関わる重大な情報を意図的に制限した理由はなんでしょうか?それは、テレビ会議の録画データの不開示にも共通の東電の「姿勢」のようです。責任を回避し続ける事業者に、事業を継続させる資質があるとは到底思えないのです・・・

P.S.3 関電は、これまで原油価格と連動して決まっていた液化天然ガスの価格を、3割安く買えるようにイギリスの石油メジャーBP(ブリティッシュ・ペトロリウム)の子会社「BPシンガポール社」と契約を結びました。ただ、年間購入量の7%ほどだそうで、(世界一高く買っている)LNGのコストを下げていく必要があります。結局は電気料金に跳ね返ってくるわですから、もっともっとコストカットの努力をするべきではないかと思います。ちなみに、交渉は2年前からやっていたそうですが、いくら石油メジャーの力が絶大だと言っても、買う側の関電が、事故が起こって、LNGの需要が膨大となる状況の中で、よくもまあ悠長に話し合っていたものだと思わざるを得ません。電気料金に(ほぼ)自動的に賦課できる、そこがもっとも問題のようです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年11月21日)