「放射性物質に起因する直接的な健康被害の例は確認されていない。根拠のない風評を払拭していくためにも、しかりと正確な情報を提供していく」、訪問先の福島市で、安倍首相は述べられました。被曝と健康被害の因果関係を証明するのは難しく、その被害を確認し認定するのは非常に困難です。しかし、確認していないから、健康被害がないということではありません。科学が、それだけ未熟で、因果関係を証明できないというのに過ぎないからです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)
「美味しんぼ」での表現が騒動になっている小学館は、「放射性物質や低線量被曝についての議論や報道が激減している中、あらためて問題提起をしたいという思いがあった」と掲載の経緯を語りました。そして被曝と鼻血の因果関係の賛否の特集を組んでいます。否定派の日本大学の野口准教授は、「福島県内で被曝を原因とする鼻出血(鼻血)が起こることは絶対にありません」、「ごく短期間に全身が500~1,000mSvを超えるような高線量の被曝をした場合」に鼻血が出るのであって、福島の県民の被曝はそこまでではないと主張しています。
いみじくも学者と呼ばれる人間が「絶対」を口にし、「可能性」を完全に否定するなど、学者としての自らの存在を否定するようなものではないかと思います。500mSvの被曝で鼻血が出るなら、100mSvの被爆でも、鼻血が出る可能性を否定することなどできません。子どもなら、(放射性物質への)感受性の強い方ならば尚更です。被曝によって鼻血が出るのは、血液を固める役割の血小板が減るためで(歯茎などからも出血しやすくなるそうで)、免疫機能の落ちている方なら、もっと少ない被曝でも鼻血や出血があっても不思議はないと思います。
東北大の細井教授も、「鼻血の原因は被曝以外だ」と断言しています。科学者ならば、鼻血の原因が何であるのか証明できなければ、「断言」することなどできないはずです。ちなみに、因果関係を証明するのに最も有力で世界的にも認められているのが「疫学調査」です。その疫学調査を水俣で行ってきた岡山大学の津田教授は(「特集」の中で)、「因果関係がない、という証明はされていない」と述べられ、被曝による鼻血はありうるとの見方を示しています。
(私もあり得ると思いますが、)これもまた、例えば、事故後の(汚染地域の)子どもたちが、どのような頻度で鼻血を出し、どの程度の出血をしたのかを調査し、それを同時期の放射性物質の影響が(まず)考えられない地域の子どもたちの調査と比較・検討するという、疫学調査をして始めて、その影響について云々できるものと思います。それでも「疫学調査」は「絶対」ではなく、大きな母集団(サンプル)でなければ「有意」な差がでない、証明できないということがあり、影響はあっても「証明」はできない、というのが今の科学の限界ではないかと思います。「絶対にない」ということなど、それこそ「絶対にない」と思うのです・・・
P.S. 「美味しんぼ」騒動について、いわき市で子育て中のお母さんは、「行政は『大丈夫だ』と説得するばかり。それに反することを言うと、邪魔だと言われる状況が悲しい」と述べられています。実際に行政に尋ねてみられたのだと思いますが、「大丈夫」だと言われ、邪魔者扱いされたのではないかと思います。非常に不親切で、非科学的な態度だと思います。何故、どのような症状があるのか、丁寧に聞き取りをしないのでしょうか?そうした情報を積み上げれば、様々なものが見えてくるはずだと思うのですが。寧ろ、見えてこないように願っているのかもしれませんが・・・
P.S.2 「美味しんぼ」に調査内容が掲載された「大阪おかんの会」の方は、「調査内容と異なるニュアンスで伝わった。事前に確認して欲しかった」と話されていますが、取り上げられたこと自体には、「問題が世間に伝えられて嬉しい。体の異変を報告してくれた人も少しは報われたと思う」と述べられています。(先日も書きましたが)放射性物質の影響かどうかを見るには、受け入れたガレキを焼却する前と後での症状の比較が必要です。焼却場周辺では、(放射性物質を含んだ)ガレキを焼却する前にも何らかの症状(健康被害)があったはずで、その比較・検討が必要だと思います。正直、行政はこうした「実態」を証明するどころか「隠蔽」しようとします。ですから住民が自ら費用を工面して、自らの労力と時間を費やして「証明」 してくしかありません。しかも大規模にしなければ、「有意」な差が出てきません。健康被害があれば体調もすぐれない中、そのようなことをやっていく、やり続けることが如何に大変なことでしょう・・・
P.S.3 2011年4月1日、山下俊一長崎大教授は飯舘村役場で、「今の放射線では外部被曝は問題ない。内部被曝が問題だが、癌のリスクが上がるのは年間100mSv以上。それ未満ならリスクはゼロと考えてよい」と説明しています。しかし、これまで確認できているのが100mSv以上というだけに過ぎません。しかも、100mSv以下でも被曝量に比例して癌のリスクが高まるとの見解を、IAEAですら持っています。また同教授は、その夜の(NHKの)ニュース番組に出演し、「不安を感じるのは理解できるが、正しく怖がって」と語ってます。語るに落ちるとはこのことで、その後、20mSvという高過ぎる「避難基準」ですら、(当時の民主党)政府は飯舘村に対して「避難指示」を出しました。「正しく怖がって」いないのは、一体どちらなのでしょう。(繰り返しますが)いみじくも(科)学者を標榜するのであれば、どのような理由があっても、「絶対」とか「ゼロ」などとは断言などできはしないはずです。そこには明らかに、人を誘導し謀(たばか)る「意思」があるのではなかと思うのです・・・
by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年5月18日)
「美味しんぼ」での表現が騒動になっている小学館は、「放射性物質や低線量被曝についての議論や報道が激減している中、あらためて問題提起をしたいという思いがあった」と掲載の経緯を語りました。そして被曝と鼻血の因果関係の賛否の特集を組んでいます。否定派の日本大学の野口准教授は、「福島県内で被曝を原因とする鼻出血(鼻血)が起こることは絶対にありません」、「ごく短期間に全身が500~1,000mSvを超えるような高線量の被曝をした場合」に鼻血が出るのであって、福島の県民の被曝はそこまでではないと主張しています。
いみじくも学者と呼ばれる人間が「絶対」を口にし、「可能性」を完全に否定するなど、学者としての自らの存在を否定するようなものではないかと思います。500mSvの被曝で鼻血が出るなら、100mSvの被爆でも、鼻血が出る可能性を否定することなどできません。子どもなら、(放射性物質への)感受性の強い方ならば尚更です。被曝によって鼻血が出るのは、血液を固める役割の血小板が減るためで(歯茎などからも出血しやすくなるそうで)、免疫機能の落ちている方なら、もっと少ない被曝でも鼻血や出血があっても不思議はないと思います。
東北大の細井教授も、「鼻血の原因は被曝以外だ」と断言しています。科学者ならば、鼻血の原因が何であるのか証明できなければ、「断言」することなどできないはずです。ちなみに、因果関係を証明するのに最も有力で世界的にも認められているのが「疫学調査」です。その疫学調査を水俣で行ってきた岡山大学の津田教授は(「特集」の中で)、「因果関係がない、という証明はされていない」と述べられ、被曝による鼻血はありうるとの見方を示しています。
(私もあり得ると思いますが、)これもまた、例えば、事故後の(汚染地域の)子どもたちが、どのような頻度で鼻血を出し、どの程度の出血をしたのかを調査し、それを同時期の放射性物質の影響が(まず)考えられない地域の子どもたちの調査と比較・検討するという、疫学調査をして始めて、その影響について云々できるものと思います。それでも「疫学調査」は「絶対」ではなく、大きな母集団(サンプル)でなければ「有意」な差がでない、証明できないということがあり、影響はあっても「証明」はできない、というのが今の科学の限界ではないかと思います。「絶対にない」ということなど、それこそ「絶対にない」と思うのです・・・
P.S. 「美味しんぼ」騒動について、いわき市で子育て中のお母さんは、「行政は『大丈夫だ』と説得するばかり。それに反することを言うと、邪魔だと言われる状況が悲しい」と述べられています。実際に行政に尋ねてみられたのだと思いますが、「大丈夫」だと言われ、邪魔者扱いされたのではないかと思います。非常に不親切で、非科学的な態度だと思います。何故、どのような症状があるのか、丁寧に聞き取りをしないのでしょうか?そうした情報を積み上げれば、様々なものが見えてくるはずだと思うのですが。寧ろ、見えてこないように願っているのかもしれませんが・・・
P.S.2 「美味しんぼ」に調査内容が掲載された「大阪おかんの会」の方は、「調査内容と異なるニュアンスで伝わった。事前に確認して欲しかった」と話されていますが、取り上げられたこと自体には、「問題が世間に伝えられて嬉しい。体の異変を報告してくれた人も少しは報われたと思う」と述べられています。(先日も書きましたが)放射性物質の影響かどうかを見るには、受け入れたガレキを焼却する前と後での症状の比較が必要です。焼却場周辺では、(放射性物質を含んだ)ガレキを焼却する前にも何らかの症状(健康被害)があったはずで、その比較・検討が必要だと思います。正直、行政はこうした「実態」を証明するどころか「隠蔽」しようとします。ですから住民が自ら費用を工面して、自らの労力と時間を費やして「証明」 してくしかありません。しかも大規模にしなければ、「有意」な差が出てきません。健康被害があれば体調もすぐれない中、そのようなことをやっていく、やり続けることが如何に大変なことでしょう・・・
P.S.3 2011年4月1日、山下俊一長崎大教授は飯舘村役場で、「今の放射線では外部被曝は問題ない。内部被曝が問題だが、癌のリスクが上がるのは年間100mSv以上。それ未満ならリスクはゼロと考えてよい」と説明しています。しかし、これまで確認できているのが100mSv以上というだけに過ぎません。しかも、100mSv以下でも被曝量に比例して癌のリスクが高まるとの見解を、IAEAですら持っています。また同教授は、その夜の(NHKの)ニュース番組に出演し、「不安を感じるのは理解できるが、正しく怖がって」と語ってます。語るに落ちるとはこのことで、その後、20mSvという高過ぎる「避難基準」ですら、(当時の民主党)政府は飯舘村に対して「避難指示」を出しました。「正しく怖がって」いないのは、一体どちらなのでしょう。(繰り返しますが)いみじくも(科)学者を標榜するのであれば、どのような理由があっても、「絶対」とか「ゼロ」などとは断言などできはしないはずです。そこには明らかに、人を誘導し謀(たばか)る「意思」があるのではなかと思うのです・・・
by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年5月18日)