プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

国連科学委員会がん「報告書」

2014-04-02 09:39:01 | 日記
 国連科学委員会は、「福島県内外の住民について、事故当時の1歳と10歳、成人という
3分類で外部被爆と内部被爆線量を推計、「健康への影響」を評価しました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 報告書では、「事故後1年間の全身への被曝線量は・・・福島県全体で、成人は平均1~10mSv、最も影響を受けやすい1歳児はこの約2倍になると」の推計でがん罹患率を出し、日本人全体の「生涯のがんリスクは平均35%」、「福島県民の平均的な全身被爆では、仮にがんが増えたとしても、その増加率は・・・極めて小さく、統計的には確認できない」としています。

 また甲状腺への被爆影響については、「福島第1原発の20~30圏内にいた1歳児は、事故後1年間の甲状腺への被爆は平均47~83mSv」、(避難したからでしょう)「20キロ圏内の1歳児は平均15~82mSvと推計」、「80mSv近く被爆した子が大勢いれば、甲状腺がんの増加が統計学的にもわかる可能性がある」としましたが、「地域ごとの子どもの甲状腺被爆のデータなどが不足し、結論は出せない」としています。

 現在、福島県内の子どもの甲状腺検査で見つかっているがんやしこりについては、「集中的に検査しなければ見つからなかっただろう」とし、「大多数は原発事故の被曝とは関係ない」との判断です。逆に言うと、原発事故の被曝とは関係なく「集中的に検査したから見つかった」との主張ですから、原発事故の影響を受けなかった地域の子どもたちも、エコー検査などで集中的に検査すれば、がんやしこりが100倍以上(疑いも含めれば数百倍)見つかるという評価です。

 確かに、健康診断などしても、寿命は延びていませんし、検査が病気を生むという「構造」もあります。しかし、やはり被爆してない子どもたちとの検査データを比較検討(疫学調査)しなれば、科学的かつ統計学的な結果は得られないと思います。いずれにしても、甲状腺被爆に関しては(特に)、子どもたちの被曝量のデータがないことが致命的な欠陥だと思います。事故時に安定ヨウ素剤をきちんと服用させて、検査データを取っていればと、今更のように思います・・・

P.S. 被曝と健康影響の評価も、平均的推計で行なっていますから、(繰り返しになりますが)やはり個人のデータがないことは致命的です。委員会の指摘のように、大量に被爆した子どもたちがどのくらいいるのか分からなければ、統計的な評価ができないからです。チェルノブイリ原発事故時ですらデータが残っているのに、何故なのでしょうか?腑に落ちません・・・

P.S.2 日本人の3人に1人は癌になる、日本は癌リスク35%という世界一の癌大国です。放射線だけなく、癌を誘発するフリーラジカルはタバコも重金属も、化学物質もアスベストもあります。ですから、事故による被爆を余りに気にする必要はないのかもしれません。それもよりも、食事や運動、生活習慣など、心身の健康に気を使うほうが良いのでしょう。只、それら一つ一つの健康への影響評価をきちんと行なっていくことは別なことで、とても大切なことだと思います。国連の科学委員会の評価を否定するデータも知識もありませんが、委員会の評価のように、科学的にも統計学的にも「確認できない」、「結論が出せない」というのが本当のところだと思います。今後の追跡調査がさらに重要になってくると思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年4月2日)

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