プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

雨中の広島平和式典

2014-08-06 11:28:37 | 日記
 子ども連れの(30代半ばくらいの)お母さんが、8月6日は何の日かと街頭で聞かれ、「ハムの日」と答えていました。確かに、語呂は「ハム」なのですが・・・。(今朝の)広島の平和式典は雨の中で行なわれました。降り止まぬ雨は、(私の住む町でも)今も降り続けています。亡くなられた方々の、或いはご遺族の涙雨かもしれません。そして、今尚、(ガレキ撤去しなくても)1時間当たり1,000万ベクレルの放射性物質が放出され続けている福島第1原発の現状に鑑みれば、放射性物質を含んだ「黒い雨」は、今も降り続けているのです。

 先週、広島に原爆を投下したB29爆撃機「エノラ・ゲイ」の(12人いた)最後の搭乗員で、飛行ルートの指示を担当していたセオドア・バンローク氏が亡くなられたそうです。(ご冥福をお祈りします)氏は生前、「原爆の投下が戦争の終結を早めた」(その為、多くの米兵の生命を救った)と主張していたそうです。命に国境も民族もなく、等しく尊いという真理を、彼は学ばずにあの世に去っていったことになります。非常に残念なことだと思います。

 また、「エノラ・ゲイ」の機長だったポール・テイベッツ氏は、「私は、広島や長崎の人を相手に戦っていたのではなく、我々を攻撃した日本という国と戦っていた」のだと語っておられます。日本人、中国人、韓国人などの生身の一般人が、爆撃の下にいることから目を逸らし、その想像力を国から奪われた結果の「凶行」だと思います。それは原爆のみならず、どのような武器であろうと、人を殺そうとする行為そのものが、(たとえ国家から命令され、洗脳されたとはいえ)「殺人」なのだという事実から逃れることはできないと思うのです。

 志願兵として先の大戦に出兵したある男性は、「人間が人間でなくなるのが戦争だ」と繰り返し話されていたそうです。福沢の言うがごとく、この世は平時・有事関係なく「戦争」に明け暮れているとするならば(事実そうだと思います)、「人が人でなくなっている」のがこの世の現実なのだと思います。人として生まれたけれども、「人として」生きられないのです。少しでも人間らしく生きたいけれど、それができないのがこの世の中なのです。それ(構造的なもの)を言い訳にしてはいけませんが。最後に、原爆投下で亡くなられた多くの方々に、心からご冥福をお祈り申し上げます・・・

P.S. 広島でお父さんが被爆されている福島の男性(62歳)は、「福島でも、原発事故を経て、やっと核の恐ろしさに無知だったと気付いた」とコメントしています。女優の吉永さゆりさんは、「全然そういうことを知らない、知ろうともしない人たちにどうやって分かって戴くかが一番の問題でしょう」と述べられています。吉永さんは、「86年にチェルノブイリの原発事故があり、その1週間後にウイーンに行き」、「その時、ジャガイモやホウレンソウは一切食べていけない」と言われ、「1,000キロ離れているのに危険なんだと驚きましたが、(原発に)強い懸念も持たなかった」、それでも「3・11まで、そこまでしっかり考えていなかった」と述懐されています。原爆詩を長年にわたって朗読されてきた吉永さんでさえ、そうした認識だったわけです。あの「ハム」のお母さんを責めるわけにはいかないのかもしれません。それでもやはり、知らないことは、気付かないことは、何の言い訳にはならないように思います。見ようとさえすれば、すぐ目の前に犠牲者が横たわっている世の中だからです・・・

P.S.2 愛媛県の南海放送が製作し映画化、ギャラクシー賞や放送文化基金賞などを受賞した番組の第2弾「続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今」が日本テレビ系列で10日深夜0時50分から放送されます。前回放送では、ビキニ環礁で被曝したのは、第5福竜丸だけではなく、他にも数万隻の漁船が被曝したことや、沖縄で実施した被曝した船員の追跡調査では、若くして癌で亡くなった人が多い事実を明らかにしています。また、米国の機密文書を入手し、繰り返された核実験により、日本全土が汚染されていることも明らかにしています。(放射性物質だけの影響ではないでしょうが、癌が多いはずです)当番組のディレクターは、「世界を汚染した巨大な被曝事件なのに、十分知られていない」、「放射能被害の実態が分からないと、問題そのものがないと、片付けられてしまう。その危険は、フクシマにも共通する」と警告されています。当時沖縄を支配していた(今も支配している)米国政府は、(核実験の)安全性を強調し、(癌で亡くなった)被害者に補償(本来は賠償だと思います)を行なっていないそうです・・・

P.S.3 厚労省の調査によると、福島第1原発の作業員で甲状腺等価線量が100mSvを超えている627人と(何故100mSv以下の作業員は対象じゃないのでしょうか?)、他の原発の100mSv以下作業員1,437人を超音波検査をした結果、5m以下のしこりや、20m以下ののう胞がある作業員が、福島第1原発で38,1%、他の原発の作業員で27,3%で、約10%ほど多かったとのことです。(比較対照できないのですが)被曝線量が高いほど、しこりやのう胞のある割合が高いとの中間報告を行ないました。(放射性ヨウ素の放出量が多かった)原発事故との因果関係ははっきりしませんが、今も尚放射性物質が放出されている同原発で働くことが、決して健康に良いわけはないと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年8月6日)

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