プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

ALPSトラブルで停止

2014-03-19 09:34:55 | 日記
 東京電力は18日、ALPSの3系統ある処理系等の内、B系統で(理由はわかっていませんが)処理ができなくなっていたと公表しました。(参照・引用は『朝日新聞』)14日には異常がなかったとのことですが、17日にB系統の処理後の汚染水を調べた結果、通常は(1ℓ当たり)数百ベクレルのベータ線を出す放射性物質が(1ℓ当たり)1,000程度残っていたとのことです。(某報道では数千ベクレル残っており、殆ど処理できていない数値だそうです)

 3系統で処理された汚染水は、1つに集めてからタンクに移送していたということで、他の2系統も停止した(現在処理能力を確認中)とのことです。3系統同時の運転は、先月の12日に開始したそうですが、ポンプの故障などトラブルが相次いでいます。(原因も分かっていませんが)B系統が処理できなくなった日時も(15日なのか、16日なのか、17日なのか)分かっていません。

 ALPSは1系統で1日250トン処理でき、3系統で(1日)750トンです、2日で1,500トン、3日間なら2,250トン、これだと少なくとも3基のタンクに高濃度汚染水が混じった放射能汚染水が入ってしまっています。疑問なのは、何故、3系統の処理後の汚染水を1つにまとめて移送するのかということです。1つの系統が(フィルターの目詰まりなどで)処理できなくなると、他の(せっかく)正常に処理できた500トンの汚染水にも高濃度の汚染水に汚染されてしまいます。一緒にしなければ、少なくとも1日500トンは処理できるのですし、(他の2つの系統を)止める必要もありません。

 もう1つ疑問なのは、処理不能の状態に3日間気づかなかったのは、3日に1度しか放射性物質の濃度を測っていなかったということです。1日1系統想定し、3日で一巡するということなのかもしれません。この体制だと、3日分処理したものが(再び)全て汚染されてしまいます。(もったいないと思います)毎日測定し、それぞれの系統ごとに移送すれば、こうしたリスクを9分の1に減らすことができます。ALPSの運転、運用に問題があるように思うのです・・・

P.S. 大阪大学の神里准教授は、「日本で原発を動かすうえで問題なのは、セカンドオピニオンが得られないこと」だと指摘します。「米国では民間とは別に、軍が原子力の技術を持って」おり、「民間で事故が起きると、軍の専門家が検証する」、「複数の原子力村の間に緊張感がある」と言われます。「原子力産業からお金を貰っていない人、しがらみのない人、そういう(専門家の)組織が議会に常駐するだけでも、国会質問は本質的なものになり、行政に対する牽制にな」る、こうした「市民のための専門家」集団が国会でテクノロジー・アセスメント(技術評価)を行なう流れが、欧州では顕著になってきており、「テクノロジー・アセスメント(技術評価)機関を議会に置く」ように提言されています。やはり、複数の検証機関がなければ、「神話」が構築されてしまします。日本も原発を続けていくというのならば、こうした制度、体制は(最低限)不可欠なものだと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年3月19日)

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