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新型コロナウイルス、都道府県別、週間対比・感染被害一覧表 ( 2022年 12月 9日現在 )

2022-12-12 22:03:31 | COVID-19 国内状況

『 都道府県別、感染被害一覧 』

既に “第8波” が始まっていますが、行政やメディアは 過去の “第6波” や “第7波” の時と同じ様な捉え方をして、国民にも同様な対応を行なう様に伝えていますが、これは大きな誤りです。今回の “第8波” は、過去の感染傾向とは異なる事を最初に伝えるべきです。

■ 北海道や長野県、山梨県では感染減少へと転じる
■ 都市圏を始め、殆どの都道府県は今後が感染拡大本番に



過去の感染拡大は、大都市圏の人口密集地で発生した為、感染拡大の広がり方も急激で、都市圏での医療体制の充実に注目を集めていましたが、“第8波” は異なります。“第8波” では、北海道や長野県などで過去に例なない程に急激な感染拡大を記録しています。ただ、大都市圏よりも人口が少ない地域であった為に、新規感染者数の増加ペースは “第7波” より穏やかでした。しかし、大都市圏と比較して、医療対応体制は充分とは言えない上に、未体験の感染者数が発生してしまった為、結果として 多くの死亡者数を記録し始めており、今後しばらくはこの傾向が続くでしょう。
 
変異種[BQ.1]の検出が増えている今、北海道や長野県、山梨県 以外の 都道府県での感染拡大は更に続くと思われます。そして、東京都や大阪府など、人口密集地域での感染拡大が本格化すれば、“第7波” を超える感染拡大を記録する事が充分に予測される段階に入っています。つまり、“第8波” は これからが感染拡大の本番に入ると思われます。


※ 感染の状況は「新規感染者数」で判断するのではなく、【感染密度】で行なうべきです。そして、実際の被害の状況判断は、死亡者数ではなく【死亡者割合】(人口あたりの死亡者数割合)で判断すべきです。
※ 「都道府県別退院者数」は、10月以降、厚生労働省の発表値にエラーが発生している推察でき、この項目の数値は信用できないと思われます。




『 都道府県別、人口あたり 治療中患者数、重症者数、死亡者数 』

最も注目すべきは、紫色線が示す【死亡者割合】(人口あたりの「死亡者数」の増加度)です。過去最多の感染被害を記録した、北海道と青森県での【死亡者割合】が深刻な結果を示していて、続いて青森県や岩手県、宮城県など感染拡大した東北地方でも人口比で多くの人が亡くなっています。

一方、連続して最も多くの「新規感染者数」を記録し続けている北海道ですが、【増加治療者数割合】は殆ど変動が無く、充分に治療を受けらずに人が多い事を示しており、それが日本で最多の「人口あたり死亡者数」を記録する要因にもなっていると危惧します。

■ 感染爆発の北海道や秋田県などで深刻な死亡者割合
■ 島根県や大阪府、沖縄県で人口あたり治療者数が増加

 


国民の信任を受けた政府行政の責任は、現在の状況を、客観的な数値を挙げて、誠実で公正な立場で説明を行ない、次に行政として採る対策や指針を発表する事です。 それを怠り、事実を公表せず、ただ「感染対策を充分に行なうように」と発表するだけでは、国民から委託された業務を行なう公務員に適した態度とは言えないでしょう。
  
「新規感染者数」が全国的に増加している事を話題にせず、現在での多くの方が亡くなっている事態に触れず、更に感染被害が増加した場合の具体的な方策を示さず、ただ “全国旅行支援” で国民の不満解消と経済回復を図るのでは誠実な対応とは言えません。具体的な数字を挙げて、企画している対策や必要な協力について説明を始めるべきです。

 

出典 : 厚生労働省

#COVID19
#BA.5
#BQ.1


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日本の新型コロナウイルス 感染者数と治療者数の推移、一週間毎の変化傾向 (2022年 12月 9日現在)

2022-12-12 21:44:51 | COVID-19 国内状況

『 新規感染者数と治療者数 』

報道では、“第8波” は 感染拡大が止まっている様に伝えていますが、それは “第8波” の特性と人命を無視した報道です。確かに、“第8波” で感染爆発を起こした 北海道や長野県での感染拡大は止まっていますが、東北各県を始めとした各地で感染拡大は続いており、今まで抑えられていた 東京都や大阪府など大都市圏での感染拡大は変わらず続いています。そして、最も注目すべきは、北海道や長野県などで亡くなる人が急激に増えている事で、政府やメディアは 最も大切な人命を救う事への配慮が欠けています。

■ 6週連続、日本の新規感染者数は世界最多続く
■ “第8波” の問題は、大都市圏以外の医療対応の遅れ

 



日本は、7月からの “第7波” の感染で世界最多の「新規感染者数」を記録した経験がある為か、今回の “第8波” で再び世界最多の「新規感染者数」を記録しても、以前の様な特別な措置をせず乗り切れると判断しているのでしょう。確かに、検査や医療体制には対応力がついたと判断する人も少なくないでしょうが、増加し続ける「新規感染者数」と較べて「治療者数」が増えていない事が示す通り、実際には “第7波” までとは違う問題が発生していると認識すべきです。
  
それは、別リポート『都道府県別感染状況』で示す通り、“第7波” までは感染被害が大都市圏と較べて少なく収まっていた地域が過去最悪の感染状況に陥っているからです。
大都市圏と較べると、人口密度が低く、医療体制や交通機関も十二分に整っているとは言えない地域で、過去最多の「新規感染者数」を記録している事と「治療者数」が増えていない事は関連があると思われます。
その為、感染して死亡する被害を抑える為に、“第8波” 特有の傾向に合せた迅速な対応が必要です。

 


『 重症者数 と 死亡者数 』

日本は、今年7月の “第7波” 感染で世界最多の「感染死亡者数」を記録しましたが、現在の “第8波” では更に注意が必要な点があります。それは、「死亡者数」が増加する一方で、「重症者数」がほとんど増加しておらず、重症と診断されないまま死亡する人、つまり充分な治療を受けないままに亡くなっている人が増えている事を示しています。

■ 重症者数は増えないまま死亡者数が増加
■ 医療を受けられず亡くなる人への対応が急務

 


行政は、「医療機関での対応状況を注視しながら対応する」という主旨の発表を行なっています。つまり、昨年までの人工心肺などが必要な “重症者数” などを注視して、対応病床数を整備する政策に重点を置いていますが、それでは感染死亡者を防ぐには充分ではない事を認識すべきです。というのも、問題は 医師や看護師を充分に揃える事が出来ない医療機関が多く、特に今回の “第8波” では 大都市圏以外での過去最多の感染の為、従来の視点で大都市圏を中心に病床数確保に注目する事は大きな誤りです。
   
行政のすべき事は、大都市圏以外での医療体制の充実に緊急の対策を行なう事と、今後の感染状況の把握の為に、【下水PCR検査】などを本格的に導入して、人々の発症と検査結果を待つのではなく、全国的な感染状況を発症以前から正確に把握して、「ウィルス株」を特定して、必要な対策を発症以前に採るシステムを確立する必要があります。

 

出典 : 厚生労働省

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