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1月7日開催『オートバイ なんでも “セミナー”』リポート・まとめ版

2023-01-18 01:46:55 | 基本講座・ライディング


いよいよ、今年最初の 「オートバイ なんでも セミナー」が始まります。 どんな話題と展開になるのか、楽しみです。

 

【 Part 1 】

今日の「セミナー」のテーマは、『グリップ力』になりました。
最新は ABS や トラクションコントロール が装備され、タイヤのスリップを防いでいますが、どちらもグリップ力が不足した場合の装備です。グリップ力はタイヤだけでなく、ライダーの操作で大きく変化するもの。理解した運転が一番大切で、可能な限りグリップ力を高めて、それを保ち、ライダーによるコントロール領域を広げておく事が楽しく安全に走らせるには欠かせません。


グリップ力を高める手段の一つとして、タイヤの「空気圧」を下げて設置面積を・・・など言われていますが、タイヤ設計者の意図を考慮せず、路面温度や車重、ライダーのスキルの違い言及せず、無責任な定説だと思います。

・・・と言う所まで、



【 Part 2 】

「セミナー」の途中経過です。
グリップ力を摩擦力とすれば、物理法則の通り、摩擦係数と設置面への荷重の積で、基本的には設置面積ではなく、荷重を大きくして保つ事が一番大切だと解析と理解は進みました。(一部、聞く側にとっては半信半疑ですが・・) 


次は、荷重はライダーの操作と車両のセッティング次第の話題へ進みますが、果たして、理解がついて来れるか、時間が足りるか心配です。



【 Part 3 】

セミナー、残り時間もわずか、
グリップ力を高めるには荷重を大きくするしか無い事は解析が終わり、走らせ方で、前後の分布荷重は変化する事と、前後の合計荷重は大きくする事の解析が進んだ所です。
さて、どんな走らせ方、走行ラインが、最も荷重を大きく保てるのか?、いよいよ佳境へ続きます。



【 Part 4 】

本日のセミナー、最後の解析です。
グリップ力を高め、コントロール領域を広げ、安全で楽しい走り方をするには、加速と減速で荷重を増やし、それを効率よく利用する走らせ方、つまり、定常円的走り方ではなく、『コインの法則』に従ったクロソイド的ラインの実践が大切。旋回中にFフォークが上下動している走らせ方では、グリップ力を無駄にしている証だという事まで進みましたが、理解と実践には時間が必要かも知れません。



【 まとめ 】

オートバイライダーにとって、安全に楽しく走り、転倒などの事故を防ぐには、いつもタイヤが路面をグリップしている感覚が頼りです。それが、多少、グリップを失っても転倒しない四輪車と一番大きく違うところです。
その違いは安全装備にも言えます。最近では、オートバイの新型車の多くは、四輪車でも採用されているABS(アンチロックブレーキシステム)やトラクションコントロールが採用されていますが、それらの作動はグリップ力の大きさによって介入タイミングが変わります。真の意味のオートバイのコントロール領域を増やすには、グリップ力を大きく保つ事が大切ですし、それはライダーの運転操作で大きく変わる事を自覚する必要があります。

そのグリップ力を大きくする運転操作はさほど難しくありません。タイヤと路面との接地面に働く “荷重” を大きく保つ意識と操作を行なう事です。例えば、直線路からコーナーへと旋回動作に入る際、フロントタイヤのグリップ力を大きくするには、アクセルをオフ(閉じる)にした直後に旋回動作に入る習慣を身に付けたり、フロントブレーキを軽くかけてバンクを始めるなど操作をすれば、全く行わない場合よりも、フロントタイヤのグリップ力は大きくなり、安心して旋回が行なえます。
間違っても、フロントブレーキを離した直後に旋回動作を始めるのは避けるべきです。その理由は、ブレーキでフロントタイヤに掛かっていた “荷重” が抜けるタイミングになるからです。つまり、フロントフォークが一度沈み込んでから伸び始めているタイミングは、 “荷重” が抜け始めている状態だから、グリップ力も抜け始めているからです。
 
そして、意外と意識されないのが、一定の速度で一定の大きさ半径を描く様に走っている時、前後輪ともに “荷重” はさほど大きく掛かっていない事、つまりタイヤのグリップ力もさほど大きく保てていない事です。タイヤに掛かる “荷重” の大きさは、ライダーによる加速や減速の操作によって大きく増えるものです。タイヤのグリップ力を大きく保ち、安全で楽しい走る為には、特にコーナリング時には、加速も減速も行なっていない定速定常走行の状態は少なくして、減速と加速のメリハリある運転操作を意識する事が大切です。


https://gra-npo.org/schedule/M%20&%20S_seminar/seminar_top.html




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“セミナー” リポート・『 フロントブレーキ、「旋回時」こそ大切 』掲載しました

2022-11-04 21:27:22 | 基本講座・ライディング

     
10月1日に開催した『 オートバイの なんでも “セミナー” 』の開催リポートから、【 フロントブレーキ、「旋回時」こそ大切 】というコラムを作成しましたので、是非、ご覧下さい。

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セミナーに参加した人から、「旋回中にフロントブレーキが使えない」という “声” があり、それから【旋回中のフロントブレーキの使い方】について解析を進めていきました



フロントブレーキは、オートバイにとって減速させる最大の装備ですが、困った事に、殆どの 教習所や講習会では「旋回中はフロントブレーキではなくリアブレーキを使うように」と指導します。つまり、直進走行時のブレーキではフロントブレーキを使う事を教えながら、少しでもバンクさせている時は、教習中の事故を恐れて、「リアブレーキを使いなさい」としているのです。
   
本来ならば、公道走行中の事故を避ける為に、例えコーナリング中でもフロントブレーキが使える技術を教えるべき所の筈が、無責任な本末転倒の行為が当たり前になり、フロントブレーキを適切に使えないライダーを数多く生んでいる状況は改めたいものです。

< 閑話休題 >

 


この “セミナー” リポートでは、当日、解析を進めたホワイトボードの画像を紹介しつつ、フロントブレーキの大切さや、旋回時のフロントブレーキによるメリット、そして注意点まで、順を追って解説していますので、旋回時のフロントブレーキ操作に充分な自信を持てない人にとって参考になると思います。

 

https://gra-npo.org/publicity/report/2022/20221001_rep.html




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ライディング講座用動画『 “リア旋回” で走ろう 』を制作しました / Ride with "Rear Turning"

2022-06-05 02:57:06 | 基本講座・ライディング

 
“リア旋回”は、旋回中に加速をするだけで旋回性能が確実に増える、オートバイだけの優れた特長です。その “リア旋回”の特性の理解を多くのライダーへ広めて、オートバイの楽しさと安全なライディングを広める目的で制作しました動画です。
    
この動画が、日本だけでなく世界中のライダーが、いつまでも、楽しく、安全なオートバイライフを過ごす為の一つの参考になる事を願っています。



なお、近日中に、短く編集した【 mini 】版を制作して、TikTok などの SNSサイトでの公開を進めて、更に多くのライダーへ届ける予定です。


”Rear turning” is an excellent feature of motorcycles that increases turning performance just by accelerating during turning. Therefore, we made this video to spread the understanding of the characteristics of "rear turning" and to spread the fun of motorcycles. And we sincerely hope that your motorcycle life will continue to be fun, safe, and enjoyable forever!



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動画制作の紹介です。 “サークル理論” が導く『コインの法則』/ "Circle Theory" creats "Coin's Law"

2022-04-21 01:12:25 | 基本講座・ライディング

  
オートバイのライディングで一番楽しい事は、車体のバンク操作一つで進行方向や曲がり方が調整できる事です。そして、オートバイが自然に描く走行ラインは、とても簡単な法則によって決まっています。 特に、オートバイでコーナリングを行なう時、その自然な走行ラインは『コインの法則』によって決まっています。

多くのライダーにとって『コインの法則』を積極的に理解できる機会は少ないと思いますが、いつまでも、楽しく、安全なオートバイライフの為に、この映像を通じて『コインの法則』の理解と利用をお勧めします。

  

  
今回の【 サークル理論が導くコインの法則 】はリメイク版ですが、次回以降、実際のコーナリングへの応用例を様々な視点に立って解説する動画を作成していきますので、今後もご期待ください。

When you drive a motorcycle and make a turn, its natural driving line is determined by the "law of coins".
I think that many riders have few opportunities to actively understand "the law of coins", but for a fun and safe motorcycle life forever, I recommend understanding and using "the law of coins" through this video. increase.



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オートバイは 2本足だ

2022-02-28 03:56:42 | 基本講座・ライディング

   
よく使われる言葉に「鉄馬」がある。オートバイを馬に例えて、オートバイに乗る楽しさは、まるで馬に乗っている時の楽しさと大変によく似ていると言われているのだ。  「そんなんだ」と思いながらオートバイに乗っていると、不思議と馬に乗っている様な気分にもなった。でも、深く付き合う程に、オートバイは馬とは違うと思う様になった。

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僕は、オートバイは 4本足ではなくて 2本足だと思っている。人間と同じ様に 2本脚で、前に出した脚が前輪で、後の足が後輪だと考えると、タイヤ、つまり足裏のグリップを感じながら、滑らない様に進む感覚がよく理解できるのだ。
それだけではない。前輪と後輪の荷重配分を感じる感覚や、加速や減速で体重(車重)以上の荷重が足裏(タイヤ接地面)に与えられる事も簡単に説明がつくのだ。
それに、前後に足を開いたまま左右どちらかに身体を傾け時、人はバランスを取る為に前足を傾けた側にずらすけど、それはオートバイの前輪が自動的に切れる仕組み(キャスターアクション)と同じなのだ。
    

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そういう訳で、僕はオートバイは馬ではなく人間と同じだと思っているし、そう思う事でオートバイの事も深く理解できるし、適切な操作や整備に繋がっていると信じている。だから、実際に馬にも乗って楽しんでいる人には勧めないけど、是非、オートバイは 2本足だと思って付き合って欲しいと思っている。 間違いなく、馬よりも身近に感じられるからだ。

                                                   NPO法人GRA代表  小林 裕之

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