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電気式アクティブサスペンションが拓く未来

2024-01-10 19:04:02 | 日記

MotorTrend 伝、https://www.motortrend.com/events/marelli-active-electro-mechanical-suspension-ces-2024/?sm_id=organic%3Asm_id%3Atend%3Agen%3A20%3Ana%3Ascl_shr_icn%3Aedtr%3Amtd&fbclid=IwAR0OOW0dGbQ11vPA1Xf1Vomcpr60bZpbxkqyS4V2WR3SWQG_nJ0_3v-wmPk


イタリアブランドの有名電気機材メーカー Marelli(マレリ)が提案、電気式アクティブサスペンション 用のユニットを発表しています。これは、F1 界でもそうだった様に、市販車でも革新的な装置として主流になる可能性があります。

 


現在、米国で開催中の世界最大の見本市・CES2024 で発表された製品で、従来のオイル式のダンパーユニットに代わる、モーター制御のダンパーユニットです。走行中の速度やホイール回転速度、ブレーキ操作や舵角、路面の起伏の状態などを検知して、電子制御式のオイル式ダンパーの場合よりも、ミリ秒単位で ホイールストローク位置を最適に保つ制御が可能になり、乗り心地だけでなく、ロードホールディング性能を向上させ、タイヤ摩耗と燃料消費を抑え、環境性能を向上させる事が期待できます。また、内臓モーターで制御を行なう為、その際に、ホイールの上下動エネルギーを電気エネルギーとして回生できるため、今後の EV(電動車)に最適な機構となるでしょう。

 

                    * * * *


〇 Marelli は、かつて F1 のフェラーリなどへ電気部品を提供していたので多くの人が目にしているでしょう。現在は、2019年以降、日本(さいたま市)に本社がある カルソニックカンセイ と経営統合されています。なお、カルソニックカンセイは、ラジエーターなどの自動車部品メーカーで、レース界でホシノレーシングに協賛して名前を覚えた人も多いでしょう。


〇 「アクティブ サスペンション」とは、F1 で ロータス 78がグランデエフェクト を利用したダウンフォースて圧倒的な成績を収めて以来、路面と車体底部との感覚を一定に保つ事が重要となっていき、1992年、ウィアムズ が FW14 で電子制御方式の油圧式ダンパーユニットを搭載し、N・マンジェルの操縦で圧倒的な成績を収め続けた事で有名です。ただ、最適な制御を行なう為には、走行するサーキットの走行路面や縁石の起伏、購買などを事前に精密に計測を行ない、そのデータを元に制御を行なうど、チーム財力やデータ収集能力の違いが遠因となり、1994年以降は禁止となりました。

〇 電動車で、ホイールを駆動するモーターがホイール内部に収まる「インホイールモーター」との相性が良い事も特徴です。四つのホイール別に最適な駆動力配分がミリ秒単位で制御可能な「インホイールモーター」であれば、ストローク位置も同様に制御を行なう事で、更に優れた性能を発揮する事が期待出来ます。その組合せが二輪車、それも前輪も駆動するオートバイで実現できれば、現在では考えられない走行性能を発揮するでしょう。



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新年、この時期だけの葛藤

2024-01-07 22:14:49 | 日記

いよいよ 新年が始まりました

新年が始まり、実は、今が頭を悩ます時期の真っ最中です。
2023年度の活動の総括を行ない、2024年度の活動目標を策定して、登録社員の方々へ意見や提案の募集を行ない、「GRAミーティング」(法人としては総会)への出欠確認を行ない、「GRAミーティング」終了後には 県庁の担当部署へ【事業報告書】を期限内に提出して確認を得る必要があるからです。

併せて、そんな事務手続きと並行して、活動に関心を持って下さっている方々へ、公式Webサイト や 公式Facebook、公式ブログなどを通じて、随時、「2023年度総括」や「2024年度活動目標(案 あるいは 決定目標)」、「会計報告」などを公表していくからです。


今年は、昨年とは異なり、病気を経験しているからでしょうか、爆発的(?)なパワーで書類作成など取り組めていない事に戸惑っています。 が、その分だけ、見えていなかった点を発見したりもしています。 


爆発的なパワーが出ない戸惑いの中で、コロナ禍時に作成した動画『2021 さあ 始めよう』や ウクライナへの侵攻に対して作成した動画『人々を守り 世界を守ろう』を観て思わず泣きそうになると同時に、「過去の活動・作品を伸ばしていかなくては!」と、動画に励まされた想いをしました。

どうぞ、今後共にご期待ください。



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内装変速自転車、オートバイの未来

2023-11-26 01:34:32 | 日記

  
今日は、朝の冷え込みも厳しくなく、日中は陽射しもたっぷりで、気温も15℃、
引越しをしてから 4ヶ月が経ち、街の買い物先のレパートリーを増やす為に、自転車で街を散策する事にしました。


『 ワシは昔、内装式に乗っていたんや 』

そして、立ち寄った店の前で、停めた自転車に施錠をしていると、通りすがりの年輩の人に「軽そうなバイクに」と、声を掛けられたのです。「やっぱり、外装式(変速機)の方が軽いだろうな」「ワシは、昔、パナソニックの自転車に乗っていて、お金が無かったから、内装式(内装式変速機の自転車)に乗っていたんや」と、いかにも自転車に興味がある事が分かる話しぶりでした。
 


その時、“内装式変速機” と聞いて、うかつにも、僕はママチャリ(通称)を頭に浮かべてしまいました。しかし、それは全く違ったのです。「後が内装式変速機の 6段で、前が 3段、合計18段の自転車で、40年前、46歳の時、長距離を走ったんや」「国道29号の志戸坂峠に登って鳥取県の智頭に行って、そこから国道53号で黒尾峠に登って岡山県に入ってから戻る、距離190㎞、13時間の旅で、しかも雨やったんや」と、僕にも馴染みのある峠や地名に聞き入りつつ、40年も前、後が内装式で 6段(速)の自転車が販売されていた事がとても印象に残ったのです。


『 内装式か?  外装式か? 』

そこで、自宅に戻ってから、40年以上も前の、ロードスポーツ タイプではないのに、前3段、後が内装式変速機で 8段の 自転車の画像や資料を検索したのです。それが、10年後の自転車の姿、或いは オートバイのあるべき姿を考えるきっかけにもなったのです。
 
自転車の変速機と言えば、現在、ロードスポーツタイプの自転車で主流の 変速機(後)は「外装式」です。そして、様々な走行場面での最適な変速比を求めて、その段数は増え続けて、今では 11段(速)が一般的になっています。しかし、装着するフレーム側の寸法は変わらないので、ギアユニット(重なったギア全体)の厚みは変えられず、ギアとチェーンの幅を狭くする為に材質と製作技術の改良が続けられているのです。


僕も、多分に漏れず、そんな 他段数化へ進歩(?)した姿に憧れ、自転車を作った時は、可能な限りギア数の多いユニットを選んだものですし、多くの自転車ライダーにとっても自転車選択の際の注目ポイントでしょう。しかし、内装式(変速機)の凄さを知るにつれて、外装式変速機に未来は無いかも知れないと思うようになったのです。


『 内装式の凄さ 』

そのきっかけになったのが、検索で見つけた、下の内装式変速機のカット図です。


サンギアとピニオンギアなどを組み合わせた「プラネタリーギア」を数セット組み合わせた緻密な構造になっていて、この図の場合、恐らく 4 × 2 で 8段(速)か、もしかすると、14段かと思われますが、とても心が惹かれる構造になっています。
そして、内装式だからこそ、外装式には無い数々の特徴も知ったのです。それは、一つ目は変速が瞬時に出来る事。二つ目は 停車時にも変速が出来る事。三つ目は機械的な伝達ロスが少ない事などです。 外装式の自転車ライダーであれば知っての通り、一般的な外装式の場合には、瞬時の変速は出来ず、停車する前に発車用のギア選択を終えておく必要があり、変速時には音とショックが少なからずあって、大きな段差を通過時にはチェーンが外れる覚悟も必要で、変速した段数によってチェーンは車体内側や外側へと曲げられた状態で使われるなど、外装式変速機には駆動力の伝達損失が多くあるのです。そんな機械的損失の多さに気付かされて、外装式の限界を知り、内装式は決してクラシックでもママチャリ用でもないと知ったのです。


『 電動化の時代へ向けて 』
 
そして、次のカット図に出会って、未来の自転車やオートバイは「内装式」しかありえないのでは、と思っています。


ドイツの Rohloff(ローロフ)社の、電動モーターが組み込まれている様に見える、内装式変速機のカットモデルで、その段数は 14段となっています。段数の多さもさる事ながら、僕は、このモーターを組み合わせた姿に心が強く揺さぶられたのです。 ご存知の通り、モーターは無回転状態から回転を始める時に一番大きなトルク、つまり一番大きな力を出しますが、それを受け留めるギアの幅は広く、外装式の薄いギアと較べるまでもなく、その力を損失少なく後輪に伝えられる事は明らかです。しかも、その駆動力を瞬時の変速で無駄なく路面に伝えられ、しかも堅牢で密閉された構造で耐久性も高く長寿命だとはっきり示しています。


『 電動化の時代、内装式の時代 』
 
現在、モーターを装着した電動アシスト自転車の多くは電動モーターをクランク側に装着しています。そして、後輪に「内装式」(多くは3段)の変速機を備えていますが、チェーンやギア(スプロケット)の高くない耐久性を考えれば、モーターの駆動力を制限せざるを得ない筈です。法律上の “電動アシスト” としての制限に守られてから現在の形式が一般的になっていますが、駆動エネルギーの伝達効率や耐久性の低さ、将来の完全電動化などへの発展を考えれば、チェーンを介して後輪を駆動(アシスト)する形式はエコでもなく、サスティナブルでも、スマートにも思えません。

やはり、上記、Rohloff 社 が示している様に、モーターは後輪ハブに組み込む形式こそ未来の姿としか思えません。そして、このモーター組込み型の内装式変速機が一般的になるにつれて、多段化や低コスト化が進み、ロードスポーツ自転車でも モーター無しの内装式変速機が一般的になるでしょう。これは、オートバイや車の場合も同じで、いわゆる【 インホイールモーター 】形式による駆動こそが電動モーター時代の当然の形だと、今回の「内装式」の勉強で改めて確信しました。

自転車で何気なく出掛けるのは、やっぱり、人との近さや出会いがあって、とても面白いですね。だって、今回の様な出会いから、色々な事を知り、未来を考えるきっかけが生まれたのですから。

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【 参考資料 】
独・Rohloff 社 公式Webサイト URL
https://www.rohloff.de/de/produkte/speedhub

<上記Webサイトより一部転載> (日本語訳)
新しい Rohloff E-14 では、Speedhub が電動自転車に最適なシフト ユニットになります。 ボタンを押すだけで最高レベルのシフトの快適さと同期したシフトを実現します。 電気ドライブの強力なパワーをこれほど効果的に実現できるギアハブはありません。 そして、それらのどれもより速くシフトしません。 わずか 180 ミリ秒で、電子シフト コントロール Rohloff E-14 が Speedhub の新しいギアにシフトします。 ボタンに触れるだけで、1 つまたは複数のギアを一度に簡単にシフトできます。 比類のない長寿命、526% の幅広いギア範囲、およびすべてのギア ハブの中で最高の効率を備えた Speedhub は、すべてのプレミアム e-バイクの基礎を形成します。 」



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2019 EICMA、魅力的なBST電動バイク

2023-10-27 23:25:01 | 日記

Cycle World Magazine 伝、
https://www.cycleworld.com/bst-hypertek-electric-first-look/?fbclid=IwAR08T3P92sMMs9lZ-FqNoBoHNFnsGryrfOv2w4y9lWfcCUM4Evowqpxt28Y

2019年 11月、イタリア・ミラノで開催されるショウ・EICMA用に作られた、優れたスタイリングの電動バイクです。デザイナーの Perre Terblanche が レース用&公道用のフルカーボンホイールを先駆けて発売した BST社( BlackStone )の CEO Gary Turner が協力して製作した車両です。
4年前の作品にも関わらず、一般的な電動バイクの多くが従来からのデザインから抜け出せない中、その特徴を活かした、直ぐに欲しくなる程に魅力的なスタイリングです。
  
  


ただ、記事にも書かれている特徴、急加速時のリアスクワット(沈み込み)を防止する働きとして、スイングアームの上下を走る駆動ベルトをアームと平行にする仕組みが組み込まれています。しかし、これは多くの二輪エンジニアの誤解による産物です。例え、駆動ベルトを並行にしても、通常のスイングアーム形式に於いて、駆動力でアクスルシャフトが路面と平行移動する事で車体が前進する原理が変わらない限り、適切なメカニズムではありません。その上、記事中に「リアサスペンションをフリーズさせる効果」とありますが、それはグリップを著しく失う事に繋がり、全くナンセンスな解説です。



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ハブステア車両の潮流になるか / Will this be a new trend in hub-steering vehicles?

2023-03-09 10:59:49 | 日記

Cycle World 発、Ben Purvis 氏寄稿

三輪トライク車の製造販売で知られる Can-Am社が、提出した特許出願書類から、新たなハブステア機構の二輪車を計画している事が報告されています。

ハブステア機構の前輪サスペンションの特徴は、一般的なテレスコピック形式とは異なり、ブレーキ(制動)の力と路面追従の為の力とを分けて担当する機構とトレール量(方向安定性成分)の変化を押さえる設計によって、ブレーキング中でも路面追従性が高められる特徴がある事で知られています。 テレスコピック形式は構造の簡易さにトレール量変化設計のノウハウを得る事で広く普及していますが、一方で、剛性と安定性確保の面から来る限界が見えています。その為、ABS機構の普及と進歩が進んだ四輪車と同様に、二輪車も緊急制動時の操縦性が強く求められる時代には、今後注目される機構です。

同社の資料を見ると、恐らく、従来作られてきたハブステア機構とは異なり、ハンドルバー操作を前輪ハブに伝える機構に特徴がある様です。ただ、サスペンションと車体フレームの構成とエンジン搭載方法から、積極的にモータースポーツ用途に向いた剛性設計にはしてない様です。恐らく、現行販売の三輪トライク車と同様に、安全に二輪車を楽しみたい人々を意識した同社の設計思想の作品になるのでしょう。



Can-Am’s Hub-steered Motorcycle

https://www.cycleworld.com/motorcycle-news/can-am-hub-steered-motorcycle-patents/?fbclid=IwAR2Jac92RSSwpFffUYaKRI2jKPgFDZSqaeQwvQTG7FYpMjZb2vYE62CfWOs

 

The front wheel suspension of the hub-steer mechanism differs from the general telescopic type in that the braking and road-following mechanisms are separated, and the design suppresses changes in the amount of trail (directional stability component), resulting in excellent road-following performance even during braking. Known for its enhancing properties. And just like four-wheeled vehicles, where the advanced ABS mechanism is widespread, it is one of the mechanisms that are currently attracting attention in an era where maneuverability during emergency braking is strongly required.

However, due to the structure of the suspension and body frame and the method of installing the engine, it seems that they did not actively design the rigidity suitable for motor sports use. Like the three-wheeled trikes that are currently on sale, it will probably be a product of the company's design concept that is conscious of people who want to enjoy two-wheeled vehicles safely.

 


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