ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

Konrad Wachsmann『The Turning Point of Building: Structure and Design』

2013-10-27 01:07:12 | ロンドン・hcla
平日より少し遅めに起床。朝ご飯を食べてからRIBAの図書館へ。極小建築、プレファブリケーション、構法システムの棚から本を集めて片っ端からめくる。閉館間際にスキャナーを30分ほど占領して気になった箇所をデータとして保存。ほとんどはコンペDのための資料だが、スキャンした資料の中の文章からKonrad Wachsmannの1961年の著書『The Turning Point of Building: Structure and Design』にクリスタルパレスへの言及があることを知る。ただし原書は読む時間無く。

『The Turning Point of Building』はAmazonUKでは高額古書なので、次にアクセスできるのは図書館が遅くまで開いている火曜日か。佐々木宏さんが「近代建築講義」と題したレクチャーで1955年のワックスマンゼミナールを紹介した際に、ワックスマンの主著である本書が日本語されていない理由について語っていたらしいのだが、詳しくはわからない。難波和彦先生の2005年11月12日の日記で言及されている佐々木宏さんの証言や、齋賀英二郎さんによる松本哲夫さんへのインタビューを読むと、ワックスマンゼミに参加した日本の建築家たちとワックスマンとはすれ違いがあったみたいである。齋賀英二郎さんによると、ケネス・フランプトンがバックミンスター・フラーとコンラッド・ワックスマンを比較した小論を書いていて、ヨーロッパ人とアメリカ人の相違(歴史や伝統に対する態度の相違)とも言えるものを浮かび上がらせているらしい。科学技術に絶対の信頼を置くべきとしたアメリカのフラーに対し、歴史的事実にも価値を見いだしていたというポーランド出身の建築家ワックスマン(アメリカに亡命はするが…)が、『The Turning Point of Building』の中で何を言っているのか気になる。

昼過ぎ、RIBAのカフェでコンペDのスケッチをしたあと、カフェで昼飯を食べてから新谷さんの家へ。まきこさん仙石さんも加わりコンペDのワークショップ。やろうとしていることの攻めどころが明確になってきた。まずはこの方向で詰められるだけ設計を進めてみることに。短期決戦なので各自いろいろと宿題を持ち帰る。近くのマレーシア料理のお店で晩ご飯を一緒に食べてから解散。奥さんとSkypeをしてから就寝。
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