ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

庭で収穫された最初のトマト

2008-08-31 12:33:50 | ロンドン・hcla
金曜日の夜はプロムスに行く予定だったのですが、不測の事態が発生したため会社を出ることができず行けませんでした。終わったころにやっと解決できたので、一緒に聴きにいくはずだった人たちとパブで待ち合わせてビールだけ飲みました。

旧バタシー発電所の一般公開が今日までだったことをふと思い出し天気もよかったので出かけてみました。跡地利用がいろいろと発表されては立ち消えてきたのですが、最新情報ではラファエル・ビニョリが再開発計画を立てています。その現在の所有者の主催でアピールがてら企画された見学会のようです。写真撮影自由と敢えて明記されています。毎週土曜日に開催されていて今日が最終日。



建物自体は鉄柵で囲まれていて見学者はその周りの決められたルートを歩くことになっています。珍しく真夏の陽気だったので来場者にはペットボトルの水が。



ちなみに周囲は高い塀で囲まれているので普段は近づくことさえできません。



くすんだレンガの巨大なボリュームに白い四本の煙突が印象的ですが、壁面自体もレンガの積み方が途中で切り替わっていたりよく見ると繊細な表情があります。



外装と内装の分かれ目。内側は水色のタイルが張られています。



タービンホールの内観。現代美術館にリノベーションされたバンクサイド火力発電所と元の建物の設計者は同じ。このタービンホールの大きさもほぼ同じらしい。



タービンホールの天井。1929年に建設が始まり1955年に今の姿になりました。





ちなみに見学コースに出る前にデヴェロッパーのショールームを通ることになっています。旧発電所部分は商業+集住+ホテルの複合施設となるらしい。



一方敷地をめぐる塀(の外側)には「煙突を守れ!」の張り紙があったりします。老朽化を理由に4本の煙突は見た目はそのまま新しいものに置き換えられる予定。









1983年に閉鎖。以降いくつかの提案がなされるもどれも実現せず今にいたる。



空間を使うにはその大きさに見合ったプログラムが必要とされてしまうわけで。建築をどう見立てるかは想像力にかかっているけど、ボリュームは融通利かない。

家に帰ったら大家さんが「庭で収穫した最初のトマトだよ」といって僕に食べさせてくれました(まあ毒見ですね)。確かに気がつけば庭にトマトのプランターがいくつもあるのです。肥料も農薬もやらず水だけで育てたというトマト。市販のものと食べ比べたのですが、庭のトマトのほうが皮が薄くて甘いような気がしました。「もうひとつ赤くなりかけているのがあるから明日もいでみよう」と台所の窓から夜の庭を覗き込んで大家さんが言いました。大量に栽培しているわけではないので収穫できるのはひとつずつ。こんなことを言われてしまったら、スーパーで積み上げられているパック詰めのトマトとは一口ごとの感動が違います。
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