goo blog サービス終了のお知らせ 

ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

100万分の3、な未来

2005-08-12 18:52:20 | 留学準備
雨模様の天気の中、高崎線の鈍行に揺られて東京へ帰る。

電車に乗る前に、母と高崎市美術館に「百年の愚行」展を観に行った。
人間がこの一世紀の間に犯してきた「愚かしい行い」を、100枚の報道写真で振り返るというもの。無作為に切り張りされた各国の新聞の上に、A3サイズほどにプリントアウトされた写真がざっくりと乗せられて額装されている。環境汚染、自然破壊、大量消費、戦争、差別、孤児、難民…。当時から明らかに「愚行だ」とみなされていたものもあれば、時代を経て「愚行だった」とみなされるようになったものもある。写真にタイトルのついていないものはたぶん後者が多い。「報道」写真よりも、幸せな生活の背後に「たまたま写りこんで後世に残ってしまった」ようなそんな愚行に薄ら寒さを覚える。
一階の展示室は、人間が生活の利便化の代償に地球環境(=自らの住環境)にどれだけのダメージを与えてきたかという展示。二階は、人間が他の生物たちをいかにないがしろにしてきたかという展示。三階は、人間が同じ人間に対していかに愚かしい仕打ちを与えてきたかという展示。以前に弟と一緒にこの展示を観に来たある高校生は、三階の展示室を見てショックのあまり過呼吸を起こしてしまったという。人間が人間自身に対して犯した愚行は、確かに一番痛ましい。世界初の原子爆弾爆破実験場「トリニティ・スポット」の様子を伝える写真につけられたキャプション「科学者たちは、この実験によって地球の大気がすべて爆発してしまう可能性を計算し、それが100万分の3の確率であるとの試算結果を踏まえて、実験に踏み切った」を読んで、数字で科学的に説明することの軽さと、それでは割り切れない怖さを感じた。
過去の「愚行」は、“今”という客観的な(いや、むしろ極端に主観的な)視点を持って初めて明らかになる。100年後、200年後の「今」、僕らの時代はいったいいくつの愚行を犯したと評価されているのだろうか…と、昨晩弟を交えて家族で話したりもしたのだった。展示された100枚(厳密には97枚)の、愚行と呼ぶにはあまりにも「艶かしく美しい」それらの写真たちを観ながら、人間はしかし愚行を犯しながら生きていくしかないのではないかという予感が頭をかすめた。その愚行が人間の存在を許す範囲内であれば、これからも地球上で僕らは生きていくのだろう。その確率はいったいいくら、なんて数字を聞いても安心はできないけれど。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

群馬な一日

2005-08-12 00:39:08 | 留学準備
今日も実家でまったりな一日。

朝起きて上毛新聞を読む。衆院選における群馬選挙区の情勢分析が一面トップ。別刷りのスポーツ面も忘れずにチェック。今日は甲子園で群馬代表前橋商業の試合があるようだ。前橋商業は高校サッカーのほうが有名だけど、今年は野球も強いらしい。試合は5-3で熊本代表に勝った。
夕方、弟を駅まで迎えにいって、父の設計した某邸の工事現場(伝統家屋のリノベーション)を見学させてもらってから、夕飯は朝鮮飯店(僕らは「チョーハン」と呼ぶ)に行く。おすすめは石焼ビビンバ。僕は豚キムチ石焼ビビンバ、弟はめんたい石焼ビビンバを頼む。安いカルビやイカの姿焼きをたらふく食べる。
帰りに24時間営業のスーパー「メガマート&マックスバリュー」(イオン系列)に寄って、母は食料品の買い物。巨大な駐車場。ホント群馬は車がないと暮らせないなあ。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実家でまったりと

2005-08-11 04:46:00 | 留学準備
(昨晩のつづきから)
ここ貝掛温泉は日本に三つしかない「目に効く」温泉のひとつ。露天風呂の源泉から流れ落ちる湯のしぶきに目を直接つけて洗うと、ドライアイや眼精疲労に効果があるのだという。さっそく試してみる。水のなかで目を開くのは何年ぶりだろう?「ゴボゴボゴボ…」という擬音語がぴったりの光景が一瞬目の前に広がった。ちなみにここ、上杉謙信の隠れ湯だったという伝説が残っているらしい。

朝食をゆっくりとって十時にチェックアウトし、寺泊へ。
今日はあいにくの天気だが、小さい頃はよく家族で海水浴に来たものだ。今日の目的は「庄屋」。豪農の館を移築して建てられた海鮮レストランである。いつものように「夕日が見えるお座敷」に座る。今日は雨風が激しく波が高くて海も白いが、晴れていれば海に向かって開かれた眺めは素晴らしいのである。天ぷら定食と刺身の盛り合わせ。特に変わった料理や素材が出るわけではないが、正攻法でおいしい。その後、おばあちゃんを家に送って、おじいちゃんの遺影に近況を報告して、母と帰路についた。

今日はひさしぶりに実家に泊まることに。
学習合宿から帰ってきた弟を高校まで迎えに行く。わが母校恒例のその夏休み合宿は、生徒の8割が参加する一大行事。場所は今も僕の頃と同じ、山奥の「部屋の中まで野生のサルが侵入してくる」旅館らしい(近くにはお茶の水女子大のセミナーハウスがあって、早朝に散歩してるとたま~に女子大生にも遭遇したもんだ)。「?」と書かれた謎の缶を選べる自動販売機もいまだに健在とのこと。でも実は何度押しても結局同じ飲み物(たぶん売れ残ったやつ)が出てくるんだよなあ。今年から食事はバイキング形式になったらしいが、まるまる一週間下界の情報から遮断される生活は相変わらずだったようだ。「今週一週間なにがあったか教えて」

夕食後、実家のパソコンを使ってデジカメを物色。
先日誤って洗面台で水没させてしまったデジカメfinepixf700は、一年半前に買ったばかりのお気に入りだった。起動時間早いし、室内でも明るく撮れるし、動画がなめらかに長時間撮れるし。できれば直して使いたいが、水没は保障外なので、修理費があまりにも高くなるようなら買い換えようと思う。デジカメのない生活は本当に不便だ(というより味気ない)。
デジカメのメディアには何種類かあって、僕が今持っているxDピクチャーカードは少数派(ゆえに他のメジャーなメディアに比べて割高だ)。xDはolympusとfujifilmが共同開発した独自規格なのである。僕は春休みの欧州旅行の際にxDカードを大量購入してしまったので、その投資を無駄にしないためには、自動的に乗り換えられる機種は限られてしまう。水没対策(携帯電話につづき今年二回目…)ということでOlympusの防水仕様の機種にしようか、使い慣れたfujifilmの後継機種にしようか、思案中…。

夜中に帰ってきた父と朝まで話しこむ。
コンペのこととか、研究室のこととか、留学のこととか、将来のこととか。





Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鄙びた温泉でInternet

2005-08-09 17:08:38 | 留学準備
貝掛温泉に着いた。
本当に鄙びた温泉だー。車がこすれそうな細い橋を渡って山の中へ。携帯電話は当然圏外。冷房無し。部屋にはガムテープ一巻きと「カメムシが出る季節になりました。見つけたらこれで取って捨ててください」との添え書き…。

しかし!なんとAirH"(現WILCOM)はつながるのである。
案内の仲居さんが言うには「auのアンテナだけは近くに立ってるんですよ」とのこと。さすが長距離電話のau byKDDI。AirH"がKDDIの子会社でよかった。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふたりの振れ幅

2005-08-09 15:19:24 | 留学準備
今、越後湯沢に向かう新幹線の車内。
今夜は母と僕とおばあちゃんの三人で鄙びた温泉宿に泊まるのである。

昨晩、コンペ作品を郵便局の夜間窓口から無事に提出した。
一日一日の切れ目がいったいどこなのか判別できないような、怒涛の日々だった。お互いに追い詰め・追い詰められながら、搾り出すようにして出てきた作品。僕ら二人にしかできない最高の提案ができたと自負している(詳しくはまたいつかコンペの審査が終わった頃にでも僕のHPの方で)。かわしまくんいわく「コミヤマ、お前自分はほめられて育つタイプだって言ってたけど、実は俺と同じで逆だろ?」それでも最後まで崩れなかった僕らの友情に僕は感激してる。さくら水産でひっそりと二人で打ち上げをした。睡眠不足の体にがばがばとビールを注ぐ。よく覚えていないけれど僕らはきっととにかく大声でお互いをたたえあっていたように思う。両極端な二人だから振れ幅も大きいけれど、お互いがその大きな振幅の部分に可能性を感じているのだ。それに「テニスのダブルスでも、うまくいくコンビはお互いがライバル同士だったりするんだよな」。カワシマコミヤマ+マンモス設計集団でこの夏もう一つコンペに挑戦することを誓い合った。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なだれ込む前の、覚悟

2005-08-05 07:50:01 | 留学準備
昨晩から続くコンペミーティング。
「上」からの視点に立った「ゲーム」のような提案をやめ、自分が住みたい空間・自分が楽しいと思う空間をつくろうという方針から再スタートし、新しい案ができる。でもまだ、自分たちのつくったものがいまいちよくわからない。釈然としないまま、疲れたのでとりあえず解散。今日も院生室に椅子を並べて眠る。

図書館の開館にあわせて起きる。
住宅地図を広げ新たな敷地を物色するが、頭がすっきりとしない。何気なく手に取った鈴木了二の本を読みふけっているうちに、かわしまくんも合流した。

昼飯を食ってから、シャワー休憩を挟み、今朝できた空間を再検討する。
気分がリフレッシュされたせいか、可能性を感じさせる建設的な意見が出るようになった。カタチから想起される使われ方を二人で挙げていく。

仮眠を挟んでレモンに模型材料買出し。
しかし、夏休み時間になっていることを知らず、御茶ノ水に着いたときにはすでに閉店してしまっていた。仕方なく、吉野家で晩飯を食い、大学に戻る。

プログラムや、社会性などについて今一度検討。
話したり、図面を見直したりしているうちに、最新案の平面図の背後にも、うっすらとこれまでの計画案が透けて見えるようになってきた。実は今回も、今まで考えてきたこととそう多くは矛盾していないのかもしれない。二人の間でゴーサインが出たので、写真撮影用模型をつくり始めてみることに。部材を切り出しながら、プレゼンテーションの相談。久しぶりに笑顔で会話が弾む。明日たちくんが再合流する。いよいよ、なだれ込むときがきた。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一号館の屋上に寝転ぶ

2005-08-04 03:01:23 | 留学準備
昨晩からコンペミーティングが続く。
Hさんからの問いにすっきりとした答えが用意できない。疑いの目は計画案そのものに及び、眠気によるネガティブシンキングも手伝って、計画案そのものの見直しにまで発展してしまった。よくよく考えてみれば、僕らはただ面白い「ゲーム」をつくっていただけなのかもしれない。寝て起きてからもう一度考えてみることに。今日は院生室にクッションを持って来た。事務椅子を三脚並べてベッド代わりにし、毛布をかぶってクッションを枕に寝る。この寝方は製図室では一般的だったが、僕は初挑戦。何か大きな壁を乗り越えたような、大事なものを失ったような、複雑な気分。…を味わう間もなくすぐさま眠りについた。

九時半にかわしまくんに起こされる。
もう一度コンペの戦い方を見直そうということになり、審査員の研究のためそれぞれの著作に目を通す。隅々まで読んでみて、それぞれの建築思想に感銘を受けてしまった(いかんいかん、趣旨がずれている…)。ヒントが多く見つかるとともに、僕らの計画案がいつから道を誤ったのかがわかったような気がした。

昼飯を食ってから午後の部再開。
今までの提案を一度忘れてみて、空き教室でブレインストーミング。たまたま助手のUさんが通りかかったのでエスキスをお願いする。「グッとくるものがなければだめなんだよ。グッとくるものがなければ」。一旦解散し休憩。

一時間後に院生室に戻る。
かわしまくんは疲れて休んでいたので、書き置きを残し、思索の旅へ。院生室を出ようとしたちょうどそのとき、廊下においてあった一分の一模型が自重によって音を立てて自壊した。もう前に進むしかない気がした。一号館の中を歩き回りながら、いろいろなことを考える。最後には一号館の屋上にたどり着いた。屋上に仰向けに寝転がり、広い虚空を見上げながらいろいろなことを考える。曇っているけれど、星が一つだけ見えた。線香花火のようにチラチラと光っている。涼しい風が心地よく、視界をさえぎるもののない広い空が気持ちよかったので、一時間近くそこでボーっといろいろなことを考えていた。屋上に集められた大きな設備機械が出す運転音の轟音をBGMに、いろいろなアイデアが現われては消えていった。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年もまた

2005-08-02 22:05:31 | 留学準備
夜、石川から東京に戻る。
WILLCOMのAirHがつながりにくいので、大学のパソコンからblogを更新しています。

昨日の昼に東京発の新幹線のぞみに乗り、京都を経由して特急サンダーバードで石川県の和倉温泉郷へ。
本当は夕方には着くはずだったのだが、昼まで寝過ごして出発が遅れてしまい、和倉温泉駅に着くとすっかり日は落ちていた。家族旅行に途中参加である。駅の無人改札をおりるとスーツ姿のいかにもな人が出迎えにきていて、「ご家族様がお待ちです」とマイクロバスに案内してくれた。10分ほど走り、温泉旅館「加賀屋」に着いた。能登の先端で日本海に面した巨大な温泉旅館(最大収容人数1000人!週末は予約でほぼ満席)。9階の和室に案内されると、乾杯はとっくに済んでいて、晩餐が始まったところ。家族のブーイングを浴びながら席に着いた。どうもすみませんでした。今日はおばあちゃんの長寿祝いなので大盤振る舞いである。かわいらしい仲居さんに運ばれて、目にもお腹にもおいしい料理がつぎつぎとお膳に並ぶ。白身魚・ウニ・甘エビのお刺身、牛ステーキ、焼き魚、ほおずき煮、温泉たまご、もずく酢、パイ包みのスープ、岩のりのみそ汁、ナマコのなんとか、あわびのなんとか、などなどなど。思い出せる食材を自分の持ち合わせたボキャブラリーで表現するとこんな感じ。でも実際は僕の知らない料理がもっとわんさか出てきて、どれも口当たりがよかった。ブルーベリーの食前酒(食後に飲んでしまったけど)もおいしかった。
九時半から加賀屋専属の「雪月花歌劇団」によるショー。
僕は実際に生の舞台を見たことはないけれど、宝塚にある某歌劇団に限りなく近い感じ(実際、それを踏襲しているわけで)。髪型やまつげや唇を強調したしっかりメークの男役と娘役がいて、歌って踊る。前半は日舞をイメージしたパートで、後半は洋舞をイメージしたパートらしい。ただし一貫したストーリーがある訳ではなく、数曲ごとにめまぐるしく舞台が変化する。姫と家来のかなわぬ恋の話から始まり、突然新撰組隊士たちが「どちらが正しかったかは歴史が決めてくれるはずだ・・・」と言いながら「地上の星」を歌い上げる。幕間の寸劇(客いじり。僕らは最前列だったので、歌い手の人が握手をしてくれたり、どこから来たのか父が尋ねられたりした。「今夜のショーはいかがでショウ?どこからいらしたんですか~(間奏のリズムに乗せて)」「群馬から来ました」「遠いところからどうもありがとうございました~(歌いながら)」)を挟んで、後半はサンバ&マンボでスタート。続いてドリフのメドレー(ずんどこ節とか、ババンババンバンバンい~い湯だな!って曲とか)。急にシリアスになって仮面舞踏会が始まり、オペラ座の怪人みたいな人が若い貴族と娘を取り合って決闘になり、娘さんが体を張って若者を助けて、ハッピーエンド(?)。最後は陽気に羽飾りをつけてラインダンス。ちなみに男役と女役の比率は1:4くらいだった。男役のトップはユウキ・コウさん。舞台慣れして所作に貫禄ある感じ。娘役トップは誰だかわからなかった。僕らが見たのは月組の公演で、雪組花組とローテーション制で毎日二回公演をこなしているんだとか。隣で見ていた弟は公演中はずっと無表情な顔をしていたくせに、最後にぽつりと「プロだね・・・」とつぶやいていた。でも目の前30cmくらいで歌ったり踊ったりされるのはさすがに照れくさい。思いっきり目が合ってしまうので直視できなかった。公演後、家族で夜食にラーメンを食べにいくと、化粧を落としていそいそと帰っていく彼女たちとすれ違った。僕はやっぱり直視できなかったけど、母は「あ、あの人覚えてるわ。やっぱり普段からきれいなのねえ」。
部屋に戻りおばあちゃんを囲んでみんなで話をしてから(僕は大学のことや留学の話)、家族が寝静まった頃、夜中に弟といっしょに大浴場へ。二人で一緒に入るのは久しぶりで、話しながら入っていたらついつい長風呂してしまった。ここの大浴場、三階建てで、普通の風呂のほかに露天風呂と野天風呂がある。一階の露天風呂(いわゆる普通の露天風呂)から三階の野天風呂(天井がガラス張りの屋内風呂)へはエレベータで上がる。兄弟二人、裸で乗るエレベータはなんとも気恥ずかしかった。翌朝、朝食を家族みんなでとってから、弟ともう一回温泉に入り、僕は和倉温泉駅まで送ってもらい、車で金沢などを回りながらのんびり帰る家族と別れる。

再び特急サンダーバードで金沢駅へ。
改札で待ち合わせ、金沢市内をしばしぶらぶらする。できたばかりの駅地下コンコースを見たり。暑いので公園の木陰で一休みしたり。アリの巣穴を見つけてそれをぼんやり見ていたり。武蔵ヶ辻からバスで駅へ戻り、差し入れのクッキーとお守りをもらって、改札で別れた。「がんばってね」

特急はくたかで越後湯沢。そこで新幹線ときに乗り換える。
駅弁のます寿司を買って遅い昼食。亡くなったおじいちゃんと最後の夏に一緒に食べたます寿司を思い出す。窓から見える日本海がとてもきれいだ。窓辺の景色に気を取られつつも、徐々に現実に戻るリハビリテーションを。コンペのプレゼンテーション試案をかわしまくんにメールで送信。そのままパソコンでメールのやり取りをしているうちに、冒頭に書いたように上野駅に着いたのであった。

大学へ直行すると、かわしまくんが秘書のHさんをつかまえてエスキスをしてもらっていた。こういう積極的なところがすごいと思う。計画案のうち、違和感を感じる部分と共感できる部分を指摘してもらう。「ことしもまた君たちの不思議なコンビが再結成されたのね」と言われ、照れ笑い。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジャンプする瞬間

2005-08-01 06:09:19 | 留学準備
朝十時にかわしまくんと待ち合わせて後楽園のドイトへ。
一分の一スケールの模型をつくるために材料を見繕う。全部で一万円ほど。

大学に戻り、そのまま模型製作。
二人で手分けして部材を切り出す。眠さと暑さに朦朧としながらも、四時間ほどでなんとか完成した。実際の使われ方を想像しながら写真を撮影。この部分に関してはこれで行けそうだ。二人とも疲れているのでここで一度休憩を挟むことに。

夕方から院生室で二時間仮眠。
とうとう歴史系院生室にまで毛布を持ち込んでしまった僕。机と体との間に毛布を挟んで、机に突っ伏して眠る。途中何度か話し声で目が覚めるが、意外とこんなところでも寝られるもんだ。ただし暑かった。

八時半に起きて、ミーティング再開。
疲労がたまり、思考がクリアに働かない。もがくようにして議論についていく。夜が明けようかという頃、意識が遠のく僕の隣で図面を直していたかわしまくんが「これどう?」と図面を見せてきた。それまで二人で考えてきたものの延長上にありながら、はるかにすっきりとした解答。一瞬違和感を覚えるも、すぐにいろいろなイマジネーションが頭に浮かんだ。見れば見るほど、想像力が刺激される。用意していた言葉やコンセプトを、生み出されたカタチがいとも簡単に凌駕してしまった。これが建築の持つ、建築のカタチが持つ力なのか!?計画案は一つ上のレベルにジャンプアップした。この感じ、そういえば去年二人でコンペに挑戦したときも、こんな瞬間があったっけ。残り一週間。




Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シャッフル

2005-07-31 07:22:46 | 留学準備
夜七時から夜を徹してコンペミーティング。
まずは昨日の敵情視察を振り返りながら、修正すべき点を挙げていく。敵を知り、己を知った。次に、各自が今日考えたことを報告しあう。僕は古谷誠章さんの『shuffled』を昼間読んでいたので、その中から計画案を補強するために使えそうな言葉や考え方をいくつか挙げる。古谷さんのこの本は僕のバイブル。困ったときに目を通すと必ず何かヒントが見つかるすごい本。コンペの締め切りが近づき、二人の集中力はがぜん高まってきた。問題点を見つけては議論するうちに、次々とアイデアが強化されていくのを感じる。自分自身が自分の計画案に自信を持つのは大事なことだ。今日もいくつか大きな進展があった。そろそろ模型やA1プレゼンを視野に入れつつ作業することになる。大まかな作業計画と、現時点での計画案の細部を詰めて、今日は解散。まだ閉まっている明け方の正門の塀を二人で乗り越えて、別れる。

帰宅後、立原道造記念館に資料複写の許可願を書く。
明日から高崎市で開かれるタウト展のDMも沿えて、「タウト・ノート」を複写させてほしい旨を文面にする。たった今それを記念館にFAX送信してきたところである。コンビニに行ったら小腹がすいたので、マンナンライフのこんにゃく畑を買って来た。「こんにゃく畑」と「ぺヤングソース焼きそば」は、群馬が誇れるコンビニ商品だな。それではおやすみなさい。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする