goo blog サービス終了のお知らせ 

ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

どこかに答えがあるのなら

2005-08-22 07:11:58 | 留学準備
夕方から環境系院生室でコンペミーティング。
壁に頭をぶつけながらも、暗がりの中、二人手探りで進む。ときおり手を引いてくれる人あり。しかし出口の明かりはまだ見えぬ。地図も無し。

明け方頃、一旦休憩し、僕は今日提出締め切りのレポートを書き始める。
講義の感想+今学期読んだ本から得た知識+書きながらとっさに思ったこと、でA4用紙四枚分をなんとか埋めた。参考文献は『Norman Foster meets Richard Backminster Fuller』(…って自分の卒業論文かよ!)。「これから建築はどうあるべきか」。答えの出るはずのない問い。というよりこれからもずっと自分に問い続けていくべき問い。そして自分の立ち位置が試される問い。答えがないからこそ、自分の中では答えを持っておかなくてはならない問い。

どこかに答えがあるのなら
いつか 飛び回ることを忘れてしまうよ
君との距離も寂しい時間も
回り続けるから いいんだと思います
《freebird/SMAP》

最近気が付くとよくこの歌を(サビの前半部分をリピート気味に)口ずさんでいる僕。そんなに特別好きな歌というわけでもないけれど、大切に思っている歌。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏休み昼下がりの院生室

2005-08-21 14:57:15 | 留学準備
歴史系院生室にこもって、某評伝の翻訳中。
高い本棚に囲まれた室内は、夏休みのせいかガランとしてる。空調の音の他には、修論を書く先輩の椅子が時々きしむ音と、僕がチキンラーメンをすする音だけ。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多様な世界、その断絶

2005-08-21 01:51:57 | 留学準備
二度寝してしまい、ドイツ語講座に遅刻。
あわてて教室に駆け込むと、「今頃来たの~」とみんな苦笑いな雰囲気。少々無理のある「Guten Morgen!」(グッドモーニング)で席に着く。今日で集中講座はおしまいである。レッスン終了後、親しくなった人たちと連絡先を交換し「ミュンヘン行ったら一緒に晩御飯食べましょう」てな感じで別れる(“住む世界”は違うけど、ドイツ語が結んだ不思議な縁)。今日も帰りが一緒になった家具デザイナーの方は「何か人と違った武器を身に付けたい」との理由でドイツ語を習い始めたそうだ。僕だってたぶんそう。人とは違う自分になりたいから、勝負できるものを見つけたいから、自分はこれでは負けないという自信を持ちたいから、ドイツにその何かを探しに行く。(待ち受けているのが『オズの魔法使い』的オチでも、それもまたよし)

そのまま渋谷に移動して、いまいくんかわしまくんと合流。
スターバックスに移動してコンペの第一回ミーティング。これがこの夏三つ目のコンペになる。いまいくんがワークショップでしばらくカナダへ行くので、その間はネットを使って情報交換をすることにした。自分たちが普段当たり前だと思っているような事柄を見つめなおす良い機会になりそうなコンペだ。

四時から駒場の生研でDECo会。
今日は『世界を動かす石油戦略』(石井彰・藤和彦 ちくま新書)の読書会。世界の仕組みを、石油をネタにして解き明かした本。始めのうちはただただ面白くて、政治の世界も面白そうだなあと思ったりもしたが、読みすすめるうちに「ホントにそうなのかなあ」と疑問もわいてくるような本だった。それくらい筆者の立場が明確な本だったということか。

アメリカがなぜ中東に介入するのかと言うと、それはやはり石油のためなのである。でもだからと言って、「アメリカは自国の石油企業(メジャーと呼ばれる)の利益だけを守ろうとしている。けしからん」とも言い切れない。なぜなら、いまや石油は世界を市場とした“市況商品”であり、自国にだけ有利にしようとかその反対にある国にだけ不利にしようとか意図して操作できる“戦略物資”ではないからだ、と筆者は言う。その一例が第一次石油ショックで、中東はイスラエル問題に抗議するためアメリカとオランダにだけ被害を与えようとしたのだが、ひとつながりの世界市場のせいで結局世界全体に影響が出て、むしろ世界中で中東の信用を落とすことになってしまった。アメリカは、もろい世界市場の安定化を図るために、最大の産油国である中東の政治に介入する。なぜならアメリカはそれができる唯一の超大国であり、また石油市場の混乱によって最も影響を受ける大ガソリン消費国だからである。世界市場の安定化のためにアメリカがとろうとしている戦略は、産油国である中東地域の政治的安定、もしくは政治的に安定した国家の産油国化である。前者が中東への軍事介入であり、後者が北海油田開発やロシアとの石油同盟ということになる。「アメリカは“自国のために”世界の安定が必要」という解釈はとてもわかりやすく納得できた(その論旨でいくと、日本は、アメリカによって安定化した世界にタダ乗りしている格好になるらしいが)。世界が市場を通じてつながっている以上、世界中どこで起きることも対岸の火事ではないのだ(もちろん日本にとっても)。理念や理想ではなく、経済活動によって必然的にみんな運命共同体になってしまっているという構図に感動する。国家がわざわざ崇高な考え方を振りかざさなくても、国家とは関係ないリアリスティックな経済活動によって、結果的に理想は実現し世界は一つになっていく…。
しかし本の後半に入ると、中国を「世界市場のかく乱要因」として登場させたりとか、アメリカはユダヤ人の発言力が大きいのでイスラム諸国とは友好的に話し合えないとか、「文明の衝突」という言葉をあえて使って世界の断絶を認めてしまっているのが引っかかった。中東では知識階層ほどテロに走るのだという。世界ってそんなにピュアな思想原理によって動いているのだろうか?だから筆者が考える日本の選ぶべき道は、石油以外の天然資源をもっと使うことだったり、石油の輸入源をもっと多様化させることだったり。石油の世界市場なんてやっぱり不安定だから、日本は「一抜けた!」するしかないってことか。中国がアメリカからの“フリーハンド”を保とうとして独自の石油調達ルートを確保しようとするのも、「“世界”市場」に組み込まれると自分たちが不利益をこうむるのではないかという疑念があるからだと思う。国家の意思に関係なく世界を動かす巨大な市場に「そこでは後発組も小国家もイーブンで戦える」という保証やルールが与えられれば、軍事力とは関係ない新しいパワーバランスを国家間にもたらすかもしれないのに。でも僕らの考える“世界”はアメリカの周辺国という範囲にとどまっているのかも知れず、世界はもっと多様で、自由主義社会だって必ずしもみんなが望んでいるわけではないのだ、という事実を僕はこの本から突きつけられた気がした。

そんな話のなかで、僕はバックミンスター・フラーの「ワールド・ゲーム」の話を出した。ワールド・ゲームとは、冷戦体制が企てた「ウォー・ゲーム」に対抗するものとしてフラーが夢想した、一種のシミュレーション装置(もしくは国家間の平和的折衝ルール)のことである。衛星通信を使って常時アップデートされる最新の情報分析(資源、災害など)をもとに、国家の代表が集まって巨大なスクリーン上で一種のゲームをする。一手一手は最新鋭のコンピューターによって即座に処理されてスクリーン上に反映され、その結果を踏まえて実際の国家戦略が実行される。例えば、画面上に余剰の食料と、飢えに苦しむ人と、利用可能な船の位置を表示して、救済策を具体的に考案したりといった具合。「賢人会議」か「世界統一政府」のようで少々理想的に過ぎるか。それよりも、フラーが各地で1000回以上行ったというボードゲームのような簡易版ワールド・ゲームの方が面白い。100人のプレーヤーはそれぞれが世界人口の1パーセントを代表し(人口比率を代表しているのであって、国家を代表しているわけではないことに注目。国家ゆえの政治的しがらみからは自由)、自分が代表する地域の特性に従って何枚かのカードを与えられる。フラーの考案した世界地図「ダイマキシオンマップ」の上にひしめき合いながら、ルールに従って互いのカードを出し合い、意見を調整しあい、取引し、ある達成目標に向かってゲームは進む。「戦争」も選択肢の一つとして用意されてはいるが、そのカードを切ることが必ずしもゲームを有利に進めるとは限らない。このゲームの「必勝法」は二つ。「協力すること」と「抑圧によって他人の考え方を変えようとしないこと」。フラーはこのゲームによって得られた知見に従って国家戦略を立てることが、人間を“種全体”として成功に導くための有効な方法だと考えていた。これはまさしく『世界を動かす石油戦略』が理想としている「win-win」な関係の実現である。

読書会終了後、渋谷の恋文食堂で一緒に夕食を食べる。
DECo会のメンバーは初めて知り合った人が多いし、研究している分野もまったく違うので、話を聞いていると楽しい。でもDECoでの話題に関して、今の僕には“門外漢”ゆえの気楽さがあるのも事実。
歴史系と環境系の間に断絶を感じると友達は言う。もしそうならばその裂け目にこそ僕は飛び込んで行きたいはずなのに。歴史系からひとり参加している自分のDECoにおける役割ってのもあるとは思うけど、だからといって「断絶を感じる」なんて友達に目の前で言わせてるようじゃダメだし、そんなさびしいこと言ってほしくない。僕が環境系の話を聞いてそれを身近に感じたように、僕自身も「歴史系は環境系に対して断絶なんて感じてないよ」ということを普段からもっと表明する必要があるのだろう。人のしゃべることをただニコニコと聞いている自分の態度もよくないのだな。断絶はたぶん双方向に理解が進まないと解消されないんだ。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦略的睡眠の必要性

2005-08-19 22:41:46 | 留学準備
夕方、大学に戻ってきたかわしまくんと院生室で合流。
コンペ案について引き続きディスカッションする。新しくわかったこと、気づかされたことを情報交換。方針が大きく変わるかもしれない。しかしお互い疲れがたまっていて、計画案自体に大きな進展をもたらすまでの気力は残っていなかった。かわしまくんがバイト先でもエスキスを受けると言うので、模型を箱に梱包する。

かわしまくんのバイト作業を少し手伝ってから七時過ぎに解散。
明日から新しい友達を仲間に入れてもう一つ別のコンペを同時並行で始める予定。なので、中長期的戦略の元、今夜は二人とも眠ることにする。晩飯は本郷通り沿いの「初代けいすけ」で黒味噌味玉ラーメン(竹炭入りか?っていうくらいスープが黒い)。瀬佐味亭が数軒先のもともとオムライス亭があった場所に移り、瀬佐味亭があった場所に代わって入ったのがこの店。この並び、ずいぶんラーメン屋増えたなあ…。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2005-08-19 12:26:03 | 留学準備
自転車で御茶ノ水へ。
カンカン照りで日差しが痛い…。
これからノバのレッスン。
「こみやまさん、17番でピーターですね。いってらっしゃいませ」
Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

切ったり、貼ったり

2005-08-19 07:54:27 | 留学準備
九時半から夜を徹して院生室でコンペミーティング。
昨日つくった模型をたたき台に議論。臆することなく模型にカッターを入れて、切ったり貼ったりしているうちに、だんだん提案の密度が増してきた。模型がぼろぼろになってきたところで、修正点を反映させたVer.2の模型をつくる。マイナーチェンジなはずなのだが、以前よりグッとよくなった気がする。傍目にはほとんど同じような模型を何度も何度もつくりなおしている「スタディ上手」な友達に少しだけ近づけたかも。そろそろ案が煮詰まって自分たちでは壊せなくなってきたので、このあたりで一度エスキスを受けておこうと二人で相談したところで今日は解散。

家に帰りドイツ大使館のHPを見る。
ビザの申請について調べたら、やはり日本にいるうちは申請できないらしい。現地に行ってから住民登録をして、その後に長期滞在許可証を発行してもらうそうだ。日本で準備することが少ないのは楽な反面、言葉の通じる環境にいるうちにいろいろ準備を済ませておきたい身としては不安でもある。でもまあ、それも勉強だな。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手紙を書くよ

2005-08-18 20:10:19 | 留学準備
一時半にA先生とロージナ茶房で待ち合わせ。
昼ごはんとコーヒーをご馳走になり、二時間くらい話をさせてもらう。先生は、師から受けたあまりにも大きな影響から脱するため、しばらく海外を転々と周遊したことがあるそうだ。僕にも「せっかくの機会だから、閉じこもって勉強ばかりしようとせずに、とにかくいろいろなところを回ってみるように」とアドバイスをくれた。チューリッヒやウィーン、プラハを訪れるよう勧めてくれて、それらを訪れた際に頼るべき人たちの名前を教えてくれた。先生自身、それら古い友人の消息を知りたがっているご様子だった。先生との話の中で「○○とは年賀状のやり取りをしているのだけど」という表現が何回も出てきた。去るもの日々に疎し。連絡を取り続けることは大事である。先生は海外に行くと日記代わりに毎日誰かに手紙を書くそうだ。僕も日記代わりに、誰かに手紙を書くつもりでこのblogを書いている(不特定多数に向かってしか書けないという欠点はあるけれど)。「僕は日本に帰ってからその手紙をかき集めて報告書代わりにしたこともあるけどね」と先生。僕も実はそうするつもり。

本郷に戻り、近所の写真屋に現像に出していた写真を受け取りに行く。
先週おばあちゃんと母と三人で温泉に行ったときに使い捨てカメラで撮った写真。普段使っているデジカメと同じ感覚でフラッシュ焚かずに写真を撮っていたら、ほとんどの写真が真っ暗で使い物にならなかった。明るく写っているものを選んで母に送るつもり。おばあちゃんにも焼き増しして送ろう。普段使っているデジタルカメラのレンズ性能の良さと、うまく撮れているかその場で確認できることの便利さを、思い知った。

そのデジカメを修理に出すため秋葉原へ。
カメラのキタムラ秋葉原店に保証書を準備して持ち込む。CCDに異常があるとのこと。修理が終わるのは9月上旬になるらしいが、留学には間に合いそうなので預けることに。安心して立ち去ろうとしたとき、カメラをいじっていた店員に「お客様!」と後ろから呼び止められる。「お客さま、このカメラ落とされましたね?そうなると無償修理にはなりません。あとでお見積もりをお送りいたします」落としたどころか水没してるんだよね(保証外)。さすが、カメラのプロ。見破ったか…。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎌倉その5 天ぷらひろみ

2005-08-17 18:50:32 | 留学準備
鎌倉駅前の天ぷらひろみで夕食。高いのは知っていたけど僕の独断で予約してしまった。行ってみると「本日は予約でいっぱいです」の立て札が店先に。個室に案内される。友達の親が来ていた頃は普通の安い定食屋さんだったらしいが。僕は小津安二郎も好んだという「小津丼」を頼む。3、675円なり。高かったけど、うまかった。久しぶりに再会した友達もいるので、今日はこれから東京戻ってみんなでまったり飲みます。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎌倉その4 稲村ガ崎

2005-08-17 17:12:42 | 留学準備
「歴史に名高い新田義貞」(「上毛カルタ」の「れ」の札)が鎌倉攻めの際に剣を投げて潮を引かせたという伝説の残る岬。意外とあっさりしていて拍子抜け。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎌倉その3 由比ガ浜

2005-08-17 15:43:14 | 留学準備
ジーパンまくってポロシャツ脱いで海へ入る。でも努力むなしくびしょぬれ。海の家で水着を買って泳いでいる友達もいる。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする