顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

大洗港の第4埠頭…浚渫(しゅんせつ)船

2024年05月22日 | 日記

たまたま出かけた軽い散歩コースの大洗第4埠頭に浚渫船が停泊していました。ちょうど日曜日で港内の作業は休み、岸壁では家族連れが竿を出し、小さな子がサバの幼魚に歓声をあげていました。
何にでも興味を示すのが認知予防の妙薬と心得る仙人は、早速浚渫船を調べてみました。


浚渫船とは、港湾や河川の水底の土や砂を掘り取って水深を深くする船で、ポンプで泥を吸上げるポンプ式,グラブを底に落して泥をつかむグラブ式,長い柄付きひしゃくのようなもので泥をすくうディッパー式,底開きの泥倉をもつホッパーつき浚渫船などがありそれぞれ専用の機械を備えています。


この船は横浜に本社のある松浦企業㈱所有の第7金剛丸、今日は格納されていますが、土砂をつかみ取る大きなグラブがあるのでグラブ式浚渫船です。
●浚渫船 第七金剛丸 総トン数:2,200トン 全長:59.0m/全幅:24.0m/深さ:4.4m 喫水:2.5m


松浦企業のHPに第7金剛丸が土砂を土運船に積み込んでいる写真が出ていましたのでお借りしました。


大きな柱のようなものが3本聳えています。これはスパッドといい、クレーン作業中に海上の船体を固定するためにこの巨大な杭を海底に打ちこみます。


松浦企業のHPによれば一回につかみ取る土砂の量は30㎥でダンプカー6台分と出ていました。

なお浚渫船とすくい上げた土砂を運ぶ土運船は自航できないので、押したり曳いたりする船と船団を組んでの作業になります。


浚渫船の四角い台船の後部に取り付いている二隻の船は、自航出来ない浚渫船と土運船を押したり曳いたりするタグボートの役目をするようです。
停泊していたのは、●押船兼揚錨船 1こんごう丸 1,200ps/19トン 全長:11.96m/全幅:5.99m/深さ:1.99m喫水:1.5m  ●押船兼曳船 第十八南海丸(データは見つかりません。)


土運船も台船の横に繋がれていました。●土運船1702松山丸 1,700㎥積 総トン数:782トン 全長:63.85m/全幅:15.0m/深さ:5.0m 喫水:(空)1.16m(/ 満)4.5m

5日後に来てみるとさらに2隻の船が加わっていました。

●土運船 1701松山丸1,700㎥積 総トン数:897トン 全長:63.80m/全幅:15.0m/深さ:5.0m 喫水:(空)1.16m(/ 満)4.5m ●押し船兼引船の第38安藝丸が加わりましたので、浚渫船×1、土運船×2、曳船×3…合計6隻の船団になりました。

これらの船の船籍港は横浜ということなので、ということは海の難所といわれる犬吠埼沖を曳かれてやってきたのでしょうか。大きな重い船をロープで曳いて来るのは大変な作業で、経験と技術が不可欠だそうです。



さて、第4埠頭には大きな広場がありその一画には地元の民謡「磯節」が流れる踊り子の石像があります。南側には大洗マリーナがありクルーザーやヨットが停泊しています。


第4埠頭から見た大洗マリンタワーです。地上60mのタワー3階の展望室からは、遠くは日光、那須の連山も眺められます。


今は静かな大洗港周辺ですが、間もなく環境省の「快水浴場百選」選定の大洗サンビーチをひかえたこの一帯は、海水浴シーズンで賑やかな夏を迎えます。