『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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高麗錦紐解き放けて~、万葉集とビートルズ。今日の出来心2017年2月24日(金)

2017年02月24日 09時38分48秒 | Weblog

昨日の朝も、楽しみにかよっている万葉集の講座へ。

講座は巻十四、東歌の相聞歌に入りました。東国の恋の歌です。都の歌と比べると、民謡がもとにあると言われたり、東国の暮らしぶりが感じられたり、方言が多かったり、その直接的、開放的表現が大変面白く、僕など、見た目はじっとしていますが、心は飛び跳ねながら、先生のお話を聞いていることです。
そんな中から今日はこれ。

高麗錦(こまにしき)紐解き放(さ)けて寝るが上(へ)にあどせろとかもあやにかなしき【万葉集巻十四3465】

訳)高麗錦の紐を解き放って寝ている上に さらにどうしろというのか たまらなくいとしい

これを、勝手に、だいぶくだいて、精神年齢をぐっと下げて、あえて意訳風に言いますと、

抱きしめても抱きしめても、抱きしめたりねぇ、どうすりゃいいのさ、好きすぎる、みたいなことになりましょうか。

くだけ過ぎてすみません。

「高麗錦」は、高句麗式の高級な錦。東国の歌に出てきやすい言葉。というのは、東国には帰化人が多かったので親しみやすい言葉であった。

朝鮮半島から渡って来た非常にきれいな錦。

それに比べたら、当時の日本のものは、まだまだ素朴なものだったでしょう。

ここでは、紐の枕詞として用い、美しい女性を連想させたか。

「紐解き放けて」は、女の下紐を解き放って。

七夕の歌に、牽牛が織姫のところに行くときに、着物の紐を解きながら向かってる、みたいなすごい歌も出てきますが、当時、紐を解くというのは、最高の愛情表現だったようです。

東歌は、さらに実際的な感じがして、愛情表現にもドキッとする言い方があるような気がします。

そんな林の中に立ってないで、こっちに来て共寝をしませんか、などと歌いかけるんですから。

エルヴィスやビートルズなんかが好きな者としては、1950年代のロックンロールや、それに影響をあたえた古いブルースや、リズム・アンド・ブルースの歌詞に似てるな、と思ったりもするんです。

ロックンロールやリズム・アンド・ブルースで育った、ビートルズ。
1964年に世界的なヒットとなった「抱きしめたい」は、
黒人音楽的な匂いを残しながらも、イギリスの若者たちらしいニュアンスもあり、
非常にポップでキャッチ―なナンバー。 
実は、けっこう刺激的だったんじゃないかとも想像します。

「I want to hold your hand」、当時、どんな風に聞こえたのでしょう。

I'll tell you something
I think you'll understand
(中略) 

When I touch you I feel happy inside
It's such a feeling that my love
I can't hide, I can't hide, I can't hide

僕など、英語はよく勉強していませんけれど、

万葉集と並べてみても、ビートルズは、非常に「紐解き」な気がします。

 

そんな久保田洋司、昨日は、万葉集講座から、そのまま夜おそくまで、

「アスコット」のリハーサル。

だいぶ、やりました。

明日、ライブ開催です。

ビートルズのカバー・デュオ「アスコット」。

「I want to hold your hand」前後、1963年ごろのナンバーを中心に歌っています。

ビートルズお好きな方、一緒に楽しみませんか?

是非、遊びにおいでください。

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■2017年2月25日(土) Ascot「With the Ascot~アスコットと一緒」

日時:2017年 2月25日(土) 13:00開場/13:30開演
出演:The Ascot (comin倫敦, 蓮野jeeyo) (小峰倫明, 久保田洋司)
会場:東京・世田谷「エムズ・カンティーナ」
  世田谷区上馬4-4-8 新町駒沢ビル 2階(東急田園都市線・駒沢大学駅1分)
料金:予約3,000円/当日3,500円(自由席・1ドリンク代別途必要)
ご予約&お問合せ:「エムズ・カンティーナ」03-6805-5077
予約フォーム:https://ws.formzu.net/fgen/S13353355/

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今日も素敵な一日になりますように。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司