昨日の朝も、楽しみにかよっている万葉集の講座へ。
講座は巻十四、東歌の相聞歌に入りました。東国の恋の歌です。都の歌と比べると、民謡がもとにあると言われたり、東国の暮らしぶりが感じられたり、方言が多かったり、その直接的、開放的表現が大変面白く、僕など、見た目はじっとしていますが、心は飛び跳ねながら、先生のお話を聞いていることです。
そんな中から今日はこれ。
高麗錦(こまにしき)紐解き放(さ)けて寝るが上(へ)にあどせろとかもあやにかなしき【万葉集巻十四3465】
訳)高麗錦の紐を解き放って寝ている上に さらにどうしろというのか たまらなくいとしい
これを、勝手に、だいぶくだいて、精神年齢をぐっと下げて、あえて意訳風に言いますと、
抱きしめても抱きしめても、抱きしめたりねぇ、どうすりゃいいのさ、好きすぎる、みたいなことになりましょうか。
くだけ過ぎてすみません。
「高麗錦」は、高句麗式の高級な錦。東国の歌に出てきやすい言葉。というのは、東国には帰化人が多かったので親しみやすい言葉であった。
朝鮮半島から渡って来た非常にきれいな錦。
それに比べたら、当時の日本のものは、まだまだ素朴なものだったでしょう。
ここでは、紐の枕詞として用い、美しい女性を連想させたか。
「紐解き放けて」は、女の下紐を解き放って。
七夕の歌に、牽牛が織姫のところに行くときに、着物の紐を解きながら向かってる、みたいなすごい歌も出てきますが、当時、紐を解くというのは、最高の愛情表現だったようです。
東歌は、さらに実際的な感じがして、愛情表現にもドキッとする言い方があるような気がします。
そんな林の中に立ってないで、こっちに来て共寝をしませんか、などと歌いかけるんですから。
エルヴィスやビートルズなんかが好きな者としては、1950年代のロックンロールや、それに影響をあたえた古いブルースや、リズム・アンド・ブルースの歌詞に似てるな、と思ったりもするんです。
ロックンロールやリズム・アンド・ブルースで育った、ビートルズ。
1964年に世界的なヒットとなった「抱きしめたい」は、
黒人音楽的な匂いを残しながらも、イギリスの若者たちらしいニュアンスもあり、
非常にポップでキャッチ―なナンバー。
実は、けっこう刺激的だったんじゃないかとも想像します。
「I want to hold your hand」、当時、どんな風に聞こえたのでしょう。
I'll tell you something
I think you'll understand
(中略)
When I touch you I feel happy inside
It's such a feeling that my love
I can't hide, I can't hide, I can't hide
僕など、英語はよく勉強していませんけれど、
万葉集と並べてみても、ビートルズは、非常に「紐解き」な気がします。
そんな久保田洋司、昨日は、万葉集講座から、そのまま夜おそくまで、
「アスコット」のリハーサル。
だいぶ、やりました。
明日、ライブ開催です。
ビートルズのカバー・デュオ「アスコット」。
「I want to hold your hand」前後、1963年ごろのナンバーを中心に歌っています。
ビートルズお好きな方、一緒に楽しみませんか?
是非、遊びにおいでください。
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■2017年2月25日(土) Ascot「With the Ascot~アスコットと一緒」
日時:2017年 2月25日(土) 13:00開場/13:30開演
出演:The Ascot (comin倫敦, 蓮野jeeyo) (小峰倫明, 久保田洋司)
会場:東京・世田谷「エムズ・カンティーナ」
世田谷区上馬4-4-8 新町駒沢ビル 2階(東急田園都市線・駒沢大学駅1分)
料金:予約3,000円/当日3,500円(自由席・1ドリンク代別途必要)
ご予約&お問合せ:「エムズ・カンティーナ」03-6805-5077
予約フォーム:https://ws.formzu.net/fgen/S13353355/
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今日も素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。
洋司
今回の更新も惹き込まれドキドキしちゃいました。(*´꒳`*)
何回も何回も読ませて頂きました。
明日楽しみに伺います♡お会いできるのが嬉しいです。
相聞歌って、万葉集では「恋の詩」。
ビートルズも色々ありますが、「恋の詩」が多いようなので、通じるところはあるのでしょうね〜
久保田さんの意訳、思わず爆笑してしまいました。今時の若者の現代語訳ですね。
明日のアスコット、頑張ってください^o^
すごくたのしかったです(#^.^#)
ジョンも万葉集と芭蕉が
すきだったような気がします(#^.^#)。
嬉しいですね(#^.^#)
山上憶良の896番歌も好きです。
難波津に御船泊てぬと聞え来ば
紐解き放けて立走りせむ
嬉しさのあまり飛び上がって、走り出したく
なる ー 最上級の歓びが表現されていると
思います。
久保田さんの「夜空に向けて解き放つ」も
素敵です。人と夜空と、境い目がぼやけて
いく感じがします。