Praise the Lord!

聖書のことばを通して、生活の中で示されたことやインスピレーションが与えられたことをつらつらと書き記しています。

自然との調和

2020年05月13日 | 日記
 ハーブといえば、ミント、カモミール、ローズヒップなど、ハーブティー、またお料理や、アロマセラピーのオイルにも利用され、その独特の良い香りが心身のリフレッシュに効果があるといわれる植物です。その歴史をたどると、古代からハーブは薬として用いられていたようで、中世ドイツの修道院の院長のヒルデガルト*1という女性はハーブを研究した人物として有名だそうです。ハーブ薬は自然のものですから、科学的に造られた薬の様に即効性がないかもしれませんが、人の免疫力を強める、つまり自分の病気に対する抵抗力を強めるという作用があるのでしょう。ちなみに、修道院というと、修道士・女が隠遁生活をして宗教活動だけしているイメージがあるかもしれませんが、その所属しているカトリック教会の会によって様々で、ワインやクッキーを作って市場に出荷するところもあれば、大学の教授も兼ねる、つまり教育、福祉、慈善団体の職員もしたりと、社会の中で活躍している人が多いことがわかります。ちなみに、栃木県の那須にある修道院ではクッキー(ガレット)を作っていて、地域で広く「トラピストクッキー」という商標で販売され、とてもおいしいです。

 ハーブとまで特定しなくとも、植物自体に何か自然由来のもので、人の心身を健やかにする成分を放っているように思えます。森林浴と言われるように、様々な種類の草木、樹木からなる森の中はマイナスイオンがたくさんあり、それが体をリフレッシュさせると言われます。私が住む地域は自然が豊かで、近くにちょっとした森があり、時々朝早に1時間程そこを歩くことができます。そこではほとんど人と会うことなく、鳥のさえずりだけが聞こえます。日に日に新緑が濃くなっていく森の中を歩いていると、日々報じられる危機的状況を一時でも忘れることができ、むしろ自然という生態系の中で人間がいかに小さな存在であることを思わされます。自然は厳しい面もありますが、すべての生物が共存できるよう、神様は当初この世界を創られた時、「それは、はなはだ良かった」*2とコメントしているように、全てが最初は調和していたのでしょう。

 神様は人に自然を「治める」ように命じていたことが聖書に記されています*3。この「治める」という表現には、国王が国を治める(reign, rule, have dominion)と言った意味をもつ原語が使われているように、秩序を保ち、平和的に統治することであり、よって、人が自然を自分の利益のために過剰に使ったり、遺伝子組み換えをして人工的な穀物を造ったりすることではありません。神がこの天地を創造したことを信じない人であっても、現実的に人間がどれ程自然環境を破壊し、その結果、多くのひずみを引き起こし、異常気象、自然災害となっていることは気がついているはずです。そして人は、それを科学的方法で取り繕おうとして、また生態系バランスを崩し、新たな問題を起こしていく、負の連鎖を続けているように思えます。

 20世紀以降、サービス業の増加に伴い、便利で効率的な世の中になっているかもしれせんが、それだけエネルギーを必要とします。それには原子力発電や原油の消費が伴います。掘削による地下資源の枯渇、原子力発電所の事故による被害と、いくら一人一人の市民が環境のために資源を節約、エコ活動していても、一方で大規模に24時間営業のサービス業等がこうこうと電気を使っている現実を見逃してはなりません。病院・施設や警察など24時間交代制が最低限必要である職種を除き、夜中まで営業する必要があるのか、夜中まで習い事や塾で勉強する必要があるのか、高級品の消費がこれ程必要なのかを、今の自粛という新たな生活スタイルが長期的になる可能性に伴い、見直す必要があると私は思います。もっと良い生活をしたいからお金を稼ぐという必要性と、企業がもっと収益を上げるための雇用増加という需要と供給が見合い、生活が忙しくなり、複雑になり、ストレスも増大していく世の中。これがもっとよい生活、人にとって幸せなのでしょうか。

 自然との調和。シンプルな生活。そもそも神様が創造された世界では、神と人との関係、人と人との関係、人と自然との関係の中に調和と秩序、そして相手や自然を大切に思う心がベースになると思います。それには、まず下記の聖書のことばのように私たちが神様との和解が必要で、そのためにすでに神様はイエス・キリストをこの世に送ってくれているのが、Good News(福音)です。和解をさせて下さったキリストに感謝し、日々自分の自己中心的な思い・行動を悔い改めて、自身の心が自然に対しても人に対しても平和的になれるよう、聖霊の力で変えられていきたいと思わされます。 
 
「あなたがたも、かつては神を離れ、心において敵となって、悪い行ないの中にあったのですが、今は神は、御子の肉のからだにおいて、しかもその死によって、あなたがたをご自分と和解させてくださいました。それはあなたがたを、聖く、傷なく、非難されるところのない者として御前に立たせてくださるためでした。」 コロサイ人への手紙1章21〜22節

  
*1 ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(Hildegard von Bingen, 1098~1179年) ドイツ・ビンゲンの地に自ら作ったのベネディクト会系女子修道院の院長で、医学・薬草学の研究をし、「ドイツ薬草学の祖」と呼ばれる。
*2「神が造ったすべての物を見られたところ、それは、はなはだ良かった。夕となり、また朝となった。第六日である。 」創世記1章31節
*3「神は彼らを祝福して言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」。」創世記1章31節