自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

こころ

2009年04月30日 | Weblog
 今日は大変珍しい日なんだそうです。昨晩の天気予報によると、今日の日本列島は北から南まですべて晴れのマーク一色。雲のマークも傘のマークも一切なし。
 四月も今日でおしまい。僕は特に四月が苦手です。例年のことながら、理由は分からないのですが春愁に浸っています。萩原朔太郎が北原白秋に捧げた『純情小曲集』に「こころ」という詩がありますが、この詩が含意する愁いほど深刻な心境ではないのですが、近いところがあります。

    こころ

  こころをばなににたとへん
  こころはあぢさゐの花
  ももいろに咲く日あれど
  うすむらさきの思い出ばかりはせんなくて。

  こころはまた夕闇の園生(そのふ)のふきあげ
  音なき音のあゆむひびきに
  こころはひとつによりて悲しめども
  かなしめどもあるかひなしや
  ああこのこころをばなににたとへん。

  こころは二人の旅びと
  されど道づれのたえて物言ふことなければ
  わがこころはいつもかくさびしきなり。

 これほどまで「さびしきなり」とは言えませんが、この詩を読めば、余計に愁いが迫ってくる気がします。どうもこの季節は苦手です。でも、今日はそうとばかりは言っておられません。京都へ行かざるを得ません。

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