自 遊 想

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[太平洋・島サミット]環境分野で成果出そう

2012年05月26日 | Weblog

(朝刊より)
 太平洋の島・諸国を招いた第6回「日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議」(太平洋・島サミット)が25、26の両日、名護市の万国津梁館などで開かれる。3年に1度の島サミットの沖縄開催は2006年以来3回目で、国内最多。太平洋に広がる島しょ国と地理的に近く人的、文化的な交流も深い沖縄が、サミットの舞台として定着していることを示している。
 初参加の野田佳彦首相のほか、パプアニューギニア、トンガなど16カ国・1地域の首脳らを歓迎したい。
 島・諸地域ならではの環境や資源確保の問題でも、沖縄と参加各国には多くの共通点がある。宮古島市では、参加国の高校生たちが地下水保全や海外への水供給事業に取り組む宮古島市の事例を学び、各国首脳への提言について議論している。
 宜野湾市で開かれたシンポジウムでは、島・諸地域の循環型社会の構築や環境ビジネスの可能性について政府関係者に加え、リサイクル事業の企業代表らが活発に意見交換するなど、幅広い分野の交流が始まっている。
 島サミットに参加する島しょ国は、国土が狭く、国際市場からも遠いなどの理由で経済的には恵まれていないが、カツオやマグロなど海洋資源は豊かで大きな可能性を秘めている。
 日本と各島しょ国の友好、協力は太平洋地域の安定と発展に不可欠で、沖縄の場の力を活用し未来志向の関係を築いてほしい。
 日本は、島サミットで海洋・漁業資源をめぐる問題を初めて取り上げる。周辺地域への影響を強める中国をにらんだもので、防衛交流についても協議する。
 野田首相は中国が太平洋地域で活動を活発化させている事態を踏まえ、周辺地域の平和と安全の重要性を提起する見通しだ。初参加の米国が、中国の活動を強く意識していることは間違いない。
 確かに近年、領有権問題などで中国と関係国の緊張が高まり、地域の安全保障に懸念が広がっている。国際社会が自制を求めることは重要だが、島サミットを新たな対中国包囲網形成に活用すべきではない。
 島サミットでは、島・諸国が直面する環境問題など具体的な課題について議論を深めるべきだろう。参加国が連携し、前向きなメッセージを世界に発信することが地域の安定と発展につながる。
 野田首相は、島サミットの開催前に参加国の主要新聞に「私たちをつなぐ太平洋の『キズナ』」と題するメッセージを投稿した。「困ったときの友人は真の友人」との格言を引用して、東日本大震災後に寄せられた各国の支援に深く感謝しつつ、友好と協力関係の強化を強調した。
 野田首相の意気込みは理解できるが、具体的な取り組みがいまひとつ分かりにくい。
 サミットでは、政府開発援助(ODA)の拠出など従来の枠組みにこだわるのではなく、各国の実情に即した柔軟な技術協力や資金援助など対等な協力関係を強化してほしい。

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