朝夕涼しくなってきました。が、日中は猛暑が続いています。
春の霞に対して秋は霧である。気象観測によると、1キロ以上の遠くがぼんやりして見えない場合を霧として、それ以上見えるときは靄(もや)と言うそうだ。
有明の浅間の霧が膳をはふ 一茶
浅間山麓に一人棲んだ一茶の朝餉を詠んだ句。
ところで、五里霧中という言葉がある。試験に出されると五里夢中と書く人がいるかも知れない。この言葉は、国語学者の金田一春彦氏によると、中国の『後漢書』に出てくる故事に由来するそうだ。裴優(はいゆう)という男が三里霧をつくったのに対して、張楷(ちょうかい)は五里霧をつくることが出来た。それは一種の忍術だった。中国の戦いの話にはよく霧を起こして相手をケムに巻く話が出てくるそうな。したがって、五里霧中は五里霧の中に入って西も東も分からなくなってしまったことを言うわけで、「ゴリム・チュウ」と切れる言葉だそうだ。
思い悩んで気がふさぐことを「心の霧」といい、その悩みが解決した気持ちを「拭うように晴れた」という。僕の心の霧はいつ晴れるのだろう、なんちゃって。