谷沢健一のニューアマチュアリズム

新ドメインに移行しました。

早稲田125とハンカチ王子(その1)

2007-03-10 | プロとアマ
 3月8日に「早稲田125フェスティバルin沖縄」が行われた。早稲田大学当局に乞われて、イベントに参加した。これで、沖縄入りは今年4度目となるが、今回ほど忙しい旅はなかった。前日夕刻、那覇空港に到着すると、イベント幹事役の早稲田マン・白石武博カヌチャベイリゾート社長が出迎えてくれた。
 今年10月に早大は創立125周年を迎える。何故125なのか。創設者・大隈重信侯が人生125歳説を唱えたことに依っている。その拘(こだわ)りは、大隈講堂の高さ125尺にも表れている。私はその125周年の募金委員でもあるので、時には総長と、時には単独で、講演など各地の校友会開催行事に駆り出されている。
 今日の予定は、午前中は浦添。キャンプ中の早大野球部への訪問だ。沖縄校友会の皆さんと一緒に激励に行く。15時からは那覇市の前島小学校。地元小学生のために「早稲田in沖縄野球教室」を実施。18時から『今年は早稲田が熱い』というテーマで講演。少しは母校のためになっているつもりだが、はたして・・・
 さて、125周年という記念すべき年に昨夏の甲子園優勝投手・ハンカチ王子こと斎藤祐樹君が入学した。そのせいで、浦添キャンプは、ヤクルトキャンプにまけないくらい、注目を浴びているという。
 グランドに入っていくと、内外野のシートノックの最中だった。目当ての斎藤君は、投手陣10名のうちのB組に入って、外野フェンス沿いをラン二ングしている。近づいて行くと、彼は私の方を見ながら、他の選手に何やらひそひそと「あの方は誰ですか」とでも囁(ささや)いているように感じた。
 新2年生以上の部員は大きな声で挨拶をしてくるが、B組は入学組が多いのだろう、不審そうに半分だけ帽子をとるように頭を下げる。YBCの新人選手と変わらない。私がOBであるのを知っているかどうかわからないが、声をかけてみた。
 「斎藤君、足首を捻挫は大丈夫か?」「はい、ほとんど治っています」「今日はブルペンに入るのか?」「はい、昨日も投げ込みをしたし、今日も投げたいと思います」マスコミの取材陣から毎日受けるような質問をしてみたが、嫌がらずに答えてくれる。
 176cmと聞いていた斎藤君の第一印象は、それよりも「小柄」だった。話しぶりは、静かでクールで控えめだし、ユニフォームの胸と背の「斎藤」の二文字は、他の新入生より小さめで薄かった。遠慮がちに書いたのか、練習量が多くて洗濯も多いのか、理由はわからない。