谷沢健一のニューアマチュアリズム

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加藤良三コミッショナー

2008-11-15 | プロ野球への独白
 パーティーの冒頭は、だれもがお互いに短い挨拶を交わす。ウォーリーの時も、勿論私は長嶋さん、王さん、新任のコミッショナーら主だった方々にやはり短く挨拶した。団欒もたけなわになった頃、加藤良三コミッショナーが不意に私の所に近づいてこられたのである。駐米大使という外交官のトップに上りつめた方だから、謹厳な口調の人物だろうと勝手に想像していた。
 加藤氏「谷沢さん、CSのプロ野球ニュースはよく見てますよ。解説者の方々のトークを楽しんでます。佐々木信也さん、関根さんと谷沢さんがお出になるときには特に楽しみです。技術的な評論ばかりでなく、様々な観点から深く掘り下げていってくれます」とおっしゃる。嬉しいお言葉であり、「あ、この人はほんとうに野球に惚れているんだ」と直感した。
 さらに「谷沢さんが3割6分9厘を打った時には、どのような心境だったのですか」とおっしゃる。驚いた。細かい数字もご存知だ。私は心の中で襟を正して、長い故障から復帰した年だっただけにいい意味で開き直っていて、投手への読みも大胆で、一打一打に悔いをあまり残さなかった、とお答えした。
 柔らかい表情で時には満面に笑みを浮かべて、興味深そうに聞いてくださる。さすが、世界の最高の政治家、実業家らを相手に外交の修羅場を仕切ってきた方である。すぐにそのお人柄に魅せられてしまった。世辞も追従もまったく苦手の私だから、年功の年長の実力者の歓心を買って、その見返りにおだててもらうことなどは考えられないが、こういう方にはぜひとも褒められたいと思わされてしまった。
 就任早々にWBC監督問題を片付けるなど、前コミッショナーが処理しきれなかった懸案の解決に敏腕を発揮なさっているが、そんなナーバスな立場など微塵もみせず、野球への愛着だけが表出する笑顔だった。
 その日のプロ野球ニュースのゲーム解説は、加藤さんに心をこめてお送りしたメッセージになった。

2 コメント

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同感です (Yoko Yoneda)
2008-11-15 21:01:53
谷沢様御許に
大変ご無沙汰をいたしております。
 千葉ロッテの米田容子でございます。
今季は、マリンスタジアムへの谷沢様のご来駕がなく、大変残念に思っておりましたが、日々、谷沢様のブログを拝読させていただいております。

私も加藤コミッショナーのお人柄に魅せられた一人でございます。ご就任後、9月に、マリンスタジアムにご来駕を賜りました。

来季は、石垣キャンプ、そして、マリンスタジアムに
是非ともお越しくださいませ。
お待ち申し上げております。
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来シーズンこそ (谷沢健一)
2008-11-24 17:48:56
 いつもブログを読んで下さりありがとうございます。
 本年もご苦労様でした。米田さんのチームを支えている姿が目に浮かびます。それだけにマリン球場に足が遠のいている自分に反省しています。
  YBCスタッフもマリンへの観戦チャンスが無いことに残念がっています。来季こそ、早い時期にスタッフともども訪れることを約束します。
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