谷沢健一のニューアマチュアリズム

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2008年の初めに(その2)

2008-01-08 | YBC前進
 今年のクラブチームの環境は、少なくとも千葉県では昨年よりも厳しいものになると私は思う。恵まれた環境の下で運営ができる少数のチームはさておき、選手不足と戦力低下に悩むチームが増加してくるだろう。たとえ部員が増えてもレベルの向上に直結するわけではない。その原因のひとつは独立リーグだ。
 独立リーグと拮抗する戦力のクラブチームは少なくない。おそらく各県のトップチームは、そう遜色はないだろう。しかし、独立リーグは、金額がいくらであれ、給料がでる。これが選手たちのプライドの支えになる。「野球をすることで稼ぎがある。プロである」という自尊心だ。この気持ちは他の人たちには理解しにくいものだろうが、「野球をすることで稼ぎ」を得てきた私にはわかる。(もともとプロ野球選手は、報酬の有無だけでなく金額の多少がプライドの支えになる。それは、自分の野球能力の評価そのものだからである。このあたりの心理の深部は、メディアもファンもあまり理解できていないように思える。)
 第二に、独立リーグのほうが練習環境が格段に良いと、クラブチームの選手たちは信じている。とくに、高校・大学の野球部で「野球漬け」の日々を送ってきた者には、クラブチームの練習環境はずいぶんと劣っている。環境の良い場を求める気持ちは、誰にでも理解できるだろう。この2つは、メジャー入りを願う日本人選手たちの大きな動機になっているはずだが、それはさておき、それが独立リーグとクラブチームの一部の選手との関係にも生じやすい。
 この4月から、四国九州・北信越の2つの独立リーグは、チーム数を各2球団合わせて4球団も増やすから、1チーム25人としても、100人の選手が必要になる。その中にはクラブチームの選手たちも当然多く入るだろう。昨秋の北信越リーグのトライアウトの結果をみると、千葉県のクラブチームの場合、市原と千葉熱血、そしてYBCの3チームからだけでも10名以上の選手が入団することになる。彼らの大半は、各チームのレギュラークラスだったはずだ。
 上記の2つの理由だけでなく、千葉県の場合は「クラブチームリーグ戦」のような大会もなく、公式戦の数が少なすぎて、モチベーションが高まらないことも、大きな理由になるだろう。
 いずれにしても、アマ野球界の底辺(というより太い根)を支えるクラブ野球にとって、当分は「(混沌とした)不確実性の時代」が続くはずである。この状況下で、私自身に求めるべきはクリエイティブであること・フレキシブルであること・アクティブであることだろう。つまり、創造・柔軟・行動である。そう思って無想・無心になることを期した。
 すると、原点に立つという想いが浮かび上がってきた。YBCの原点であり、底流であるのは「ムチャクチャ野球が好きだ」「この環境で成長したい」「誰もが楽しめる」「野球広場に行こうぜ」などである。そういうあるべきイメージが膨らんできた。