『黄金の馬車』(ジャン・ルノワール監督、1953年)をDVDでやっと観た。
と言っても、パソコンの故障の関係上、1ヶ月前の鑑賞記憶である。
総督フェルディナンの支配する南米のスペイン植民地。
そこへ船にのってやってきたのは、ドン・アントニオ率いるイタリアのコメディア・デラルテ(即興仮面劇団)一座。
そして、そのヒロイン、カミーラに恋し同行している騎士フェリペ。
早速、一座は興行を始めるが、観客の方は客席にいた人気闘牛士ラモンにばかり注目がいく。
怒ったカミーラがラモンを挑発し、やっと大喝采をとるが、あがりはほとんどなかった・・・
(映画.COMから一部抜粋して修正)
そして、宮廷で舞台を演じないかという総督からの使い。
カミーラをすっかり気に入る総督のフェルディナン。
このようにして、闘牛士ラモンも絡んでカミーラをめぐる3人の男たち。
どちらかと言えば、『ゲームの規則』(1939年)に近い雰囲気の内容である。
この作品が日本で封切られたのが1988年。
当時、ジャン・ルノワールの幻の傑作が上演されると言うことですごく気になりながら、つい今日まで来てしまった。
ただ観てみて、色彩感覚が素晴らしいとか、最高傑作であるとかの評をよく聞くが、DVDでは画質が悪くどうもその恩恵に預かれない。
それにアンナ・マニャーニはうまい女優だとわかっていても、三人の男が恋焦がれることに、どうも違和感が先立つ。
だから、この作品の魅力を探すために再度観直した方がいいとも思うが、なぜか食指が動かない。
私にとってジャン・ルノワールの作品評価としては、珍しくこの程度であった。
課題は『勇敢と卑怯』、で、どちらが下らない映画を撮るか、競い合ったのだと思います.
この人たちは、そう言う人です.
で、ヴィスコンティが負けて、彼は次に『白夜』と言う、これ以上にない下らない作品を撮りました.
この映画は、ルネ・クレールの『夜ごとの美女』と考え合わせると、どちらの作品もよく分かります.
庶民と、貴族をやめた男と、貴族、三人の男の愛情を欲した女は、どう考えても欲張り.
庶民のくせに、貴族の権威の象徴である黄金の馬車を欲しがった女は、欲張り.
革命によって貴族社会、封建制社会を打ち倒して共和制の国家を作りながら、未だに貴族の権威の象徴であった植民地を手放そうとしない、つまりアルジェリアの独立を認めようとしないフランス国民は、欲張りである.
そして、欲張りとは下らないものなのだ.....ヴィスコンティは負けました.