ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『コレクター』(1965年)を再度観て

2016年04月18日 | 1960年代映画(外国)
先日、『ルーム』(レニー・エイブラハムソン監督、2015年)を観て『コレクター』(ウィリアム・ワイラー監督、1965年)を思い出した。
劇場で観た当時、誘拐監禁された女性がいかにして脱出できるのかハラハラ・ドキドキし、強烈に印象深かった作品なので、この際もう一度観てみた。

小さい頃から蝶の収集が趣味のフレディは、ある日、人里離れた立派な館の売家に出くわした。
銀行勤めの地味なフレディだが、偶然くじが当たり、その資金によってこの屋敷を手にする。

フレディは、前から目を付けていた美大生のミランダをターゲットとしてワゴン車で後をつけ、強引にクロロホルムで誘拐を実行する。
屋敷の納屋の地下室に閉じ込められ恐怖におののくミランダは、フレディから「前から愛している」と言われて・・・・

監禁の契約期間は4週間。
その間に、フレディはミランダから愛してもらおうと考えている。
だから、態度は紳士的ある。決して変なことをしようとは心から思っていない。
片や、ミランダは身体的な束縛はなくっても監禁の身。
いかに、フレディの気を和らげて逃げ出す方法はないかと機会をうかがう。

監禁した以降は、ほぼ二人だけの場面設定で、その心理的なやり取りがどこまでも緊迫感のある状態として、観る者に訴える。
それを、テレンス・スタンプとサマンサ・エッガー が目の動きで表す。

ある日フレディは、屋敷の二階の風呂に入ることをミランダに許可する。
そこへ、年のいった隣人の男性が訪ねて来る。
バスタブの湯を流しっぱなしにして、監禁されていることを知らせようとするミランダ。
床を流れる水。そして、二階から滴り落ちる水。そのサスペンス。

サスペンスはラスト近くのクライマックスにも現れ、ことの流れは急転化する。
蝶を愛するように、コレクトしたミランダを愛するフレディ。
この不気味な物語は、次の獲物をねらうフレディによって続く。

まだ余震が続くこの度の地震により、亡くなられた方、怪我をされている方、
救援物資も不足し11万人に及ぶという避難生活を強いられている方のことを思うと、
のうのうとこのような記事を書いていていいのかと、ためらう気がないではありません。
被災された方たちが、一刻も早く、今までの日常生活に戻られることを願ってやみません。

ここに、ブログ「九州産野菜・果物 大分の石川青果のエーコです!!」さんの“熊本市内炊き出し&支援物資情報”と、
「すみっこにあるブログ」さんの“熊本支援、私たちにできることは”をリンクしておきたいと思います。

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5 コメント

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Unknown (グライセン)
2016-04-18 06:08:01
おはようございます~
私もブログ更新していて良いのか思うことろはありますが、こんな時だからこそ、更新して良いと思います。
被災地の方はブログどころではない厳しい状態に置かれています。我々まわりの者はTVで様子を見ていても傷つきます。共に精神的ダメージはあります。色々な方に少しでも震災の恐怖から距離を置く時間が少しでも持てればそれはそれで役に立っていると思うのです。いつも通り・・・寄り添って応援しましょう。私はそう思っていますが。
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拡散ありがとうございます! (エーコ)
2016-04-18 06:29:40
おはようございます!

大分からエーコです!

いつも閲覧いただいて感謝申し上げます!

その上、拡散まで。

本当にありがとうございます!

復興は既に始まっていると肝に銘じて頑張ります!
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Unknown (初老ytおじ)
2016-04-18 08:32:45
グライセンさん、ありがとうございます。
考えてみれば、おっしゃるとおりのように思います。
被災された方たちのことも意識しながら、また書いていこうと思います。
返信する
>エーコさんへ (初老ytおじ)
2016-04-18 08:46:29
「拡散」の次の記事を読んで、エーコさんのいつもの明るさを見る思いでホットしました。
このように紹介することと、義援金ぐらいしかできませんが、元の日常生活が普通になる日を祈っています。
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ありがとうございます! (Sumi)
2016-04-20 13:37:45
感謝の気持ちしか伝えられません。
一言ですが、残させてください。
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