ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『女神は二度微笑む』を観て

2015年11月03日 | 2010年代映画(外国)
インド映画の『女神は二度微笑む』(スジョイ・ゴーシュ監督、2012年)をレンタル店で借りてきた。
インドと言えば、世界一の年間映画製作本数の国だが、観た作品はサタジット・レイ監督「オプー三部作」の『大地のうた』(1955年)と、
『ムトゥ 踊るマハラジャ』(K.S. ラヴィクマール監督、1995年)ぐらいしか記憶にない。だから、久しぶりに非常に興味深かった。

冒頭、地下鉄毒ガス事件が起きる。
そして、2年後。
ロンドンからコルカタにやって来た妊婦のヴィディヤは、行方不明になった夫アルナブを探すため、警察署を訪れ捜索願いを出す。
しかし、夫が宿泊していたはずのホテルも、勤務先の国立データセンターにもアルナブがいた形跡がない。
ヴィディヤは途方に暮れるが、やがてミラン・ダムジというアルナブに瓜二つの人物が存在することが判明する。
それを知った国家情報局のカーン警視も捜索に乗り出すが、なぜか協力者が殺害されていき・・・・

果たして、アルナブとミランは同一人物なのか、それともアルナブがミランに似ていたために事件に巻き込まれたのか。
失踪した夫を探すヴィディヤと、それを手助けする警官ラナを軸に、物語りはメリハリがきいてテンポよく進む。
こちらも、夫に何が起こったのか、地下鉄毒ガス事件との関係はと、あれこれ推測しながら観るので飽きが来ない。
そして、結末の意外性。

しかし、ヴィディヤ役のヴィディヤー・バーランが、インドのトップ女優と言われる割には、
夫が失踪しているにも関わらず、余り深刻そうでもなく、役者としてイマイチだなと感じた。
が、観終わって、成程このようなオチだったのか、じゃ、この女優の評価も訂正しなければいけないなと納得した。

シナリオと小気味よい映像が相まって、よくできた作品だった。
地下鉄毒ガス事件が出てくるので、地下鉄サリン事件のように社会的背景があるのかなと思いきや、
そういう内容は一切なく、正しくエンターテインメントなサスペンス・ドラマだった。
コメント
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