ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『ラムの大通り』を観て

2015年11月02日 | 1970年代映画(外国)
よく行くホームセンターには、廉価版DVDのワゴンが片隅にひっそりと置いてある。
そして行く度に、どんな作品があるか一応チェックしたりする。
そしたら今回、その中に懐かしい題名があった。『ラムの大通り』(ロベール・アンリコ監督、1971年)。
主演がリノ・ヴァンチュラで、相方がB・B(ブリジット・バルドー)である。
おまけに監督が『冒険者たち』(1967年)、『追想』(1975年)のロベール・アンリコとくれば買わない手はない。

時は、アメリカで禁酒法が施行されていた1920年代で、舞台はカリブ海。
密輸船船長のコロニー(リノ・ヴァンチュラ)は酒の密輸を行っていたが、アメリカ沿岸警備艇に発見されて銃撃を受け、船も沈没。
海岸に漂着し一命を取りとめた彼は、その後、“めくら撃ち”という賭けに挑戦する。
それは、暗闇の中で拳銃で撃たれて、生きていれば賭け金が貰えるという方法である。
コロニーは傷を負いながらも、これを10回ほど行って大金を手にし、また船を買う。
そしてある日、スコールの為たまたま入った映画館で、銀幕に映し出される野性的な美女に一目ぼれをしてしまう。
映画の中のこの女優リンダ(B・バルドー)に夢中になっていたら、偶然にも海辺で水浴びをしている本物のリンダに出会う。
その晩、コロニーの許にリンダからパーティーへの誘いの電話があり、それ以来、二人は愛し合うようになって・・・・

『ラムの大通り』って、パリの大通りの名でそこを舞台にした作品かなと、ずっと勝手に思っていた。
そしたら、カリブ海からアメリカにラム酒が密輸される経路のことだったので、へぇ、そうかと納得。

内容は恋愛コメディである。
リノ・ヴァンチュラがバルドーに夢中になる様がユーモラスで面白い。
特に後半、恋敵のイギリス貴族が現れて、決闘を仕掛けられる辺りからは笑ってしまう。
彼がアラン・ドロンと共演した『冒険者たち』もすごく良かったが、真面目にとぼけた感じのこの作品もいい。
そして、B・バルドーの天真爛漫さが何とも言えず、観ていて楽しくってしょうがない。
おまけに、歌まで歌ってくれたりするからうっとりとさせられる。
でも、スタイルは抜群だが、往年のセクシー女優と言われるほど美人とは思わなかった。
私の見る目が、年とともに変わってきたかなと考えてしまう。
このB・バルドーで思い出すのは、『ビバ!マリア』(ルイ・マル監督、1965年)。
共演したジャンヌ・モローと舞台で歌を歌うシーンもあったりして、とてもいい映画だった。

いずれにしても、とっても楽しい映画を観て心も和んだ。
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