わたなべ動物病院の獣医さんブログin行橋

日々の思いをこごと、たわごと、ひとりごとに

コロナウイルスをさわりだけ

2015年06月19日 | 日記
 SARS(サース)MERS(マース)と呼ばれるコロナウイルスが話題になっています。 犬を対象とする獣医さんがワクチン接種する中にもコロナウイルスが入ってますが、これは下痢を引き起こすウイルスです。それではと思い、30年前の獣医ウイルス学の教科書を引っ張り出してみると、鶏では気管支炎 仔牛は下痢 マウスで肝炎 豚で下痢でした。残念ながら30年前の教科書では犬は載ってませんでした。獣医学科は基礎系を人(医学部)の教科書で学ぶこともあるので、人のウイルス学では‘かぜ’の起因原とあるのみで 当時は重要視しされていなっかたみたいです。つらつら教科書を引っ張り出してコロナのことを書こうと思いましたが 一介の獣医がこれ以上書くものでないと思いお越し、この辺でやめときます。
 「ひとの生活権に存在しなかった生きものやウイルスと、我々が接触する機会が近年、増えた。一定の土地に局在していたはずの病原体(いわゆる風土病といわれるもの)がグローバル化によって、世界中に拡散するようになった。われわれの文明スタイルそのものが、新たな病を生んでいる事実にも眼を向けるべきだ。ひと昔前では原因不明で終わっていたのが 次々と新しい病気が発見され ニュースになるのはあるいみ 検査技術の発展の結果でもある。」と書いてました。
 まさしく生活環境の変化や科学技術の進歩だと思います。
 動物病院でも野生の鳥が時折「保護しました」と連れて来られるます。 当院としてはかわいそうだが治療することなく「元のいたところ、保護した所で、野に放ちなさい」と伝えます。 その心は冷たい獣医と言われようが あそこにいっても何もしてくれなかったと言われようが、もしも もしも 野鳥がえたいの知れない病原体を持っていたら 人間に感染をしたらどうする?ここが感染源になって感染症が広がったら、保護した人がわけのわからぬ病気になったらどうする?免疫力の低い小さな子供がいたらどうする? 現実的に可能性は低くゼロに近いが 危険度を伝たえ 自然の摂理をとき、野に放つことを進めます。 さらに 必ず手を洗い 出来ればうがいまでして と伝えます。
 きれいごとをして 後は知らぬ存ぜぬでは人畜共通感染症を勉強した獣医としては、ちと寂しい気もします。
 小動物開業獣医師として自分のできる事はしますが、野生動物を主たる業務とする獣医師はさらなる専門知識、専門技術を持ち 活動しています。

 新興ウイルス感染症などの報道を見ると獣医師のさらなる活躍を期待します。
                一介の小動物開業獣医師の希望です。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする