わたなべ動物病院の獣医さんブログin行橋

日々の思いをこごと、たわごと、ひとりごとに

獣医師として

2015年09月30日 | 日記
 獣医をやってるせいか動物関係の本やテレビなどは以外と見ないもんです。個人の主観で書いてたり、やらせや先入観が先に出て 恐怖で怯えて必死になってる動物たちを面白おかしく放映して 挙句の果てには‘かわいい’などとの賜ってるのを見るとヘトヘトしてしまう。と言う訳でほとんど見ませんが、たまたま哲学家・池田晶子さんの「犬の力を知ってますか?」という本を手に取りました。まだほとんど飛ばし読みですがこんな考え方もあるのかと納得しながら.....一部紹介。
・あとから来たのに、先に行くというのが、最初にわかっている。
コロコロの仔犬のときから、老犬になるまで彼らはひたすら愛を送り続ける。
・すべてはご縁でつながっているのだから、別れることを恐れるより、出会えたことの僥倖を味わいたい。
と書かれてました。 自分だったら「縁亊なんで飼いたいと思ったときに、この子と思った時に飼ったらいいですよ。それまで無理に飼わなくていいですよ」と言ってました。
・人間の子供だって、そうではないか。愛してるから叱るのよ、私は子供を愛してる。
何事かを正当化するために、愛のムチなんてありはしない。
それは飼育だ、教育ではない。いけないからいけないではなく自分が嫌だからいけない、単なる憎しみという感情だけである。
 そーだ!そーだ!監督が先生が飼い主がただ単に自分の思いどうりにならないから、愛のムチ? 自分も反省することしかり。
 動物のお医者さんについて。
人の命は一律に必ず生かされるものとしてある。わかりやすい。しかし動物医療にはそれがない。生かすか殺すかは恣意と偶然、まるで曖昧なのである。
 動物が好きでなった職業だろう。反論がある。好きでなった職業 たしかにそうだ。真摯な獣医は「俺 本当に動物のことを好きなんだろうか?」と一度や二度は考えたことがあると思う。しいて言えば漠然となった奴のほうが多いかもしれない。本当にすきっだたらと考えてしまう。
もうひとつ言わせてもらえば人間の医者は人間が好きだからなったのか、じゃー人間の皮膚科は皮膚が好きだから、産婦人科は......? 歯医者は歯が好きだからなった?とすぐに言いたくなる。
 雑談の中で「今は猫を飼っているけど犬はいいね、 犬がいい」とおっしゃる方がいて「どう思います?」と自分に聞いてきました。
 思わず「犬でも猫でもいい 牛でも豚でも馬でもいい」と答えました。
このとき動物が好き云々より「あー自分はやっぱり獣医なんだ」と自覚しました。
 環境問題や食品の成分を見るとき、 国内産鶏の使用を見れば一安心する。だが使ってる肥料はどこの国の肥料、その肥料によっては鶏の肉質や安全性に影響する。養殖の魚に与える抗生剤もしかり、めぐり廻って人間に帰ってくる。
 世間一般では小動物 いわゆる犬猫の診察をしているのが獣医のように思われがちですが、牛や馬の大動物臨床をやっている獣医もいれば、公衆衛生 環境衛生 食品衛生や薬の開発・行政をやってる獣医もいます。
大学の先生の言葉を借りれば「獣医学はヒトを含めた動物・衛生環境・自然を対象とするグローバルな学問分野です。広く人類のために貢献することが本来の姿かと思われます。」と言っておられました。
自分自身もそう思う。小動物臨床をやりながらも、環境や食品衛生に取り組んでいる獣医さんの知見も雑談の中で伝えて行きたいと思います。


 

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血液検査について

2015年09月16日 | 日記

 常日頃の血液検査は外注委託でモノリスという動物専門の血液検査をするところに検査依頼をしてます。以前は自分のところにもフジドライケム、血球計算の検査機器を持っていたのですが、今はもっぱら依託してます。なぜかというと機器の調子が悪くなったのもあるのですが、自分のとこで血液検査をやってると機器のメンテナンスケアーを一ヶ月に一度 最低でも三ヶ月に一度はしないと検査データがずれたり、試薬や機械のトラブルで値がずれてデータが臨床症状とデータが一致しないなど起こった為です。
 自分の機器と検査センターのデータを比べた場合、常にメンテネンスケアーをしてる検査センターの値を取ります。
 飼い主さんの中にはすぐに結果を見たい方もおられますが、午前中の採血で夕刻には検査結果がわかるのでご安心下さい。
 当医院では二歳や三歳の血液検査を無理に進めてません(必要に応じては進めます)。なぜかといえば人間で言えば24,5歳から30歳前後なので、人間でも少々無茶な生活をしても基本的には血液検査に反映しません。また仮に少しぐらいの異常値が出てもすぐに薬という事ではなくて、時と場合によりますがまず最初は生活習慣の改善を先に進めます。
 今回は健康診断のご案内で血液検査センター・モノリスの協力により血液検査を通常よりほんの少しですが、安価に提供します。
生化学16項目 生化学12項目 血球計算のセットや老齢犬・老齢猫ちゃんにはシニアセットとして、犬のT4 TRC,猫SAA GAが含まれます(個人的な考えでは臨床症状がなければシニアセットはそんなに必要性はないと思います。モノリスさんには内緒です)。
 猫のエイズ・白血病検査も通常の院内検査、これはあくまでも簡易検査になり何パーセントかは不確実な場合もありますが、モノリス検査なので正確にできて院内検査と同等の検査価格で行ないます。
 猫ちゃんの場合は、猫エイズ・白血病検査だけでもかまいません。ただし採血ができればですけど。
・以前の検査と今回の検査を比較してみたい
・検査項目が少ないのでもっと多く検査してみたい
・セカンドオピニオンとして血液検査を比較してみたい
その他希望であればレントゲン 子宮・膀胱のエコー検査もします
その他の質問も受けます。

 雑談でも結構ですよ。

 


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今回は 新聞を読んで

2015年09月12日 | 日記
  新聞を読んでると思わず自分の診察を省みてしまう。
「正しいことには別の正しいことが帰ってくる。何が正しいかなんてわからない。」
獣医臨床で一つの症状から考えうるあらゆる病名を考える。見る向性が違えば疾患名も異なるが、双方正しいといえる。
「自分が正しいと思うことを主張するためには、事実を曲げることもいとわない。」
思い浮かんだのは、検査データを第一に考えるため、本来の主な原因を見落とし、自分の意見を押し通して、データがこうだからかこうだと決めつけてしまう。
この方向性をやめようと云えば自分の判断ミスを疑われ、おかしいと思っても、押し通してしまう。
 新聞を読めば、自分の獣医診療の反省点は数限りなく出てきますね。
最近心がけてるのは転院されてきた方には「前の診断も一理あります。それもひとつの方法 自分もすべて正しいとは限りませんが自分のやり方もひとつの方法ですよ。」と伝えます。どちらを取るかは飼い主さんしだい。
 若かりしころは、病気を勉強してるつもりでも実はしらなっかた。今でもわかんないことが多い。がしかし若いがゆえに自分が一番、人の診察を全否定してました。反省してます。
 こんなことも書いてました。
治療効果と自分の価値観も踏まえ、どんな治療がベストな選択か、医師と患者さんがコミュニカーションをとりながら、同じ方向に向けて進むことが大事です。 
 これを読んだら結婚式のスピーチを思い出してしまった。
夫婦家族は向かい合っているのではなく、同じ方向を向いていてこそ機能する。向かい合ってれば喧嘩もするし、違う方向を向いていればすれ違います。だからこそ二人で同じ目的をもって同じ方向を向いて新しい家庭を築き上げていくこと。
確かにそうですよね。医師がこっちの方向 患者さんはあっちの方向では治療・信頼がなくなり転院しますね。
 難しいですよね。夫婦喧嘩もないのは。危険なのは二人して同じ方向が間違ってたりして?
常に再考察ですか?するべきですね。

 私事ですが、最近 怒ること、嘆くこと、悔しがることが増えてきたように感じます。
 よしっ 人生読本の本でも読もう!
買ってパラパラと開いてたら、いいしおりが出てきました。

  for you
    大切な忘れ物を
        届けに来ました

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声(新聞)をよんで

2015年09月07日 | 日記
 新聞・声の欄に「いそいそと外出する我が家の猫」と掲載されてました。
市報では「猫は室内で飼いましょう」とあったが、猫が朝に外出をして夕刻に帰ってきて家でくつろいでいる。猫嫌いの人もいれば、どこかで迷惑をかけているかもしれないが、猫が外で自由にしている土地は平和で風通しがよい場所に思える、との投稿。
 実は自分も猫の外出には反対はしてません。県市の指導やその他もろもろで、猫は室内で飼いましょうと言っているが、野性味の強く残ってる猫の習性を考えると、家の中だけでは物足りないだろうと勝手に想像してます。
 猫の事を一番に考えれば世間様に迷惑だし、世間様を一番に考えれば猫は物足りないだろと思います。動物を飼う事と社会一般通念がうまく一致しないですね。
 建前上「できれば家の中だけで猫が満足できればいいですね」と云うぐらいに留めてます。
 猫は単独生活をする動物なので、外出すると自分のテリトリーに誰もいない事を確かめて、安心して家で落ち着きます。よその猫が侵入してるとソワソワして落ち着かなくなり、またいそいそと出かけ、よその猫がいなければ、ひと安心します。
 実家で飼っていた猫も家の中ではとってもかわいい家猫でしたが、ひとたび外出すれば「どこの野良猫だ こいつっ」 て具合でした。

 猫の話のついでに うちの猫咬むんです いい方法ないですかと聞かれましたので、
 「犬と猫の行動学 問題行動の理論と実際」をつまみ読みにて、
・捕食行動
・遊び攻撃
・雄猫間の攻撃
・同一家庭内の猫間の社会的攻撃
・防御性攻撃
・転嫁攻撃
・撫でているときの攻撃
・原因不明(動機のない)攻撃 に大別されてます。
長くなりますのでさわりだけ、詳しくは来院されてから。

 犬の行動のとこで 徐々に食べ物という賞(褒美)を減らし、最終的には言葉で褒めるという賞(褒美)だけにする とあります。
 犬の教育・訓練も同じですね。
それと犬も猫も叩く、押し返す、反撃・対決するのは何もならない、かえってマイナスになると言われてます。 

 

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コマーシャル情報

2015年09月01日 | 日記
 しばらくブログを書かないと書くのが面倒になるもんですね。
手紙を書かないと筆をとるのがおっくうになるのと同じみたい。
 近江商人の「売り手よし、 買い手よし、世間よし」の三方よしを見て 「治療者である獣医の納得の行く治療 飼い主さんの望む治療、世間様の獣医の評価」と言う具合だろうか?
これがベストだろうと思っても、本当に正しかったのか常に反省してます。

 話は変わりますが、新聞で野菜の日と言うことで野菜と一緒にメロン・スイカ・イチゴが写真に乗ってました。あれっと思いながら ネットで検索してみると これが立派な野菜なんですね。
知らなかった、と同時に辞書を調べなくてもすぐにネットで情報が手に入り便利な時代にになりましたね。つくずく感心。
 獣医さんでもらう薬もネットで調べるといいですよ。双方納得の上での投薬がいいと思います。
 
 日本全薬によるフロントライン、飲むノミ・ダニ駆除薬のコマーシャルについて
やっぱり嫌、害虫駆除薬を体の中にいれるのは嫌だ。
でも社会的にコマーシャルをやられると多くの人たちが皮膚滴下式より飲ませる方向に行くのだろうか?自分ひとりが嫌だ、嫌だといっても無理かな?
滴下式を点けても、点けてもノミ・ダニが付けば、その時は飲ませればいいと思う。
人間の体に入れたらどうなるんだろう、このノミ・ダニ駆除薬を。害はないかな?
動物たちは少しぐらいきつくても何も云わないし、人間も解かんないし。
 ジェネリック薬にしてもコマーシャルをやってる当の本人は喜んで、率先して飲んでるのだろうか?
 ヨーロッパ、アメリカでは90%以上がジェネリック薬とテレビで云っていたが、ヨーロッパ・アメリカと日本では同じジェネリックと言っても規格や申請時の審査資料が異なるのではないだろうか、一言で同じジェネリックと言えないと思う。

 テレビや新聞のコマーシャルで得る知識もありますが、全てを鵜呑みにするのも
いかがなものかと、少々疑問点を書いてみました。

 

 

 

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