樹々の伝言

山は冬籠りの準備を終えていた。木の葉はすべて落ち、樹木は衣服を剥いだように見える。葉の陰で見えなかった樹の表情が表われていた。自分の半生を見せつけるかのように佇む。一つ一つに生きてきた歴史が刻まれていた。風に枝がそよぐたびに、彼らの言葉が聞こえてくる。それは樹木たちの伝言なのであった。

初冬の軍馬山には無数の樹木がそれぞれの生き様を見せるかのように群生している。ほんの一部ではあるが、デジブックにまとめてみた。
終わりまで、少し長くなります（約16分少々）。時間に余裕がある時にご覧ください。環境映像のつもりで。

デジブック 『樹の声を聴く』


「木を見て森を見ず」という言葉があるが、木も見ないで森が分かるはずがない。じっくり木を見ることから、すべてが始まることも知った。

軍馬山はこの撮影が一段落した日の翌日から雪に覆われた。