原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

踊り子

2013年03月19日 07時38分43秒 | 自然/動植物

 

いつみても優雅な鳥だと思う。地上にいる時も空中を飛ぶ時も、まるで舞を舞うかのようだ。その姿に「めでたい」称号が与えられた。その白く美しい姿は鶴髪(かくはつ)に例えられる。つまり美しい白髪のこと。そこから長寿を象徴する吉祥の鳥となった。長生きの亀とともに「めでたい席」に必ず登場するようになった。鶴は千年、亀は万年長生きするとか。実際そんなに長生きできるわけではない。亀は百年の噂はあるが、少なくてもタンチョウは20年が平均寿命。そんな現実はともかく、優雅なタンチョウの踊りを毎日楽しむことができる我々は、やはり幸せ者なのかも。

 

鶴のうん蓄をもう少し続ければ、鶴は永遠の夫婦一対(実際はそうでもないが)が原則。そんなことから夫婦を祝う席に欠かせない鳥となった。千羽鶴の謂れも、千年も生きる鶴の言い伝えから生まれたもの。一羽折ることに一年寿命が延びると言われている。鶴の声は共鳴して遠くまで届く。天に届くことは天上界に通ずる、とも言われている。いやはや、なんともめでたい鳥である。

もっとも、江戸時代、鶴の肉の塩漬けは将軍家御用達の貴重品。下々の者は口にしてはいけないものにであった。まさに高貴な食べ物であった。不謹慎ながら、どんな味か、少しばかり興味が・・・。

そんな下心を捨てて、今日も湿原の踊り子たちを観覧料も払わずに堪能している。

撮影は、鶴居にて。


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2 コメント

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いい写真ですねぇ・・ (numapy)
2013-03-19 08:15:04
いやぁ、何と素晴らしい!
タンチョウの優雅さの本質が撮影されてますね。
参りました。
でも、タンチョウはこんなに優雅に見えていて、
その実、気性は結構荒いですね。
オジロやオオワシと闘争を繰り広げてる。
そうそう、そう言えばつい先日、頭上20mをオジロが
悠々道路横断していきました。幸せです。
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まだまだ不満です。 (genyajin)
2013-03-20 10:21:17
実はタンチョウは真面目に撮影したことがないのです。いつも行きずりの連続で、落ち着いて観察もしていません。プロはもっともっと粘って、写真をものします。残念ながら、私の写真は、愚作です。ごまかしと言った方が当たっていると思います。もっと本腰を入れて写真にしなければなりません。当然ながら、修行不足です。
同様に、オジロやオオワシについても言えます。まともに写真が撮れていません。というより、あまりマメに出かけていないのです。もう少し、集中しなければと思っています。今年はもうダメですが、来年こそと思っています。もっとも体力が残っていればと言う話ですが。
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