男の子と思っていたら、実は女の子。性別を間違えたために全国的にその名を知られてしまったホッキョクグマの「ツヨシ」。彼女には何の責任はない。それだけに気の毒であり、気にかかる。釧路市動物園で、今どうしているのか。ツヨシの花嫁となるはずであった「クルミ」のもとには、すでに花婿候補の「デナリ」が3月31日に札幌円山動物園からやって来ている。このデナリはツヨシの実父。人間のなせる技はあまりにも複雑で皮肉だ。 . . . 本文を読む
一見すると、普通の冬景色である。しかし、これが4月27日の朝という但し書きがつけば、異常となる。春、真っ盛りのこの時期に30~40センチの積雪とはこれいかに。温暖化とか言われている中で、この現象は、たんに異常気象だけのことなのだろうか。この日のニュースでは世界中から変なニュースも次々に飛び込んでくる。春の珍事の連続。日本ばかりでなく、世界はどうかなってしまったらしい。 . . . 本文を読む
4月2日、千葉市の動物公園からアフリカハゲコウが逃走して話題となった。一見すると禿鷹のような不気味な頭と鋭い嘴をもつアフリカハゲコウ。しかし、性格はいたって大人しい。それでも逃げ出した鳥の捕獲には大勢の人が動員された。結局、72時間で自由な旅は終り、再び動物園に戻る。捕獲されたアフリカハゲコウの姿を見た時、サバンナで見た颯爽とした姿と、あまりにも違って見え、何か複雑な思いを感じざるを得なかった。 . . . 本文を読む
海の底から浮かび上がって生まれた釧路湿原。この湿原のベースとなっているのがピート層であることは意外に知られていない。泥炭とか草炭と呼ばれ、植物などの遺骸が石炭へ変質する初期段階のもの。一千年で十から十五センチの層ができると言われている。スコットランドでは昔からウィスキー(シングルモルト)のフレーバー造りに欠かせないものであった。北欧ではこのピートの有効利用の研究が進み、実績を上げている。 . . . 本文を読む
暖冬にすっかり油断していた心のすきを突くように、突然のドカ雪。北国の冬はやはり甘くない。人間の油断をあざ笑うように現れる。爆弾低気圧はまるでテロのように雪と突風を運んできた。こんな雪は五年ぶりという声もある。街を一変させた雪景色は、道東に裏日本のような風景を現出させた。今年はいつもの北海道の気候とは全然違う。混迷する日本の政治と同様に、一寸先も読めない。 . . . 本文を読む
今、釧路の街は突然のラッコ・フィーバーで沸いている。全国ネットのテレビや全国紙の一面を飾るニュースとして紹介された。市の中心を流れる釧路川、海への出口となる河口付近に架かる幣舞橋には連日、多くの人が一目見ようと押し寄せている。暗いニュースが多い昨今の世情を憂慮した神様が、癒しのプレゼントをくれたのかもしれない。この自然の小さな贈り物は、釧路の街に思わぬ効果も生み出している。 . . . 本文を読む
舌に沁みるようなオイリーなタール味、鼻をつくスモーキーピートの香り。刺激が口の中から喉へと流れる。シングルモルトは味合うほど深みを増していく。しかも、日によってテーストは変わる。きっと、心の動きが微妙に影響するせいなのだろう。不思議な酒である。だがこの良さは万人のものではない。誰でも良いと思うわけではない。誰にも媚を売らない佇まいがある。モルト愛好家の多くは、そこが好きなのである。 . . . 本文を読む
新年早々、衝撃的ニュースが世界に流れた。ウェッジウッドの経営破綻である。創業二百五十年。英国王室御用達というだけでなく、世界にその名を知られた陶磁器メーカーの名門であった。ジャスパーウェア、ポートランドの壺など独特の色合いと気品にひかれるファンは世界中にいる。その名門の破綻である。時代の大きなうねりは名門をも、ひと飲みにするかのようである。経済不況は確実に身近に迫りつつある。 . . . 本文を読む
いつものように、大晦日の次の日に元日があり、いつものように三が日が過ぎて行った。年中行事の大切なスタートである正月が今、終わろうとしている。正月を改めて振り返ってみると、その風景が昔とずいぶんと変わっていることに気付く。どんどん消えてしまったものもあれば、新しく生まれた風景も目にする。生活が変われば文化も変わるのは世の習い。はたして、これは良いことなのだろうか、それとも悪いことなのだろうか。 . . . 本文を読む
レアもののポートエレンが手に入った。アイラの懐かしい香りと味が染みる。この気分はシングルモルト好きにしかわからないかもしれない。ちょっと趣味に走りすぎるきらいはあるが、今日はシングルモルトについて語りたい。ブレンデッドとシングルモルトの違いが分からない人には全く無縁の話となるが、お許しいただきたい。歳末を迎えた道東の空から珍しく雪が降り続いている。雪に静まる夜のシングルモルトは絶品である。 . . . 本文を読む
11月26日(日本時間27日)に起きたインドのムンバイで勃発したテロは、死者195人、負傷者295人という大惨事となった。日本人にも死傷者が出ている。アメリカ人、イギリス人、ドイツ人、カナダ人、イスラエル人、イタリア人、タイ人、中国人、オーストリア人、シンガポール人と11カ国に及ぶ被害者を出している。すでに新聞やテレビでたくさんの報道が行われているので、事件の詳細については省略したい。
この事件 . . . 本文を読む
秋が深まり、山の木々が葉を落とし始める頃となると、湿原カラ現れるタンチョウの姿が見られるようになる。人家近くの各所に餌場が設置されるからである。夏の間、湿原の奥深くで子供を育てていたタンチョウたちは、少なくなった餌を補うために人家近くに姿を見せるのである。数年前に道東に戻って一番驚いたのが、街の中でもタンチョウを目にすることができるようになったことであった。標茶の街中でも見ることができる。四十年前 . . . 本文を読む
釧路のシンボルとしてその名を知られる幣舞橋。釧路十景の一つに数えられ、札幌の豊平橋(四代目)や旭川の旭橋(二代目、現存)とともに北海道の三大名橋となっている。釧路川の河口にあり、太平洋を遠くに望む風景は実に印象的である。特に夕陽が美しい。海と空を茜色に染める夕景は写真や絵画の素材として使われ、釧路の街中ではいたるところで目にすることができる。橋の全長は124メートル、幅は33.8メートル。釧路駅か . . . 本文を読む
釧路市のシンボルの一つでもある幣舞橋。その橋がよく見える高台の公園に一体の銅像が立っている。松浦武四郎の像である。彼の横には案内役のアイヌの人がいて、二人で一つの像となっている。松浦武四郎は北海道の人にとっては忘れられない人物である。幕末を迎えた弘化2年(1845年)を皮切りに、安政3年(1856年)、安政5年(1858年)と三度にわたり、北海道を探索。膨大な資料を政府に提供している。あまりにも正 . . . 本文を読む
阿寒国立公園を起点とする道東の各地には「摩周の伏流水」と呼ばれる湧き水がある。摩周湖に溜まった水が長い年月をかけて土壌を通り抜けて、ろ過された天然のミネラルウォーターとなって地表にでてきたものである。自然が生み出した大地の恵みを、昔から我々は手にしていた。近年となるまで、水は日本人にとっては空気と同じで、手軽に自然に手にすることができた。日本という国はまさに水に恵まれた国であったことがよくわかる。 . . . 本文を読む