コンセールのオレンジ味。

今年のゴールデンウィークの天気は良いようだ。カレンダーどおりにしか休めないので、ニュースから聞こえる１１連休という言葉を恨めしく思いながらも、晴れた休日を素直に喜びたい。芝生の上であてもなくのんびりしたいと思って出かけた北の丸公園は、飲酒を咎められたことを除けば最高だ。開放的だけど、勝手が許されない独特の空気。もしビールを飲むことが咎められなかったとしても、決して醜態を晒すような気にはなれない。飲酒できる自由があったとしても、その自由は決して酔うためのものではないはず。こっそり持ち込んだビールとＶＩＲＯＮで買ったサンドウィッチ、豚のリエットとピクルスは勿論旨いが、エシレのバターがしっかりと塗られたバゲットは昼の公園には最高のご馳走だろう。
その帰り道に、松屋の地下に寄っていつものようにパンを購入してフラフラしていると、コンセールの文字が見えた。以前、松屋に偶然出店していたコンセールで試食したオレンジケーキとママレードの味に驚かされてからは、その文字を見ると必ず購入していたし、手土産として持ち帰った実家でもわざわざ取り寄せてしまう位その美味しさには参った。今回もその文字を見て思わず「あ」と呟き、同行のＴＫＪにいかに美味しいかを熱心に語りながら、差し出された試食用の匙を口にした。やはり美味い。同行者も美味しいと思ってくれたようで小さいケーキとママレードのセットを購入するのを横目に見て、思わず自宅用に同じものを求めた。
会計をしながら、オレンジの味が甘さや柑橘類の酸味だけでは説明できないし、とにかく好きになったことを話していると「お客さんを連れて来てくれたり、取り寄せしてくれたりと本当に有難い」と厚意を預かった。それは以前から気にはなっていたけれど、なかなか手が出せなかった商品だったから、思わず相好を崩した。ママレードは角食か、それともバゲットにたっぷりと塗るのが良いか、そのまま食べるのも良いなぁなどと帰ってからのことばかり考えながら、大きくなった鞄を抱えて自転車で帰りを急いだ。