クリスマス商品が揃いました、という留守番電話があったことを思い出して、髪を切りに行くついでに、いつも立ち寄る店に顔を出した。雨が降っているとはいえ、やはり土曜日の午後だからお客さんの対応に忙しそうな様子を見て、来るタイミングを誤ったなと思いながら、ディスプレイされていたロバート・フランクの写真集を手にとってパラパラとやる。意外な商品だと思いながら、挟んである値札を見ると思っていたよりも随分と高い。どうやらクリスマス仕様になっているらしいが「これは高い」という顔で見知った店員を見ると、無言の笑顔が返ってきた。
パリに行った際、驚くほど混雑していたコレットで2冊の写真集を買った。決して珍しいものではないし、安いという訳でもなかったけれど、手にしてすぐに「ここで買わなければ」とサンプルだった最後の1冊を買い求めた。持ち帰ってから飽きずに何度も繰り返し眺めている。恐らく、帰国後に買ってもこれほど見なかっただろうし、恐らく買ってもいないはずだ。
写真集と古着の軍パン、蚤の市で買ったシングル盤が2枚、パリで買ったのはそれだけだ。自分でも想像以上に物欲が起こらないことに驚く。いつまで物欲が大人しくしているのか、クリスマスディスプレイを眺めながら心配と期待が入り混じる。複雑な気分だけれど、決して嫌いな季節ではない。
パリに行った際、驚くほど混雑していたコレットで2冊の写真集を買った。決して珍しいものではないし、安いという訳でもなかったけれど、手にしてすぐに「ここで買わなければ」とサンプルだった最後の1冊を買い求めた。持ち帰ってから飽きずに何度も繰り返し眺めている。恐らく、帰国後に買ってもこれほど見なかっただろうし、恐らく買ってもいないはずだ。
写真集と古着の軍パン、蚤の市で買ったシングル盤が2枚、パリで買ったのはそれだけだ。自分でも想像以上に物欲が起こらないことに驚く。いつまで物欲が大人しくしているのか、クリスマスディスプレイを眺めながら心配と期待が入り混じる。複雑な気分だけれど、決して嫌いな季節ではない。