楽々雑記

「楽しむ」と書いて「らく」と読むように日々の雑事を記録します。

ROSETTE

2011-07-27 23:45:50 | Weblog

明治記念館の「鶺鴒」で夕暮れの庭を眺めながらビールを飲んだ帰り道、赤坂御所を左手にダラダラとした坂を下りながら永田町の駅まで歩いた。涼しい夜風を心地よく感じた散歩の後、駅でカミさんが意外な拾い物をした。パーティーの来賓がつけるような立派なロゼット。カミさんは早速カバンに付けて上機嫌な様子だ。

紅白のリボンでしっかりとした作りのロゼット。何のパーティーで使われたのだろうかと想像を膨らませながら、かつて仕事で行かされた赤坂プリンスホテルの政治家のパーティーを思い出した。もう政治家のパーティーに行くこともないだろうし、赤坂プリンスホテルも無くなろうとしているけれど、青山一丁目から赤坂見附周辺のアップダウンは変わることもないし、青山から三宅坂までに至る246沿いは好きな「東京」であることに変わりはない。

ロゼットを見ていたら、カミさんが退職した日に「勲章」と称してロゼットを贈った記憶が頭に浮かんだ。この少し派手な赤色のロゼットがどうして永田町の駅に置き去りにされた理由が少し気になったが、上機嫌なカミさんを見て、お祝いのお裾分けをしてもらったような気になった。偶然は素直に喜ぶのが一番だ。

notting hill carnival

2011-06-22 22:54:06 | Weblog

初めて行った外国はイギリス。当時のジャズブームに影響されて行ったロンドンだったけれども、大した知識もないままに買ったレコードを今になって眺めては「今ならもっと良い買い物ができただろうに」とため息をつく。

先日、立ち寄ったレコードショップで「JAZZCATS」のフライヤーを見つけた。DJに見知った名前が並んでいる。サブタイトルに「NOTTING HILL CARNIVAL」とあるのも気になったから、土曜日の夜、久しぶりに桜丘のTheRoomに足を運んだ。

良い場所に良い音楽、いくつかの知っている顔があれば、酒も自ずと美味しくなる。すっかり気分がよくなって、気付けば、見知らぬ人からショットグラスが渡されていた。満員のフロアにできた小さなスペースでダンサーが高速のジャズに合わせて踊っているのを見ているうちに過去の記憶が蘇ってきた。あれから20年も経ったのに、大して進歩はしていない。

帰り際に会場で販売していたTシャツを買った。真っ白のTシャツを着るには少しだけ季節が早い。梅雨が明けたらこれを着てまた遊びに行きたい。それまでは、20年前に買ったレコードでも聴いて、ため息をついてみよう。


KEX choklad

2011-05-15 11:13:27 | Weblog

初めてイケアに行った。何を今更、という感じだけれど、晴れた休日に、ふと話に聞いていたホットドックとソフトクリームのことを思い出した。車を持つ近所の友人に連れて行ってもらいたいと頼んで湾岸線を東へ向かった。晴れた休日のドライブは久しぶりだ。快調に車は目的地を目指し、1時間余りで船橋に到着した。車は快適で便利だと思いながら、駐車場に留められた車の数に驚く。自分が車を買ったら、きっと迷惑な車が増えるだけだろう。購入意欲が湧いたわけではない。

想像以上に安い家具や生活雑貨が並ぶ。巨大なショールームで展示された品々を眺める家族連れにカップル、溢れる幸せと欲望と喧騒に疲れるが、フライドオニオンとピクルスを大盛りにしてホットドックを頬張り、やっと目的を達した充足感に浸る。結局、買ったのはカラフルなプラスチック製の留め具やら、密封袋といった細々した生活用品と食料品だけ。家具屋に来た理由を訊ねられたら答えに窮する買い物だ。

その晩に買ってきた菓子を食べた。友人と半分にしたけれど、翌朝も朝食代わりに食べたので、すぐに無くなってしまった。予想以上に美味い。欲しいと思うものは買ってしまったから、イケアに行く理由は、ホットドックとソフトクリームと菓子とスウェーデンビールということになる。そのために車を出してもらうのも忍びないが、友人も「美味い菓子だ」と言っていたのを聞き逃してはいない。

蓋物の中身

2011-05-03 11:08:50 | Weblog

連休だというのに体調が優れない。グズグズと過ごしている内に休日を消化してしまうのかと思っていたら益子の陶器市への誘いがあった。断る理由もないから、同行したい旨を返答したものの、混み合っている益子を想像して少しだけ不安な気持ちになった。

翌朝、早い時間に上野駅を発って到着した益子は想像以上に混み合っていた。いや、むしろ賑わいというべきか。駅で借りた自転車を降りて幾つかのテントを眺めた。いま、この場所にどれだけの陶器があるのかしら、と想像しながら、結局、目に付いた小さな蓋物を一つだけ買い求めた。

混雑する共販センター界隈を抜けて参考館へと向かう。前日から展示を再開したばかりだからか見学人も少ない。母屋の喫茶室で注文したコーヒーを待ちながら、ボンヤリと扉の外を眺める。部屋の中に入り込んでくる新緑を見て、以前に益子を訪れた時のことをやっと思い出した。

家に帰って買い求めた器を眺める。模様が素敵、小ぶりなのも良い、などと思いながら、何を入れようかと考えみたものの全く思い付かない。お土産に買った「赤羽まんぢう」を試しに入れてみる。縦にするとちょうど2つ収まった。しかし、入れ物に相応しくないことは明らかだ。お茶を淹れて「赤羽まんぢう」を口に放り込む。さて、空っぽになった蓋物に何を入れよう。

the neighborhood

2011-05-01 11:59:57 | Weblog

随分と前にはなるけれど、夏の夕方に仕事が終わってしまったのでコリドー街の「ロックフィッシュ」でハイボールを飲んで良い気分でエレベータを降りたら、同じビルの4階にあるバーの主人と出くわしたことがあった。営業前の早い時間だったとはいえ、少しだけ気恥しい気持ちで挨拶をして退散した。

その年の秋だったか、ある人から同じビルの1階にあるレストランを紹介された。初めて訪れた時は随分と酒が入っていたのと緊張であまり記憶が残っていないけれど、とても楽しかったことだけは覚えていたから、それからは何かにつけて寄り道をするようになっている。素敵な店が自分の行動範囲に加わるというのは、いつだって嬉しい。

少し困ったことがあるとすれば、行動範囲に好きな店が増えれば増えるだけ、どこで誰に出くわすか分からないという心配が増えることか。そんな心配を増やさないよう、近い内にご近所さんとして紹介しておかなければ、と思う。結果的に自分の酒量が増えることは予想されるけれど、それはそれで良い。