外出先からそのまま帰ることにした。まだまだ日も高い。さて、どこに行こうかと考えを巡らせる。山手線の外回りか、内回りかによってこの後の過ごし方が大きく変わってしまうから、ホームに立ったまま暫く考えて、先に到着した内回りの電車に乗り込んだ。品川駅を出て右手にいろいろな列車が並んでいるのを眺めるのは楽しい。田町駅の手前で右にカーブするときに見える機関車を見ようと窓の外を見ると、様子が違うことに気づいた。機関庫の扉は閉ざされ、1台の機関車もない。目の前を過ぎていく機関庫を目で追いながら、楽しみがひとつ減ってしまった以上の寂しさを覚えた。
先日、小学生の時に買ってもらった宮脇俊三の本を実家から持ち帰った。確か小学校高学年の時に買ってもらった記憶がある。装丁の青色の車体に白色の帯が入ったブルートレインももう無くなってしまった。今年の課題図書にしようと改めて読み返せば、無くなってしまった列車が多い。別にその列車に深い思い入れがあるわけではないけれども、この歳になって子どもの頃に夢中になったものが消えてなくなっていることに改めて気付かされた。自分が歳をとった以上に世の中が変わったのは間違いない。
山手線を浜松町で降りて、ほど近い「秋田屋」に向かった。日の高いうちから飲める機会などそう多くはないからと、高清水の冷に煮込みとダンゴを頼んだ。周りを見回すと随分と沢山の客がいる。焼き鳥の煙の向こうに楽しそうに語らっている人たちを眺めながら、子どもの頃には知らなかった楽しみもあるな、と思う。目の前のサーバーから注がれていくビールとチューハイも美味そうに思えてきたので、コップに残った酒を飲み干して勘定を済ませた。まだまだ日は高い。もう一度品川の車庫が見たくなってきた。
先日、小学生の時に買ってもらった宮脇俊三の本を実家から持ち帰った。確か小学校高学年の時に買ってもらった記憶がある。装丁の青色の車体に白色の帯が入ったブルートレインももう無くなってしまった。今年の課題図書にしようと改めて読み返せば、無くなってしまった列車が多い。別にその列車に深い思い入れがあるわけではないけれども、この歳になって子どもの頃に夢中になったものが消えてなくなっていることに改めて気付かされた。自分が歳をとった以上に世の中が変わったのは間違いない。
山手線を浜松町で降りて、ほど近い「秋田屋」に向かった。日の高いうちから飲める機会などそう多くはないからと、高清水の冷に煮込みとダンゴを頼んだ。周りを見回すと随分と沢山の客がいる。焼き鳥の煙の向こうに楽しそうに語らっている人たちを眺めながら、子どもの頃には知らなかった楽しみもあるな、と思う。目の前のサーバーから注がれていくビールとチューハイも美味そうに思えてきたので、コップに残った酒を飲み干して勘定を済ませた。まだまだ日は高い。もう一度品川の車庫が見たくなってきた。