楽々雑記

「楽しむ」と書いて「らく」と読むように日々の雑事を記録します。

土鍋の季節か。

2006-10-24 00:02:06 | Weblog
ポール・オースターの『ティンブクドゥ』面白かったと犬を見て思った。


土曜日の午後に京橋から銀座へと歩いた。明治製菓本社向かいのブラザーのビルの設計は前川國男だったよなあというような話をしながら銀座まではすぐの距離だ。新聞の催し物の欄にあったというこぎん刺を見に行くが少々おばさま方の作品披露のような感じ、クラフトというよりもホビーという感じで少々期待はずれか。午後の銀座通りの人通りは多いが歩行者天国は人の多さも紛らわせてくれてよい。

日々でやっていた「道具展」に向かう道すがら何匹もの犬を見た。いつのまに世の中にはこんなに犬が増えてしまったのかしらと思うくらいに犬が沢山つながれている。ラブラドルにプードル、セントバーナードなんていうのまでいるのだからさすがは銀座か。ちょっかい出せそうな犬に近づいては頭を撫でる。実家の犬は元気だろうか。

道具展はなかなか面白かった。いつもの企画展とは違っていろいろな種類の物が並んでいた。打ち出しのアルミ鍋に先日購入した京都きじの焼き網のほかにゴマ煎り器があったりお櫃やらホウロウのポットやら興味深い物が並んでいる中にあった土鍋に目が行く、そういえば去年も鍋を買おうと思ったがいざ買おうと思って店に行くとどうにも気に入ったものが見つからなかったことが頭に浮かんできた。そうなると目が行くだけではすまなくなってくる。

これで鍋ができて雑炊もできてうどんなんかもできて粥もつくれるなあ、ということをぶつくさと呟きながらしばらく店内のいろいろなものを見るとやはり気になるのがわかるのか店員さんもうまく言い訳を教授してくれる。先日私が店を訪れた際に興味をもった器と同じ作家のものであることや、器の値段とくらべると普段使いの土鍋はお買い得な価格であることを教えてくれ「これはよい買い物です」と締めくくった。

結局家への帰り道に荷物がひとつ増えていた。銀座から丸の内のアントニオにて軽くつまんでビールを飲み家に戻ってから土鍋の目止めを兼ねて粥を炊いた。今年は鍋を食べようと思いながら白い粥に家から送られてきた梅干を入れた。

ダンボールを漁る。

2006-10-23 00:05:45 | Weblog
日曜日も少しは寝坊します。


家事を済ませて久しぶりに富岡八幡へ行ってみることにする。また無駄な買い物をと思われるかもしれないが買おうと思って出かけるわけではないのでこの時点では買い物をするつもりなどは全くなく行って帰ってきたときに初めて「あぁ無駄な買い物をしたのでは」と思うのだ。自転車を準備して出かけるとまだ晴れ間も残っていて気持ちよい。

時間が遅かったからかしばらく来ていなかったからか少し小さくなっているような気がするし骨董を商っているような場所も減っている。別に買うつもりでやって来たわけではないから店が少なかろうと無かろうと何ら問題はないのだけれど見たかったものが見られないというのは寂しい。レコードを置いているガラクタ屋のような出店を2つ3つ覗いてサクサクとダンボールの中のレコードを眺めていくと7インチの箱の中にいくつかの買い物を見つけた。アポロ17号が月面に着陸したときの実況レコードとレアグルーブの定番、チャカチャス『ジャングル・フィーバー』の日本盤、2枚で500円。その他にもいくつか気になるものはあったのだけれど骨董市のレコードは総じて盤質が悪くひどい傷だらけで買い物にならなかったので見送る。少なくともこれらを買ったなら無駄な買い物と言われてもしょうがない。

そんな風にレコードを買いながらも明日からの仕事のことを思い出す。少し忙しくなりそうな気配が濃厚で今月のDJは休まなきゃならないなあと寂しく思いながら朝食の食パンなどを人間ドックの際にもらっていたバウチャーチケットで購入し自転車を走らせる。もっと時間が欲しい、やりたいことをするには足りなすぎる、と言うのはただの言い訳かもしれないけれどあれもこれもやりたいということが頭の先から足の先まで詰まっている。環境のせいにはできないけれどやはり変えようと思わなければ変わらない。あまり気負うのもどうかなという気持ちも少し持ちあわせながらそろそろ来年の年賀状を考えなければと思いつつ手許の資料をぺらぺらと捲る。

偶然の結果。

2006-10-22 20:37:23 | Weblog
相変わらずの感じですね。


目白から待ち合わせの池袋を経由して有楽町へ向かう。まずは国際フォーラムで開催されている「アイヌ文化展」を見に行く、昨日知ったようだ。アイヌの衣装の展示と文化の紹介といったものを眺める。刺繍や木彫りといったものの意匠が素晴らしく加えて色の置きにも感心させられる。どうしても沖縄の工芸と比べると注目される機会が少ないように思えるが北にも豊かな文化が存在していることに改めて気付かされる。知らないことばかりだ。

先日ポスタルコから案内状が届いていた。ChancePrintingという印刷機を発明したといいその実演があるという。案内状の冒頭にキケロが引用されている「世界を支配するのは、偶然性である」。京橋の古びた雑居ビルの4階に上がると既に人が集まっている。店に入るとスチールロッカーを改造したような大きなパチンコ台のようなものにインクが沢山付いているということは印刷機と言うのはあれのことだろうと思いながら眺めていると実演が始まった。以下案内状の文章が的確な表現なので引用する。

「まず、何個ものボールが、機械の最上段に置かれる。つぎに、ボールはインクに滑り落ちる。たっぷりインクの付いたボールはてんでんばらばらに下に置かれている紙に、しぶきをあげて落下。印刷されていく紙は、一枚ずつバラバラ。偶然によって生まれる。」こうやって書くと飛び跳ねたインクがべチャっと紙についているだけじゃないのかと思われると思うがそのとおり。しかし意外な結果を生む。それが切り取られてカードやメモパッドの表紙になった製品を見ると素晴らしい印刷機であるように思えてくるから不思議だ。

店の方にカードが沢山入った箱からお好きな一枚を引き抜いてくださいと言われ何も考えずに引き抜く。そして連れもまた同じように引き抜くと同じ地色で同じインクの配色のカードを引き抜いた。違うものを引き抜けばもうひとつ別のものが見られるのになあと思っていたりしていると店の方は「きっと同じ紙から作ったものですね、お二人が同じものを引くなんて偶然ですね」と嬉しそうに言う。これも何かの縁ということか、勿論私も偶然の存在を信じる、但し自分にとって幸せな偶然に限るのだが...。

今月の髪型。

2006-10-22 20:05:51 | Weblog
土日だけのことで結構書けます。


7時に目が覚めた。金曜日の夜に酒を飲んで佃大橋を渡りたくなって銀座から月島まで歩いてから帰ったのが午前2時過ぎだったから睡眠はとっていると思いながらも体はもう少し休みたいというので1時間半後に目覚ましをかけて二度寝にはいると2時間半が経ってから目が覚めた。髪を切る時間が迫っているので朝食もとらずに身支度をして家を出た。

良い天気の下を目白へ向かう。以前に書いた目白通り沿いの「ナポリ」というハンバーグ屋のシャッターはやはり下りたままだ。先月も閉まっていたので先日webで調べてみると5月下旬に閉まったらしいという情報があったがそれもきっと事実のようだ。また行こうと思っているうちに無くなってしまうことは今までに何度もあったがそうした出来事がもう一つ増えたということになる。自分の行動力の不足を感じながら目白通いをもう少し先に行ったつけ麺屋の前にいつも並ぶ人たちを横目で見て美容院への角を曲がる。

いつも「今日はどうしましょうか」ということになるのだけれど正直なところああしたいこうしたいというのは無いので答えられるのは「長め」「短め」「いつものとおり」という言葉の組み合わせで答えるだけだ。今日はどうしましょう、先月は短くお願いしたので今月は「前回よりは少し長めで」とお願いする。大体こういうお願いであまり変な髪形にされることはない。長い間同じところで髪を切るというのはこういう感覚の共有ができるのが何よりもありがたい。

いつもならば簡単に仕上げてくれるのだが何故かブラシがいつもと違う方向に動いている。前が上がり始めたなと思っているといつもは使うことのないスプレーまで使い始めた。一握の不安を覚えたがそのままお任せする。感覚が共有されているから大丈夫なはずだ。仕上がった髪を眺める、いつも寝ているはずの髪が上がっている「いかがですか」と確認の声をかけられた。勿論こういうときは思ったことを言うべきだ「ありがとうございます」。お互い感覚を長年共有しているのだから間違いはないはずだ。

ラジオのテープ。

2006-10-19 23:59:09 | Weblog
やはり頭悪いなあと思います。


ここ数日家に帰ると同じCDをプレイヤーに入れている。この間もチラと書いたがドゥーピーズの新しいCDだ。3曲入りのEPだけれどもそれを繰り返し聴いている。BeautyRoomを繰り返し聴いていると書いていたがそれはどうなっているのだと問われれば返す言葉もない。きっと今聴いているCDも新しい音楽にとって変わられるのは間違いないがとにかく繰り返し聴いている。聴くたびにヤン富田はすごいなあと思うのだけれどもそう書くのも適切じゃないのかもしれないという感じも同時にしてしまう。が、やはり書いてしまう。ドゥーピーズは素敵だ。

未だにラジオを録音したテープをたまに引っ張り出す。渡辺満里奈がやっていたFM東京の「マリナ・イン・モーション」という番組。スチャダラやら小西康陽氏だったりUFOだったりというゲストに荏開津さんが選曲をして構成は川勝さんというとても15年前の東京「らしい」番組にヤンさんも出ていた。ヤンさんの回もよく聴くのだけれどそれ以上によく聴いてしまうのはスカパラの青木さんの出演していた回のテープ。センチメンタルな意味はどこにもないのだけれど何だかたまに聴きたくなりテープの束から引っ張り出す。

野菜は食べないけれど果物は大好き、という英国人のDJの言葉を引いて「coolとは?」という言葉を説明している「野菜は好きじゃないけれど、果物はcoolだぜ」 coolって好きっていうことと同義だと。決してカッコよくなくてもcoolはあるのかもなどと思う。何で今こんなことを思うのかわからないけれどcoolでいたいなあとは常々思う。