楽々雑記

「楽しむ」と書いて「らく」と読むように日々の雑事を記録します。

行列のできる店。

2008-04-01 00:21:25 | 食べもの。
仕事場から少し歩いたところに、いつも行列ができている店がある。店の構えの感じも良く、外から覗いた感じだと、おそらく10人ちょっと入れるかどうかというイタリアンの店。近くに行列ができる店は他にもあるけれども行列の様子が他と違う。気にはなりながら限られた昼休みを行列に費やすのもどうかと思って、いつも通り過ぎていた。横目で看板を見ると、サラダにパスタ、コーヒーか紅茶、エスプレッソがついてくるようだ。よくある組み合わせだけれど、この辺りではあまり見かけない。なぜ行列ができるのか、少し興味が湧いていた。
良く晴れた日にその店を通りかかると、やはりいつものように行列ができていた。いつもだったら通り過ぎてしまうところなのだけれど、暖かく晴れた日だったからか、ちょうど文庫本を持って外に出たからかわからないけれど、並んでみようと思い立つ。並びながら店の中を覗いた。暫く掛かるだろうと思いながら持ってきた文庫のページを捲る。大分時間が経っただろうというときに漸く店の扉が開いた。席に付くと隣のテーブルにいる若い女性の三人組みがダラダラと過ごしている。外の行列が見えないフリをしているのか、それとも話に夢中なのかわからないけれども、状況が読めないということに腹を立ててしまうのは、やはり歳をとったということなのだろうか。ゆっくりと食事をするというのは時間の問題ではないし、美味しい食事と空気を少しでも多くの人に供したいという店の意思を無視していることに気付かないのだろうかと独り憤る。しっかりとしたボリュームのサラダが出てから30分とかけずに食後のエスプレッソを飲み終えた。
その日の夜の営業の開始と同時にもう一度その店を訪れた。既にテーブルは予約で埋まっていると言われたが、一杯飲みたい旨と伝えると端のテーブルを案内された。注文した塩味の牛胃の煮込みを一口食べる。これは一杯では済まないだろうなと思う味。大げさではないけれど、確りとした味。ボトルで飲んでも良かったかと思いながらグラスを傾けてしばらく経ったころ、ほろ酔いのグループが店内を覗き込んだ。そろそろ潮時かとグラスを空けて席を立つ。昼間は月曜日か火曜日、雨の日は行列が少ないという。近いうちにまた来よう、昼も良いが、やはりゆっくりと飲める夜にまた来よう。

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