９月のビアガーデン。

９月に入ったというのに暑い。月が変われば涼しくなるだろうと期待していただけに、一層暑く感じる。お彼岸はまだ先だから、また暫くこの暑さを我慢しなければならないかと思うとうんざりしてくる。お彼岸まで、といったところで「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉を信じているだけだから、また彼岸過ぎにガッカリするかもしれない。
暑さをやり過ごすために飲むわけではないけれども、夏の暑さもそろそろ過ぎていって欲しいという願いを込めるためにビアガーデンに向かった。９月を過ぎると開いているビアガーデンも少なくなる。いくつか探していると山の上ホテルのビアガーデンが週末までということを知った。早速予約して仕事帰りに神保町で下車する。ＪＲ御茶ノ水駅から向かうのではなく、神保町の古書店街の裏道を抜けて錦華公園の横の坂を上るルートをとる。かつて池波正太郎が好んだルートと知ったのがきっかけだけれど、今ではすっかり変わった御茶ノ水の街を見ずに山の上に到着できるルートはお気に入りだ。
冷たいジョッキと文庫本を持ちながら相方とその友人を待つ。こじんまりしたビアガーデン、ガーデンとはいえ結婚式会場のようで高い天井が気持ちよい。程なく到着した相方たちと楽しく話し、飲む。早めの暑気払いをした７月の九段会館ビアガーデンを思い出しながら、９月に飲むビールもやはり美味いと思う。数杯重ねたところで回りを見回すと人もまばらだ。２１時閉店、ビアガーデンは終わりが早いのもまた良いのかもしれない。
来た道を戻る。まだまだ暑さは残っているけれど、じきに涼しくなるだろうし、そう思う頃には寒さが近くまでやってくるのは毎年の繰り返しだと思いながら、来年はどのビアガーデンに行けるのだろうかと暑い中で飲むビールの美味さを思い出して残り少ない夏を惜しんだ。