年忘れ

あとから振り返っても、やはり飲んでおりましたね。いい年越しでした。


年忘れをしようと思い立ち、日本酒を下げて出かける。休みに向けて年賀状を書き終え、大掃除も終え、ポチ袋とお年玉用の両替も済ませ、新年を迎える準備は万端。あとは今年を忘れるのみと意気揚々と家を出る。

年末の街は、ごった返しているが、知ったことではない。こちらは年を忘れてやるのだ。年忘れをするべく寿司やらつまみを買い込む。その途中、「南よし」という大衆酒場にて串が焼きあがるまでに牛すじ煮込みで一杯。うまい。

気分良く店を出ると、おばちゃんが後ろから追いかけてくる。どうも帽子を忘れたようだ。例の帽子。酒よりも、一杯飲む＞帽子を忘れる＞おばちゃんが帽子を片手に追いかけてくる、という流れに満足。絵に描いたよう。

美味しく飲んで、食べてすっかり年忘れ。年も時間も全て忘れて想いのままに過ごす。幸せ...今年もこうして終わる。来年もこうして過ごせると良いのだけど...。

作成上の注意

油断するとよくないな。寝坊だ。


しまった、１１時に起床。ようやく年賀状の仕上げにかかる。それぞれの年賀状の余白に一筆書くだけだけど、これが案外難しい。

全て書き終わってから、気付いた。『あけましておめでとう』という文句を忘れていた。でがでかと版画で

『賀正』

と摺ったからすっかり油断していた。あけましておめでとう、というのは非常に便利な文句だ。来年は間違えないようにせねばなるまい。この文句を忘れたお陰で、奇妙な文章が続出していることを感じつつも、自転車で楽しく東京中央郵便局へ...。投函前に読み直した、そして気付く。

○○さん宛の年賀状に「○○を見習って、がんばりましょう」とある。

これでは、誰ががんばるのかさっぱりわからない（正しくは「・・・がんばります」）。○○が気付かないことを祈りつつ、中央郵便局のポストに投函した。


年末の生け花の花材の残りをコップに挿す。正月も間近。

なるほど。

プッシュトークって「ラジオライフ」な匂いがするね。


「なるほど」と良く相槌を打つ。「なるほど」という言葉、いつしか覚えていた。「はい」というほど変な強さもなく、「うん」というほどくだけていない。何よりもわかったような感じにさせてくれる言葉だ（実は分かっていないことも多い）。ずっとこの言葉は単品で「なるほど」というように使うものだと思っていた。

最近、部署が変わって金融関係の方々とお話しする機会が多い。彼らももちろん「はい」でも「うん」でもなくやはり「なるほど」を愛用だ。しかし、使い方が違う。

「なるほど、ですね」

おかしい。これを聞いて連想するのは、かつて一世を風靡した「ナイスですねー」というやつだ。育ちがいいのか、丁寧さの演出なのか分からないが、各社申し合わせたように「なるほどですね」と言う。

ごめんなさい。私は「ほぅ」「なるほど」はこれからも変えずに使わせていただきます。

では、今年も業務終了。

あぁ難しい。

靴下には何もなかった。


年賀状を摺る。絵の具は濃いとベタつくし、薄いとクッキリと出ない。難しいけど、濃い目で作業を進める。ひと通り摺り終わってから眺めて気付く。

濃すぎた。

こうなってはしょうがない。年賀状は乾かしておいて、買い物に出かける。レコードやら食材を買い込み、時間を稼いで帰宅するも、やはり乾いていない。・・・しょうがない。生活に支障を来たすので、ハガキを重ねる。

ハガキはインクでくっつくわ、宛名の面は汚れるわ、昨年の二の舞。

汚れた年賀状には、そんな訳があります...。今日は宛名書きまで。あぁ道のりは長い。

サンタとの縁

良い犬が描けた気がします。あとは摺るのです。


クリスマス・イブ。起きてラジオをつければそんな世の中の空気が部屋に流れる。朝っぱらから...。

今日は年賀状の版下を作る。絵を描いて、文字を書いて、版木に写して彫っていく。そんな作業の中で流れるラジオ。どうも世の中浮かれているみたいだけど、黙々と作業。案外楽しい。気がつけば日が暮れてきたので、ちょっと小さい帽子を被って出かける。人並みに鶏肉でも食べよう。

銀座の街は、ビックリするくらいのクリスマスムード。そんな楽しい空気を肌で感じながら、鶏肉とサラダ、バゲットを買って家でサンタクロースを待つことにする。来いよ、良い子にしているから。何なら今日買った焼酎でも出しましょう。

とりあえず先に独りでやってます。メリークリスマス。

皆さんも良いクリスマスを、ピース。