大和心眼ーヤマトシンガンー

情報操作、捏造、隠蔽に騙されるな!茹でガエルにならない方法

宮崎駿監督作品『風立ちぬ』を見て思う。国民が思いだす『日本人の精神』が描かれています。

2013-09-11 10:19:04 | 日本国の文化&ルーツ
こんにちは!毎回、日本のウラ事情というべき、マスコミが取り上げることができない情報をこのブログでは、取り上げてきました。こういうダークサイドな情報を読んでいる方々は、精神的に疲れることが多いと思います。

というわけで、今回は、大ヒット中の映画、宮崎駿監督作品『風立ちぬ』を見て、思うことを取り上げてみます。

『風立ちぬ』予告編



まさに快進撃で、子供を対象とするファンタジーではないアニメですが、公開から動員数も伸び続け、絶妙なタイミングでの引退報道の効果もあり、さらに成績がアップするのでしょう。
私が見たのは、先週でしたが、家族連れで鑑賞される方が多かった傾向です。

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2日に発表された8月31日、9月1日の映画観客動員ランキング(興行通信社 調べ)によると、約30万4600人を動員した宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」が7週連続で首位を獲得。累計では、動員約714万人、興行収入約88億円 を記録している。同作は第70回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されており、現地での会見で宮崎監督の引退が発表され、最後の長編作品となることから今後さらに成績の伸びが予想されている。
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http://mantan-web.jp/2013/09/03/20130903dog00m200013000c.html


さて、毎度のこと、日本を代表する監督でも、公開されると批評に晒されるのは当然のこと。この批評が沸き起こることでも、その作品が人気かどうかのバロメーターにもなります。棒にも、箸にも引っ掛からない作品は、批評すらされませんから。宮崎作品は、すでにブランド化されているので、内容に関わらず見てしまうという人も多いと思いますが、鑑賞と同時に論評を読むことで、深い理解がえられると思います。

まだ見ていない人は、少し注意して論評を見てほしいのですが、「大絶賛の評価」と「わからない、つまらないの評価」で両極端に2分されている傾向のようです。

ーーーーネタバレ注意で見てください!ーーーーーー

★好評価:町山智浩 風立ちぬ 評価 「あのシーン,人物,声優の意味」



★低評価:宮台真司は 「風立ちぬ」 をどう見た?



お前はどうなんだ!ということですが。私はどうだったかというと、大絶賛の立場です。これが最後の遺作になるのではないかと思ってましたが、まさにそうなってしまいました。

この作品は、宮崎駿の趣味的な連載を長編映画にしてしまったもの。本来映画化されない予定だったそうですが、鈴木プロデューサーの説得もあり、混沌とした時代へ向かう次の世代のメッセージ性も込めて、監督の頭の中での妄想が写実化されました。

ここで、妄想としていますが、このストーリーは、堀越二郎の人生の史実とは関係ない話しであり、宮崎駿の頭の中でつくりだしたイメージ像が淡々と描かれていきます。しかし、堀越二郎の設計者としての生き方を描くだけでは、ドラマがありません。そこで、昭和の純粋な文学の『美』を追求した作家、堀辰雄の小説『風立ちぬ』のストーリーを重ね合わせ、奥深いテーマ性を持たせています。それが最初の冒頭で映し出される<Le vent se leve、il faut tenter de vivre.>、<風立ちぬ、いざ生きめやも>という、堀辰雄による『風立ちぬ』の題辞(エピグラフ)の文字です。

http://www.yyss.info/mei/hori/

この作品は、ものづくり職人の美の追求(内面性)とその背後にある強い精神性(生き方)を表現したものであり、理想を追い求めるプラスの表現で綴られています。そういった意味で、あえてマイナス面を出さないことで、『美』を表現し、時代的背景の重ね合わせた二人の生き様から『強く生きていけ!』というメッセージが伝わってきます。

私は、主人公像においては、監督のそのものの内面を表現していると思いました。クリエイターは、いつも何かを心の中で創造し、妄想しているし、その妄想が現実とのギャップもあり、言葉で表現できない自己矛盾も抱えていると思います。
そういう矛盾を抱えながらも、時代の風に立ち向かっていく『強さ』&『美しさ』を表現したかったのでは。

つまらないという人は、わからないわけではありません。なぜならば、主人公の空想場面も多く、感情を言葉で表現する幼稚な方法もとっていません。だから、細かい描写や時代背景から、自ら『感じる』『気づく』ということが出来ない人には、つまらないと思います。また、ハリウッドストーリーのように、最初から起承転結を想定した、無理にでも感動させる構成ではなく、トントンと進んでいくストーリーですので、最新の映画、アニメに慣れ親しんでいる若者には、苦手な人が多いかも知れません。

それでも、見ていただきたいと思います。
それは、人それぞれの何かしらの『気づき』があると思うからです。
『日本人の精神』の琴線に触れると思うからです。

宮崎監督は、映画に着手し始めていた時期に刊行した『本へのとびら』の中で、次のようなことを述べています。
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<今ファンタジーを僕らはつくれません。子どもたちが楽しみに観(み)るような、そういう幸せな映画を当面つくれないと思っています。
 風が吹き始めた時代の入り口で、幸せな映画をつくろうとしても、どうも嘘くさくなってだめなんです。二一世紀が本当に幕をあけたんですね。僕はそれから目をそらさないようにするので、せいいっぱいです。>
 多くの大人に観てほしい映画です。
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シリアへの攻撃も始まりそうで、戦争好きの人々が、世界を混乱へ導きたいという大きな流れがあります。日本も巻き込まれるかどうかわかりませんが、そういう大きな波がはじまる前に、ぜひ見ておきたい作品として、オススメします。

そうそう、実写版として作成してくれた人がいました。
よくできていますので、これも参考までに見られると良いと思います。
(鑑賞後のほうが納得できるかな)

それでは、また!

【ジブリ新作】実写映像で観る『風立ちぬ』




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