大和心眼ーヤマトシンガンー

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「もし、日本という国がなかったら」あなたは、どうしますか?

2012-05-02 22:27:34 | 日本国の文化&ルーツ
こんにちは、千里です。

今日は、ぜひ読んでいただきたい良書を
紹介します。


ロジャー・パルバースさんの「もし、日本という国がなかったら」
という本です。



ロジャーさんは、1967年に日本の地を踏んで以来、
半世紀を日本で過ごし、日本の各地を旅をしながら、
様々な日本の文化を学び、研究し独自の世界感で、
作家、劇作家、演出などを手がけるクリエイターです。

代表的なものとして、「戦場のメリークリスマス」で助監督
を務めたり、宮沢賢治の作品の英訳などにも携わり、2008年には
18回宮澤賢治賞を受賞された文化人です。


私が、これを読んで驚いたのは、日本人よりも、日本人の感性を
理解されていて、それが今後の世界遺産、希望の光になるという
ことを提言しているからです。

私たち日本人は、ここ何十年かのデフレ経済の影響下で、
大人をはじめ、若者、学生までが先行きが見えず、
悲観的に感じている人が多いと思います。


しかし、著者のロジャー・パルバースさんは、実は、
そうではないことをしっかりこの本で教えてくれます。
ここでは、その中から3点ほど取り上げてみましょう。



その1、あらゆる階級に行きわたる礼儀正しさ

これは、言われてみれば確かにそうですね。
私が住んでいるマンションの清掃スタッフの方は、
毎朝あいさつをしてくれます。
また、ゴミ出しのタイミングが遅れてしまい、
清掃車がいってしまったあとのゴミなども、
「保管しておいてあげる」といって、返却された
ことは一度もありません。
まあ、管理人によっては、違うかもしれませんが、
大方親切な方が多いと思います。

しかし、著者によると、ほとんどの国では、
階級によって礼儀正さの程度が違うといいます。
礼儀が正しいのは、上の人にきちんとした態度を
とる時だけが多いようです。

つまり、相手を思う、慈しみの心、思いやりの心が
あまりないのかもしれませんね。
すべてが自分中心で廻っていると考えていて、損得でしか
モノゴトを見られないのかもしれません。

しかし、日本人は、先祖代々、自然や自分の周囲のものから
生かされていると考える人が多く、また、そういう
風土、文化で育った民族なので、当然階級が違っても、本根は
変わらないでしょう。こういう素質は、確かに平和づくりの
土台になる倫理観かもしれませんね。



その2、宮澤賢治が示す、日本人の愛他精神

著者のロジャー・パルバースさんは、宮澤賢治の題材にした
執筆活動をされ、生前宮澤賢治さんの弟さんとも交流があったと
いう研究家です。

このため、震災でみた被害者たちの無私の心は、
賢治の「雨ニモマケズ」に重なったということです。
他人のための自己犠牲の精神をテーマにした詩は、
最も人気があります。

そして、人気がある理由は、311の惨事で明らかに
なりました。

自分の悲しみを、愛する人を失ったほかの人々への
同情と慈悲に変えたことで、日本人の中の不屈の精神を
みたようです。

このような無私の心は、何か緊急事態が発生した時に
その人の振る舞い方でわかりますが、多くの日本人が
そういう愛他精神を持っています。

震災のTVドキュメントでみましたが、自分が被災しても、
外国から旅行にきていたドイツ人の家族をいたわり、
なんとか交通手段を手配し、ドイツ本国まで帰らせて
命を救った青年のドキュメントがやっていました。
こういう自分が困っている時でも、相手を気づかい
支援する姿勢は、他の国ではありえないのかもしれません。

こういう愛他精神は、まさに世界が必要としている
精神なのかもしれませんね。




その3、再デザイン能力とオリジナリティー


「日本には、オリジナリティがないです」という人は、
確かに多いですね。本文の中でも、冒頭で事例をあげて
いますが、著者はそういう人に対して、猛然と反論して
いるようです。

私も同感です。日本が、他国のモノまねだけの国であったなら、
世界の中でのGDP No3の国になるはずがありませんね。

また、モノまねだけで作った場合、基礎ができてないため、
継続した発展、成長はありません。

例えば、マレーシアが発注したペトロナスツインタワーは、
ツインのため、ひとつは、日本に、もうひとつは韓国に
別々に依頼しました。韓国は、詳細設計図がないため、
日本の真似をして建築しましたが、すでに韓国建築のタワーは
傾きだしており、賃貸者がつかない状況になっているようです。

日本が外国文化を吸収する場合、単なるモノマネではなく、
外国の文化を学び、深く親しみ、ある一定の過渡期をへて、
ふたたび表面にでる時には、日本固有のものに変身している
ということです。

つまり、「序→破→離」の考え方ですね。

このように、日本は吸収したあとに現れるので、
タイムラグがありますが、独自化に成功した場合は、
独自の世界観で広がっていきます。


さて、このように日本人の独自の生活様式や考え方は、
世界に貢献できる普遍的な価値があるといいます。


日本文化、態度、人間関係、ものの考え方、創造的手法
など21世紀の世界が抱える問題に対して、具合的な
解決策を提供できる唯一の国であるようです。

もし、そうであるならば世界平和のために、
日本人自身がもっと日本のことを知って、理解しなければ
なりませんね。


そして、その日本の種を、世界に植えていかなければ
なりません。

日本人の使命は、あなたが思っているよりも、
もっと大きいのだと思います。

それでは、また。


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