うどんの研究 連載中
(31)酒と人気のおかず
立ち飲みの始まり
「角打ち」とは 1/2 new
もうひとつ、いま若者の間
でも流行している立ち飲み
屋のルーツといえる「角打
(かくう)ち」は、四角い升
の角に口をつけて酒を飲む
こと、居酒屋の片隅で升で
酒を直接飲むこと、酒屋の
店の一角を仕切って立ち飲
みコーナーをつくり、そこ
で飲ませることをいいます
。 もちろん酒屋買った酒
をその場で飲むことができ
ます。
(次回に続く)
今時の居酒屋人気おかず
2/2 new
「明太子の天ぷら」まず天
ぷらのころもは、ボウルに
卵を割り入れて、冷水を加
えて全体をよく混ぜ合わせ
、薄力粉を加えてささっと
つつくように混ぜ合わせる
。 明太子にころもをつけ
て高温の揚げ油でからっと
揚げる。「ちくわの磯辺揚
げ」ちくわは食べやすい大
きさの斜め切りに。 薄力
粉と水を合わせてころもを
つくり、青のりを加えて、
ちくわに絡ませて、高温の
揚げ油で短時間で揚げて、
油気をしっかりときる。
(次回に続く)
今時の居酒屋人気おかず
1/2 new
居酒屋でなんといっても食
べたくなるのは揚げ物です
。「ささ身梅かつ」ささ身
は筋を取って厚い部分を切
って開き、市販のねり梅を
ぬって挟んで、小麦粉、溶
き卵、パン粉の順にころも
をつけて、中温でころがし
ながら揚げ、油をきって食
べやすく切る。「チーズ揚
げ」ワンタンの皮を用意し
て、皮で包める大きさにプ
ロセスチーズを棒状に切っ
て、ワンタンの皮に包んで
端を水でとめる。 中温の
揚げ油で軽く色が変わるま
で揚げて油をきり、軽く塩
、粗びきこしょうをふる。
(次回に続く)
江戸の酒場「煮売酒屋」
4/4
その時分の居酒屋のルール
は長居をしないのが鉄則で
「祭りの酒は底つきるまで
、ふだんの酒は正二合」祭
りの時は酒がなくなるまで
、いつもは徳利2本という意
味ですが、昨今、長居する
人が多い居酒屋に耳が痛い
かもしれませんが、原点を
思い起こさせてくれること
わざです。
(次回に続く)
江戸の酒場「煮売酒屋」
3/4
文字通りこれは火事がおこ
るのを避けるためのもので
「居ながらの煮売りは支障
ない」とつけ加えています。
居ながらの煮売り、つまり
簡単にいうと腰かけて酒を
商いすることを「居酒」。
この煮売酒屋で居酒させる
のが、居酒屋のルーツとみ
られています。 おかずに
は、おもに煮しめ、おでん
、煮豆などが供され、看板
には「すいもの、煮魚、鍋
焼き」の文字が表されてい
たようです。
(次回に続く)
江戸の酒場「煮売酒屋」
2/4
煮売(にうり)酒屋には、
鍋や七輪(土製のコンロ)
、食器などを担いで商い
をする人、屋台を引いて売
り歩く人、また店を開いて
商う人がいたといいますが
、この後17世紀後半には、
火を持ち歩く商いについて、
幕府からの禁令があり「う
どん、そば、そのほか火を
持ち歩く商売はいっさいし
てはならない」というおふ
れが出てだんだん衰退して
いく。
(次回に続く)
江戸の酒場「煮売酒屋」
1/4
居酒屋という名は、江戸の風
俗に精通していた三田村鳶魚
(えんぎょ)によると「元禄
頃(1688-1704)でも居酒屋
というのは、まだなかった。
寛政頃(1789-1801)には居
酒屋は『煮売酒屋』と呼ばれ
、なかなか繁盛していた」と
いっています。
(次回に続く)
(30)麩のはなし
「麩のみそ汁」 new
昭和の我が家の食卓にのぼ
っていたみそ汁に「麩のみ
そ汁」があります。小町麩
はもどしてしっかり水気を
きった後にかつおぶしで取
っただし汁、田舎みそを合
わせて小町麩を合わせて、
小口切りのねぎを浮かべる。
これもみそ汁に小町麩がよ
くしみてたまらなくおいし
い。
(次回に続く)
「麩」昭和の味 2/2
「おかめそば」の具材とし
て、なくてはならないのが
、観世麩。かまぼこ、しい
たけ煮、薄めに切った卵焼
き、青菜、観世麩がのった
「おかめそば」ですが、つ
ゆがじゅっとしみた観世麩
が何ともおいしく、「多め
に観世麩を入れてほしい」
とよく蕎麦屋にリクエスト
したものです。ちなみに観
世麩は、焼き麩の一種で「
なると」のように「の」の
字を書いたような渦巻き状
の模様があり、北海道の一
部ではラーメンの中に、な
るとの代わりに観世麩が浮
いていることもあるそうな。
(次回に続く)
「麩」昭和の味 1/2
「小町麩と桜えびの卵とじ
」小ぶりな小町麩は水でも
どしてよく水気を絞り、ね
ぎは小口切りに、桜えびは
あれば釜揚げ、なければ乾
燥したものでもよいので用
意する。かつおぶしで取っ
ただし汁に、酒、みりん、
しょうゆを加えて桜えび、
小町麩、ねぎを加えて煮立
て、溶き卵を加えて全体を
軽くかきまわし、卵が半熟
のうちに火を止める。
(次回に続く)
麩を使った各地の味
6/6
沖縄の「麩チャンプルー」
は、車麩をもどして、食べ
やすい大きさに手でちぎっ
て水気を絞る。卵を溶いて
塩少々を加えて、ちぎった
車麩を卵液に絡める。にら
は 4㎝長さに切り、もやし
は洗って水気をきる。フラ
イパンにサラダ油を熱して
強火で卵液を絡めた車麩を
炒めていったん皿に取り出
す。サラダ油を加えてもや
し、にらを入れて炒めて、
塩、こしょうをふって、車
麩をもどし入れてさらに炒
め、しょうゆで味を調える。
(次回に続く)
麩を使った各地の味
5/6
材料を「じぶじぶ」煎りつ
けるようにゆったりと煮る
ところからその名があると
か、鴨肉など野生の肉を使
うところから、フランス料
理のジビエの名が変化した
という説もあります。
(次回に続く)
麩を使った各地の味
4/6
金沢の「じぶ煮」は、鴨肉
(あるいは鶏もも肉)をそ
ぎ切りにした後に小麦粉を
まぶし、だし汁にしょうゆ
、砂糖、みりん、酒を合わ
せた煮汁で鴨肉、金沢名産
の「すだれ麩」、しいたけ
、青菜を煮る。鴨肉にまぶ
した小麦粉が肉のうま味を
閉じ込めるとともに、煮汁
にとろみをつけ、器に移し
た後にわさびを添える。
(次回に続く)
麩を使った各地の味
3/6
しかし福島といっても、地
域により具材はさまざまの
ようです。多くの具材が入
る「こづゆ」は、正月や冠
婚葬祭などの特別な日には
欠かせない、もてなしの料
理で、諸説ありますが、材
料の数は縁起がよい奇数が
好まれていると。
(次回に続く)
麩を使った各地の味
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福島の「こづゆ」は、帆立
の貝柱でだしを取って、ほ
ぐした貝柱とともに加え、
かつおぶしで取っただし、
干ししいたけのもどし汁な
どを合わせて沸騰させ、5
㎜くらいの大きさに切り揃
えた里芋、にんじん、もど
してちぎったきくらげ、3㎝
くらいに切った糸こんにゃ
くなどを加えて塩、酒、し
ょうゆで味を調え、豆麩を
加えてひと煮立ちさせて、
独特の赤色の「こづゆ碗」
によそい、、季節の青菜を
ゆでた物、おろししょうが
を添えます。
(次回に続く)
麩を使った各地の味
1/6
麩のおもな材料は小麦グル
テンです。小麦粉と水を練
り合わせ、でん粉を何度も
水で洗い流して分離させ、
残ったたんぱく質を使用し
た弾力性のある粘り気のあ
る食べ物です。つくり方は
実にシンプルですが、なか
なか手間のかかる工程が続
きます。この生地をいろい
ろな形に成形して、焼いた
車麩、板麩、小町麩、観世
麩、丁子麩。生のすだれ麩
や生麩など、ご当地の麩が
存在していて、それぞれ特
徴のある食べ方があります。
(次回に続く)
麩の来た道 4/4 new
下って明治時代に入ってか
らは、現在のような焼き麩
がつくられるようになって
、外にあっては「すきやき
」。家庭では「みそ汁」や
「煮物」、「酢の物」など
の材料に麩が使われるよう
になり、国内産の精白小麦
の生産も活発になったとこ
ろから、麩を扱う各地の業
者も次第に増えていったと
いう。
(次回に続く)
麩の来た道 3/4
江戸時代以降は、寺院から
門外不出だった麩が上方か
ら全国に広まっていく。江
戸と並び情報が集まるこの
地から、修行僧によって麩
の製法が各地に伝えられ、
その土地の気候や風土に合
わせた製法で、麩がつくら
れるようになります。また
、幕府が西洋の小麦とその
生産法を取り入れ、生産を
始めたこと、開港とともに
精白小麦粉が日本に入るよ
うになります。
(次回に続く)
麩の来た道 2/4
穀類や野菜を中心とした精
進料理、なぜ麩が食材のひ
とつとして用いられたかと
いえば、動物性食材が禁じ
られていたからで、禅僧に
とって麩は、肉、魚などの
代わりになる貴重なたんぱ
く源なのでした。
(次回に続く)
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