飲食居抜きソムリエ  山田 茂  飲食を辞める始めるときのブログ                 

飲食店を希望を持って始めたり順調に多店舗化したり、内装設備に費用がかなり掛かります。その投資を回収できます。

6.サブリース事業 42

2022-04-20 09:11:38 | サブリース事業

サブリースしたいとき      
早めの相談が より 効果的です
        

   

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        ガストが導入する配膳 new
        ロボの実力は  連載 16
        中国は大手日本はこれから

        配膳ロボットの普及具合を
        尋ねてみると、中国では海
        底撈火鍋、呷哺呷哺(Xiab
        u Xiabu)の2つの大手火鍋
        チェーン店、重慶江北国際
        空港、自動車メーカー・B
        YDのディーラー店舗、シェ
        ラトンホテルなど、大手企
        業を中心に少しずつ導入が
        広がっているという。一方、
        日本での普及は、まだまだ
        これからのようだ。「日本
        では、横浜中華街の中国料
        理店、招福門でキーンオン
        ・ロボティクスのT5という
        製品を2台、導入した実績
        があります。
        (次回に続く)

         ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載 15
        人の手がいる4つの作業
        「オペレーションにおいて、
        人の手が必要となる作業は4
        つのみです。1つ目は、指定
        した場所の環境データを取る
        マッピングの作業(初回のみ
        )、2つ目は充電、3つ目は本
        体のカートにたまったゴミの
        処分、4つ目は大雨や大雪の
        ときに遠隔で機械を停止させ
        ることです。ただし、天気は
        ある程度予想できますし、充
        電やゴミ捨ても事前に済ませ
        ておけば、基本的に作業中に
        関与する必要はありません」
        (岸本氏)
        (次回に続く)

         ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載 14
        人の6倍の速度で処理できる

        自動運転の精度が高く、日本
        向け製品は1台につきライダ
        ーを 2  台搭載しているため、
        360 度の方向で100メートル
        先にいる障害物を検知できる。
        障害物が危険な位置に入って
        くると、一旦停止したあと自
        動で動きを切り替え、うまく
        回避するそうだ。指定場所の
        掃除が終わると、自動で待機
        場所に戻りスイッチがオフと
        なる。大雪、大雨といった悪
        天候時を除き、完全に放置し
        ておいても問題ないと断言で
        きるほど安全に使用できると
        いう。実証実験を通して、人
        間が掃除する場合に比べて6
        倍早いという結果が出ている
        そうだ。
        (次回に続く)

         ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載 13
        2022オリンピックに導入

        「ブラシを回転させて掃除
        をするのですが、砂や砂利、
        小さな紙ゴミから新聞紙、
        落ち葉などは問題なく吸い
        込みます。実証実験では、
        手のひらの2倍ほどの木の
        板も砕きながら回収できま
        した。屋内なら広々とした
        展示場や空港、屋外なら公
        園のアスファルトや駐車場
        などで利用できます。まだ
        実証実験中ですが、団地が
        並ぶ私有地の通路も活用で
        きそうです」(テクトレ
        掃除ロボット営業担当 岸本
        佳大氏)


ヴィゴーは、北京2022オリンピックの会場でも導入された。

        (次回に続く)

         ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載 12
        屋内外の自動掃除ロボット

        もう1つ、注目したい中国
        製ロボットが、実用的な自
        動運転技術に定評がある「
        智行者」が開発した、屋内
        外兼用のレベル4自動運転
        業務用掃除ロボット・ヴィ
        ゴーだ。


悪天候時を除き遠隔操作が必要なく、完全に自動運転で作動する
業務用掃除ロボット・ヴィゴー

        事前に、周辺環境を覚える
        ためのマッピングという作
        業が必要だが、一度データ
        をダウンロードすれば、ほ
        ぼ自動で道路や通路上の掃
        除、ゴミ収集、水巻き、消
        毒剤や融雪剤の散布などを
        行える。テクトレ社によれ
        ば、屋外で使えるレベル4
         自動運転業務用掃除ロボ
        ットは世界初の製品だとい
        う。使用時は4G以上のWi
        -Fi接続が必要となる。
         (次回に続く)

         ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載 11
        回転率の向上に寄与

        同グループでは、既出の火
        鍋店と同様に、客が自ら皿
        を受け取るスタイルで配膳
        ロボットを活用している。
        豊かな表情と親しみやすい
        会話を得意とする「ベラボ
        ット」を導入したことで、
        客からは好意的な意見が多
        く、また非接触でのサービ
        ス提供もコロナ禍で支持を
        得ているそうだ。加えて、
        効率化の面でもメリットが
        あったという。「待ち時間
        を解消し、行き届いたサー
        ビスを実現することで、回
        転率向上によるピークタイ
        ムの客数増につながってい
        ます。当社では、配膳ロボ
        ット導入後もスタッフ数は
        削減しておりません。人と
        ロボットの協働により生産
        性が向上し、ピークタイム
        の客数が増えたことにより、
        人件費率が削減しています
        」(すかいらーくグループ
        広報担当者)
        (次回に続く)


         ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載 10
        多様な人材が活躍できる場

        ITを活用しながら多様な人
        財が活躍できる環境をつく
        っていくことが、採用難と
        いう長期的な社会課題への
        迅速な対応策となり、高品
        質なテーブルサービスレス
        トランの提供につながると
        期待しています」(すかい
        らーくグループ 広報担当者)


すかいらーくグループが導入したベラボット
(写真は中国の火鍋店にて)

        (次回に続く)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載  9
        導入目的は職場環境の改善

        22 年1 月末までに340台の
        配膳ロボットを導入したす
        かいらーくグループは、人
        とロボットの協働によるサ
        ービスの充実と働きやすい
        環境づくりを目的に、導入
        を決めたという。「料理や
        下げ物の運搬など、ロボッ
        トがフロアでの接客業務を
        担うことで、人による接客
        品質やクレンリネス(清潔
        で衛生的な状態)の向上を
        図りたい、また、運搬業務
        の作業軽減により、シニア
        スタッフにも優しい職場環
        境を実現したいと考えまし
        た。
        (次回に続く)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載  8
        5年リースで月5万円ほど

        コストについては、キーン
        オン・ロボティクスの代表
        的な製品「T1ライダー版」
        (天井のタグ付け必要なし
        )は、一括購入で260万円。
        プードゥ・ロボティクスの
        猫型の配膳ロボット「ベラ
        ボット」は、一括購入で29
        1万5000円となる。テクト
        レ社の場合、一括購入のほ
        かにリース会社を通じたリ
         ース契約も可能で、例えば
        5年契約で月に5万円前後か
        らの支払いとなる。契約形
        態はファイナンスリースと
        呼ばれるもので、支払いを
        終えると所有権がリース会
        社からユーザーに移行する。
        (次回に続く)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載  7
        ロボットと衝突少ない


中国の火鍋店に導入されたロボットの様子

        露木氏の話では、この火鍋
        店のように混雑していない
        時間帯に利用するケースは
        少なく、むしろ混雑時間帯
        に投入することで、賃金が
        高くなりやすい短時間のパ
        ート雇用などを減らせると
        いった効果が見込まれまる
        という。障害物センサーに
        より、多少混み合っていて
        もロボットと客や従業員が
        衝突する心配は、それほど
        ないようだ。
        (次回に続く)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載  6
        中国本場では

        日本では導入実績が少ない
        こともあり、中国の飲食店
        でのオペレーションを聞い
        てみた。人気のチェーン火
        鍋店「海底撈火鍋」では、
        比較的混雑していない平日
        の午前中や深夜帯に利用し
        ているとのこと。同店では
        店員がサーブするのではな
        く、客が自ら皿を受け取る
        スタイルだ。「質問に対し
        て応答できる音声の種類が
        少ないことは課題ですが、
        配膳のサポートという視点
        では十分な機能を備えてい
        ます。従業員は手が空いた
        時間に新しい仕事を覚える
        ことができて、成長スピー
        ドが上がっていると感じま
        す」(火鍋店のスタッフ)
        (次回に続く)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載  5
        役割は「配膳」「下げ物」

        配膳ロボットが担うのは、
        大きく「配膳」と「下げ物」
        (食べ終わった皿の片付け)
        の2つ。配膳では、棚に料理
        を乗せて席番号などを指定す
        ると、指定席まで自走する。
        この際、ロボットの棚から客
        が自ら皿を受け取る場合と、
        従業員が棚から皿を取って客
        に提供する場合がある。「日
        本の飲食店の場合、他国より
        接客を大事にする傾向が強い
        ため、ロボットに配膳をさせ
        て、従業員が皿をテーブルに
        乗せるというオペレーション
        が多いように思います。ただ
        し、ロボットの効率性を最大
        化するなら、お客さんに自ら
        皿を受け取ってもらうのが良
        いですね」(テクトレ 配膳
        ロボット営業担当 露木悠一
         郎氏)
        (次回に続く)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載  4
        数時間でマッピング作業

        すかいらーくグループが導
        入するBellaBot(ベラボッ
        ト)は、ディスプレイが猫
        の顔になっており、親しみ
        やすい会話ができるほか、
        新型ライダーの採用など機
        能性が高い特徴も。耳に触
        れると、表情を変えながら
        「くすぐったいにゃ」「耳
        を触らないで、なでなでし
        て」などと会話するため、
        子どもにも喜ばれそうだ。
        両社の製品とも、日本に多
        い小型の店舗でも使いやす
        いよう、スリム設計のもの
        が多い。最新版の製品は、
        天井に位置情報を検知する
        ためのタグを貼り付けなく
        とも、使用前に数時間ほど
        のマッピング作業をするだ
        けで、すぐに自律走行でき
        るものが増えているそうだ。
        一方、天井へのタグ付けが
        必要な製品は、事前準備に
        丸1日ほどかかる。
        (次回に続く)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載  3
        用途多彩ロボット

        すかいらーくグループでの
        導入実績を持つロボットメ
        ーカー、プードゥ・ロボテ
        ィクスでは、複数の配膳ロ
        ボットやビル内配送ロボッ
        ト、消毒ロボットを扱う。
        同社の配膳&案内ロボット
        KettyBot(ケティーボット)
        は、大型のディスプレイと
        案内機能を備えており、新
        商品などのマーケティング
        にも利用できる。


大型ディスプレイを備えるケティーボット(右から2番目)、
コミュニケーション機能が高い猫型のベラボット(左から
2番目)

        (次回に続く)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は  連載  2
        配膳ロボット世界最大手
        配膳ロボットの世界最大手
        といわれるキーンオン・ロ
        ボティクスでは、配膳ロボ
        ットを中心に、案内ロボッ
        ト、ホテル用ロボット、消
        毒ロボットも取り扱う。代
        表的な製品である「T1」は
        、Lidar(ライダー)、  3D
        カメラ、深度センサーなど
        のマルチセンサー融合技術
        により複雑な屋内環境でも
        安定して作動し、最高10時
        間稼働するという。 「T1
        」は、単に料理を運ぶだけ
        でなく、状況を判断して喜
        怒哀楽を表情で表現したり、
        音声で声かけをしたりもす
        る。さらに、棚に付いた赤
        外線センサーにより、料理
        の受け渡しが終わると自動
        的にスタート地点に戻るほ
        か、額をタッチすると素早
        く定位置に戻る機能もある。
        (次回にづづく)

        ガストが導入する配膳 
        ロボの実力は 新連載  1

        2021年10月、すかいらーく
        グループは、全国2000店舗
        に中国の大手ロボットメー
        カー「Pudu Robotics」(プ
        ードゥ・ロボティクス)の
        配膳ロボットを導入すると
        発表した。22年1月末現在で、
        340台(しゃぶ葉220台、ガ
        スト120台)まで導入が進ん
        でいるそうだ。ほかにも中国
        には、配膳ロボットの世界最
        大手といわれる「Keenon Ro
        botics」(キーンオン・ロボ
        ティクス)や、世界初となる
        屋外で使えるレベル4自動運
        転業務用掃除ロボット・vig
        go(ヴィゴー)を発売する
        「智行者」(ちぎょうしゃ)
        など、世界のロボット業界
        を牽引する企業がある。


フードゥ・ロボティクス社の配膳ロボットが飲食店で
配膳する様子

                    小林香織 ITmedia
                              (今回新連載です)


        繊維業界の危機   new
        を救った革命 最終回 17
        今も昔も現場が大事

        また、同世代の経営者たち
        との出会いも刺激になった。
        「名だたる企業の社長の皆
        さんと出会い、それが縁で、
        今もダイキンや富士フイル
        ムホールディングスの社外
        取締役をやらせてもらって
        います。そうやって外を知
        ることができたのも大きい」
        自らの手で革命を起こし、
        セーレンを世界に通ずる企
        業にした川田氏の功績は計
        り知れない。他方で、600
        0人を超えるような大会社
        になると、経営トップと社
        員との間に距離ができてし
        まうのが一般的である。た
        だし、川田氏にとっては今
        も昔も変わらず、最も大事
        にしているのが「現場」。
        末端の社員と気さくに会話
        をしたり、彼ら、彼女らの
        意見に積極的に耳を傾けた
        りすることは当たり前にあ
        るそうだ。
        (今回最終回です)

        繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 16
        向上心と親の教育

        川田氏は常に新しいことへ
        の挑戦にこだわる。このモ
        チベーションとは何なのか。
        幼少期から好奇心は旺盛だ
        ったと語るが、親の影響も
        大きいようだ。「われわれ
        が育った環境は貧しかった。
        社会全体もこんなに裕福で
        はありませんでした。常に
        向上心を持ちながら、勉強
        なり仕事なりをしないとい
        けないと言われてきました。
        そう考えると、一番大きい
        のは親の教育かもしれませ
        んね。それは厳しかったで
        すよ」
        (次回最終回です)


         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 15
        中心を非衣料に

        1972年には染色加工が同社
        の売上高の97.3%を占めて
        いた。川田氏の社長就任時
        にもまだ51%あったが、2
        021年度はわずか6.0%に。
        衣料事業の減少も顕著だ。
        社長就任時は非衣料ビジ
        ネスの割合がまだ40%だ
        ったが、現在は83%と倍
        以上に増えている。加え
        て、全体売り上げは社長
        就任時の約500億円から
        1000億円超えになった。
        日本の繊維業界は、199
        1年の12.4兆円をピーク
        に、2018年には3.8兆円
        まで激減しているが、
        セーレンの業績はそれと
        反比例する。これは、あ
        の時の川田氏の経営判断
        が間違いでなかったこと
        を証明する。もしセーレ
        ンが旧態依然としたビジ
        ネスモデルに固執し続け
        ていたら、果たしてどう
        なっていただろうか。
        (次回に続く)



         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 14
        ITは生き残るためのテーマ

        「まだコンピュータが世に
        出始めたころで、ITという
        言葉はあったけど、一般的
        ではありませんでした。た
        だ、会社の将来を見通した
        とき、コンピュータを経営
        にどう取り入れていくのか
        が、生き残るためのテーマ
        だと思ったわけです。あと
        は、当時、富士通の社長だ
        った山本(卓眞)さんなど
        の影響もありましたね。彼
        らと話をしていて、ITの時
        代になってくるのかなとい
        う予感はありました」
        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 13
        当時ITを唱える経営者少数

        バブル景気のころ、多くの
        日本企業が不動産など本業
        とは無関係なものに投資す
        る中、セーレンはビスコテ
        ックス構築のために 200億
        円もの費用を注ぎ込んだ。


ピスコテックスの工場内部(写真提供:セーレン)

        ところで、あの当時、ITを
        唱える日本の経営者はそう
        多くなかった。きっかけは
        何だったのか。
        (次回に続く)



         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 12

       ITに対する先見の明

        また、この革命を支えたの
        がITだった。30年前に作り
        上げた「Viscotecs(ビスコ
        テックス)」というシステ
        ムは、現在もセーレンの製
        品開発に欠かせない大黒柱
        となっている。ビスコック
        スとは、小ロット、短納期、
        カスタマイズなどを実現し、
        「ほしいものを・ほしいと
        きに・ほしいだけ」作るこ
        とができる独自のデジタル
        プロダクションシステムの
        こと。例えば、世界に1着
        だけのオーダーメイドなど
        も可能である。
        (次回に続く)

        繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 11
        繊維のコア技術を応用

        一貫生産体制を築いたこと
        で、繊維のコア技術をさま
        ざまな分野に応用できるよ
        うになった。代表例が、全
        社売り上げの約6割を占め
        るほどの稼ぎ頭となってい
        る車輌資材事業だ。カーシ
        ートの表皮材をはじめ、加
        飾部品、エアバックなどの
        企画、製造、販売を行う。
        同事業で開発された合成皮
        革の新素材「QUOLE」は本
        革の4倍の耐久性、2分の1
        の軽さという機能性の高さ
        が自動車メーカーなどから
        注目を集め、グローバルで
        トップシェアを誇る。
        (次回に続く)

        繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 10
        全内製化、世界で初めて

        これまで染色加工一本足だ
        ったセーレンだったが、川
        田氏はすぐさま整経・製織
        ・編立と、縫製の子会社を
        設立して事業化した。そし
        て、一貫生産体制に向けた
        最後のピースとなる原糸の
        製造のために、業界内の反
        発を押し切ってまでもやっ
        てのけたのが、2005年のカ
        ネボウの繊維事業の買収だ
        った。「再生不可能という
        レッテルを貼られていた会
        社を引き取るわけですから
        、社内外とも大反対でした。
        繊維業界のトップ企業の社
        長からは『まったく可能性
        のない会社。これは国に任
        せてつぶそう』とまで言わ
        れました。しかし、セー
        レンはプロセス産業から抜
        け出し、糸から最終の縫製
        まで全工程を内製化しない
        と生き残れないと考えてい
        ました。繊維業界では非常
        識で、頭が狂ったんじゃな
        いかと散々言われましたよ。
        でも、一貫生産体制は夢で
        したし、結果的にこれが最
        大の武器になりました。繊
        維産業において全てを内製
        化できるのは世界でもセー
        レンだけです」
        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 9
        一貫体制の確立目指す

        中心となったのが、ビジネ
        スモデルの転換である。既
        に述べたように、細分化さ
        れた繊維産業の構造そのも
        のが問題だった。セーレン
        はそうした分業体制から抜
        け出し、一貫生産体制の確
        立を目指した。「分業だと
        儲からない。われわれが長
        年やっていた染色加工とい
        うのは委託なんですよ。自
        分でものを作ったり、売っ
        たりしていない会社だった
        わけです。白い生地をお預
        かりして、この色に染めろ
        と言われて、言われた色に
        染めて、お返しして。そう
        するとお駄賃がもらえる。
        賃加工であって、売買はな
        い」
        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 8   
        5つの経営戦略

        社長になった川田氏が取り
        組んだことは、繊維産業か
        らの脱却。それを実現する
        ため、5つの経営戦略——
        「ビジネスモデルの転換」
        「非衣料・非繊維化」「IT
        化」「グローバル化」「企
        業体質の変革」を打ち出し
        た。


川田氏が社長就任後に打ち出した5つの経営戦略}

        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 7
        異端児からトップに

        こうした状況に前々から警
        鐘を鳴らしていたのが川田
        氏だった。上記のようなこ
        とを、新卒研修時代、毎日
        のように実習日誌に書いて
        は上司に楯突いた結果、会
        社の怒りを買う。研修終了
        後、大卒社員は基本的に本
        社勤務となる中で、一人だ
        け工場配属という左遷人事
        を食らった。ただ、川田氏
        には信念があった。「ある
        べき姿というか、正義感と
        いうか、そういう思いは昔
        から常に持っていましたね」
        以降も挫(くじ)けること
        なく、思ったことを堂々と
        口にするなど、“異端児”ぶ
        りは健在だった。後年、社
        長の白羽の矢が立ったこと
        は、周囲だけでなく川田氏
        自身も青天の霹靂(へきれ
        き)だったと回想する。た
        だ、経営トップの座につい
        たことで、いかんなく力が
        発揮されるようになった。
        それがセーレンの革命につ
        ながっていく。
        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 6
        繊維業は農業だった
        「繊維業は、産業というよ
        りは農業だったんです。綿、
        麻、絹などを 1 年かけて収
        穫して、1  年がかりで売れ
        るかどうか分からないもの
        を作る。農業ですから仕事
        も分業。製糸、染色、縫製、
        問屋と全部分断していて、
        プロセスごとに業界が成り
        立っていました。われわれ
        はその一つにすぎず、トー
        タル的に儲(もう)けは増
        えません。納期は曖昧で、
        工程が細分化されているた
        め品質管理ができない。問
        題が起きてもどこが原因か
        分からないなんて、これは
        産業ではないですよ。繊維
        業界で生きている分にはい
        いけど、異業種ではこんな
        非常識なビジネスは通用し
        ません」
        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 5
        2つのショックで斜陽産業に

        ところが、それに前後して、
        繊維産業に暗雲立ち込める
        “事件”が起きる。71年のニ
        クソン・ショック、73年お
        よび78年のオイルショック、
        85年のプラザ合意による円
        高などによって、繊維の輸
        出は大打撃を受ける。長ら
        く日本の経済を支えた繊維
        は一気に斜陽産業へと転落
        した。当然のように、セー
        レンの売り上げもつるべ落
        としに。「71年から87年ま
        での16年間は、これまでの
        資産で食いつないでいた状
        態でした」と川田氏は振り
        返る。しかし、人間という
        のは一度味わった成功体験
        から抜け出せない。セーレ
        ンの経営幹部をはじめ、ほ
        とんどの社員は危機意識を
        持たず、これまでの仕事の
        やり方を踏襲した。
        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 4
        ガチャ万景気で賑わう
        明治時代以降、繊維産業そ
        のものも日本の基幹産業と
        して発展。1950年代初頭ま
        では輸出額の約半数を繊維
        が占めるほどだった。工場
        で織機をガチャンと 1回動
        かすたびに万の金がもうか
        るという「ガチャマン景気
        」真っ只中のそのころ、福
        井経済も繊維によって大い
        に潤った。福井市内には数
        百人もの芸妓が在籍し、歓
        楽街では毎晩のように札束
        が飛び交う光景が広がって
        いたという。セーレンも業
        績をぐんぐん伸ばし、73年
        には東証・大証ともに一部
        上場を果たす。
        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 3
        1889年の創業

        川田氏が推し進めた革命の
        核心に迫る前に、セーレン
        の歩みについて触れておき
        たい。 福井市に本社を構
        えるセーレンの創業は1889
        年。絹織物を精練(繊維か
        ら不純物などを取り除くこ
        と)する会社としてスター
        トし、途中から染色加工を
        メインの事業にしていった。
        福井県は古くから日本有数
        の繊維の産地として知られ、
        江戸時代には絹織物業が福
        井藩の財政を支えた。現在
        でも合繊長繊維織物につい
        ては全国で約4割のシェア
        を持つ。
        (次回に続く)

         繊維業界の危機   
        を救った革命  連載 2
         22年度過去最高売り上げ

        「100年やってきたので、
        今までの延長で何とかなる
        はずだと皆が思っていまし
        た。古い企業だけに、新し
        い挑戦や変革に対する抵抗
        がすごく強かったし、100
        年続いた仕事を否定するな
        んて許されないことでした。
        まだ昔の繊維産業のDNAは
        社内に残っていますよ。そ
        れとの戦いは続いています」
        いくつもの窮地を救い、倒
        産寸前だったセーレンを再
        建した川田氏。今回のコロ
        ナ禍も耐え凌ぎ、2022年度
        には過去最大となる売上高
        1250億円を見込む。セーレ
        ンをここまでの企業に育て
        てきた川田氏が常に標榜(
        ひょうぼう)してきたのは、
        「革命」という二文字だ。
        「目指したのは改善でも改
        革でもない。壊して作ると
        いう革命なのです」
        (次回に続く)

        繊維業界の危機   
        を救った革命 新連載 1

        流行(はや)り言葉のよう
        に「イノベーション」「変
        革」といったフレーズが氾
        濫している。昨今は、企業
        経営者だけでなく、国の高
        官までもが当たり前のよう
        に口にする。事実、岸田文
        雄首相の所信表明演説でも、
        成長戦略の最重要事項とし
        てイノベーションが掲げら
        れた。それだけ今の日本に
        求められていることの表れ
        なのだろう。一方で、安易
        に使われるきらいもあって、
        果たしてこれが本当のイノ
        ベーションと呼べるものな
        のかという疑わしい事案も
        ビジネスの世界には散見さ
        れる。そうした見地に立っ
        たとき、総合繊維メーカー
        大手のセーレンが30年以上
        前に成し遂げたことは、正
        真正銘のイノベーションと
        言っていいだろう。何しろ、
        それまで100年も続いたビ
        ジネスモデルを否定し、さ
        らには繊維業界の常識を壊
        すことによって業績を飛躍
        的に伸ばしたのだから。そ
        の陣頭指揮をとったのが、
        創業家から経営を託され、
        当時47歳という若さで社長
        に就任した川田達男氏(セ
        ーレン現会長)である。
        伏見学 Itmedia
                             (今回新連載です)


        

        注文後10分で届く  
        ダークストア 最終回 1

        欧米で「Qコマース(クイ
        ックコマース)」が話題に
        なっている。注文から  30
        分以内をメドに日用品など
        を配達するサービスで、そ
        の多くは、消費者が立ち入
        ることができない「ダーク
        ストア(配達専門店)」で
        商品を保管している。日本
        でもQコマースが拡大しつ
        つあり、各地にダークスト
        アが続々とオープンしてい
        るようだ。


通路が狭く、びっしりと商品が配置されているオニゴーの
ダークストア(提供:オニゴー)

        小林香織 ITmedia
                             (最終回)
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